子どもの便秘
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
子供の便秘とは、便が硬くなり、排便が難しくなる、または痛みを伴う状態です。通常、便は腸を通って肛門から出ますが、便秘になるとこの移動が遅くなり、便が腸の中に長く留まることで水分が吸収されて硬くなります。
重要な事実
- 便秘は子供によく見られる症状で、多くの場合、食事や生活習慣の改善で良くなります。
- 便が硬い、排便の回数が少ない、排便時に痛みがあるなどの症状があります。
- 便秘が長く続くと、肛門の裂傷(痔裂)や便漏れ(そくはつ)などの合併症を起こすことがあります。
はい、子供の便秘は非常に一般的です。特に幼児から学童期の子供に多く見られ、全体の約3割の子供が経験すると言われています。
便秘は乳児から学童期の子供まで幅広い年齢で起こります。離乳食を始めた乳児や、トイレトレーニング中の幼児、学校に通い始めた子供に特に多く見られます。
症状
- 激しい腹痛が続いて嘔吐(おうと)がある
- 便に血が混じっている(鮮やかな赤色)
- お腹が大きく膨れてガスも出ない
- 意識がぼんやりしている、またはぐったりしている
- ⚠便秘が2週間以上続いて、家庭での対処で改善しない
- ⚠排便のたびに痛がり、そのために排便を避けるようになった
- ⚠肛門の周りにできものやひび割れ(痔裂)がある
- ⚠体重が減った、または成長に影響がある
一般的な症状
- 排便の回数が少ない(週に2回未満)
- 硬くて乾燥した便が出る
- 排便時に強くいきむ、または痛みを伴う
- お腹が張って痛い、または不快感がある
- 便を出し切った感じがしない(残便感)
子供の症状
- 便を我慢する行動(肛門を締めたり、つま先立ちでそわそわする)
- 便漏れ(そくはつ:硬い便の周りから液状の便が漏れる)
- 機嫌が悪い、イライラする、食欲がない
- お腹の痛みを訴える
原因
主な原因
- 食事に含まれる食物繊維が不足している
- 水分をあまり摂らない
- 排便の感覚を我慢する習慣(トイレを我慢する、遊びに夢中になるなど)
- 生活リズムの変化(旅行、新学期など)
- 特定の薬の副作用
- まれに、腸の神経や筋肉に関する病気が原因となることもある
リスク要因
- 家族に便秘の人がいる
- 運動不足
- ストレスや不安(トイレトレーニングのプレッシャーなど)
- 牛乳の飲み過ぎ(特に乳児)
- 低出生体重で生まれた
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の「緊急」症状がある場合
- 赤ちゃんが生後間もなくから便秘が続く(生後1か月以内)
- 排便が全くなく、お腹が膨れて嘔吐する
定期受診を予約すべき場合:
- 便秘が2週間以上続いている
- 家庭での食事や生活習慣の改善で効果がない
- 排便時にいつも痛がる、または血が混じる
- 体重増加が悪い、または成長に問題がある
診断
医師は、お子さんと保護者の方から症状や食事、排便の様子について詳しく話を聞きます(問診)。また、お腹を診察して、張りや硬さを確認します。必要に応じて、お尻の穴(肛門)を診ることもありますが、ごく簡単な検査です。
行われる可能性のある検査
- 腹部のレントゲン検査(お腹に便がどのくらい溜まっているか確認)
- 血液検査(甲状腺機能や電解質の異常などがないか調べる)
- まれに、肛門の内圧を測る検査や、腸の動きを調べる検査(注腸造影など)
診察で予想されること
診察は痛みを伴うものではありません。医師はお子さんに優しく接します。場合によっては、浣腸(かんちょう)を行って便を出すこともありますが、その場で済む処置です。診断後は、食事や生活習慣のアドバイス、必要に応じて薬による治療が始まります。
治療
便秘の治療は、まず原因となる生活習慣を改善し、症状を和らげ、再発を防ぐことを目指します。多くの場合、家庭での対処で効果がありますが、必要に応じて医師の指導のもとで薬を使うこともあります。
自宅でのセルフケア
- 食物繊維を多く含む食品を積極的に摂る(野菜、果物、豆類、全粒穀物など)
- 十分な水分を摂る(1日1.5~2リットルを目安に、ただし年齢や活動量に応じて)
- 規則正しい排便習慣をつける(毎日食後など決まった時間にトイレに行く)
- 適度な運動を取り入れる(外遊び、散歩、腹筋運動など)
- お腹のマッサージ(時計回りに優しく撫でる)
- 排便を我慢しないように促し、トイレに行きやすい環境を整える
医療治療
食事や生活習慣の改善だけでは効果が不十分な場合、医師は便を柔らかくしたり、排便を促す薬を処方することがあります。これらの薬は、短期間の使用が基本で、医師の指示に従って正しく使うことが大切です。まれに、浣腸(かんちょう)や坐薬(ざやく)を使って一時的に排便を促すこともありますが、これらはあくまで一時的な処置です。
手術が検討される場合
ごくまれに、腸の形や神経に問題がある場合(ヒルシュスプルング病など)には、手術が必要になることがあります。しかし、これは全体の1%未満です。
この病気と共に生きる
便秘の子供との生活では、規則正しい排便習慣を身につけることが大切です。毎日同じ時間にトイレに行くよう促し、成功したら褒めてあげましょう。排便を我慢しないように、トイレに行きやすい環境を整え、無理強いせずに根気よく続けることが重要です。
生活習慣のアドバイス
- バランスの良い食事を心がける(加工食品やお菓子を控え、果物や野菜を多く取り入れる)
- 毎日30分以上の外遊びや運動をする
- 十分な睡眠をとる
- ストレスを減らす(トイレトレーニングや学校のプレッシャーに配慮する)
食事と運動
食事は、食物繊維が豊富な野菜(ほうれん草、ブロッコリー、にんじん)、果物(りんご、バナナ、プルーン)、豆類(大豆、豆腐)、全粒穀物(玄米、全粒粉パン)などを積極的に取り入れましょう。水分は、スープやみそ汁、麦茶なども利用して十分に摂ります。運動は、毎日外で遊ぶ、縄跳び、腹筋運動など、お腹の動きを活発にするものが効果的です。
精神的健康と心の健康
便秘は子供にとって恥ずかしい、つらい経験になりがちです。排便痛があったり、便漏れで汚してしまったりすると、自尊心が傷ついたり、学校でいじめられたりすることもあります。親は優しくサポートし、オープンに話し合える関係を作りましょう。必要に応じて、学校の先生やカウンセラーに相談するのも良い方法です。
予防
はい、多くの場合、便秘は予防できます。バランスの良い食事、十分な水分、定期的な運動、規則正しい排便習慣を習慣づけることが大切です。特に、離乳食を始める時やトイレトレーニングの時期に注意しましょう。
合併症
治療しない場合
- 慢性的な便秘が続くと、肛門の裂傷(痔裂)や痔核(いぼ痔)ができる
- 便が腸に詰まる(宿便:しゅくべん)
- 便漏れ(そくはつ)が起こり、下着を汚す
- 腹部膨満感や腹痛が続く
- 尿路感染症や夜尿症のリスクが高まる
長期的な見通し
適切な治療と生活習慣の改善により、ほとんどの子供の便秘は改善し、健康な排便習慣を身につけることができます。長く続く場合でも、根気よく対処すれば、通常の生活に戻れます。焦らずに、医師と相談しながら進めていきましょう。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。
Guidance may differ by country or region. Confirm local recommendations with a qualified healthcare provider.