クループ
参照した情報源
この記事は患者教育のための独自コンテンツです。
- NICE—Croup — CKS(2023)
- NHS—Croup(2023)
- AAP—Croup — American Academy of Pediatrics(2023)
国際的な臨床ガイドラインに基づいています
概要
クループは、のどや気管(空気の通り道)が炎症を起こして腫れ、特に夜間に「ケンケン」というイヌの鳴き声のような咳が出る病気です。主にウイルス感染が原因で、小さいお子さんによく見られます。
重要な事実
- 多くは軽症で、数日で自然に良くなります。
- 特徴的な咳や声のかすれが見られます。
- 夜間に症状が悪化することがあります。
はい、クループは幼い子どもに非常によく見られる病気です。ほとんどの子どもが一度は経験すると言われています。
主に生後6か月から3歳までの子どもに多く見られますが、大きくなった子どもや大人がかかることもあります。男の子の方がややかかりやすいとされています。
症状
- 息を吸う時や吸った後に、胸や鎖骨の上が激しくへこむ(陥没呼吸)
- 息を吸う音(喘鳴)がひどくなり、安静にしていても聞こえる
- 唇や顔色が青紫色になる(チアノーゼ)
- 意識がぼんやりしている、または反応が悪い
- 呼吸が速すぎる、または苦しそうで話すこともできない
- ⚠夜間に症状が急に悪化した
- ⚠水分が十分に取れず、おしっこの回数が減った
- ⚠発熱が40℃以上続く
- ⚠症状が1週間以上続く、または良くなったり悪くなったりを繰り返す
一般的な症状
- 「ケンケン」というイヌのような咳(犬吠様咳嗽)
- 声のかすれ
- 息を吸う時に「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という音(喘鳴)が出る
- 夜間に症状が強くなる
子供の症状
- 上記の症状に加え、発熱(38℃前後)
- 鼻水や軽い咳から始まることが多い
- 泣いたり興奮したりすると症状が悪化する
高齢者の症状
- 子どもに比べて症状は軽いことが多い
- のどの痛みや違和感が主な症状
- 重症化することはまれ
原因
主な原因
- ウイルス感染(特にパラインフルエンザウイルス)
- まれに細菌感染やアレルギー反応が原因となることもある
リスク要因
- 年齢:生後6か月~3歳が最もリスクが高い
- 秋から冬にかけて多く発生する
- 喘息などの呼吸器疾患がある
- 兄弟姉妹が保育園や幼稚園に通っている(感染機会が多い)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合は、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
- 夜間に症状が強くなり、眠れない、または呼吸が苦しそうな場合は、夜間救急外来を受診しましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 日中に軽い咳や声のかすれがあり、元気で水分も取れている場合は、翌日医療機関を受診してください。
- 初めてのクループや、症状がよくわからない場合も、小児科を受診しましょう。
診断
医師が症状を聞き、のどや胸の音を聴診器で聴くことで診断します。特徴的な咳や声の変化が重要な手がかりです。
行われる可能性のある検査
- 症状がはっきりしていれば、特別な検査は必要ありません。
- 重症の場合や診断が難しい場合に、首のX線検査(正面・側面)を行うことがあります。
- 血液検査やウイルス検査が必要になることはまれです。
診察で予想されること
診察では、まず医師がお子さんの様子を観察し、呼吸の状態を評価します。必要に応じて酸素飽和度(SpO2)を測定することもあります。診断がつけば、症状の重さに合わせた治療方針が説明されます。
治療
治療は症状の程度によって異なります。軽症の場合は自宅でのケアが中心で、中等症以上の場合は医療機関での治療が必要です。
自宅でのセルフケア
- お子さんを落ち着かせ、泣いたり興奮したりしないようにしましょう(泣くと症状が悪化します)。
- 加湿器を使ったり、浴室の蒸気を吸わせたりして、のどの乾燥を防ぎましょう。
- 水分をこまめに与え、のどを潤しましょう(冷たいものより、常温の飲み物がおすすめです)。
- 部屋を清潔に保ち、タバコの煙などの刺激を避けてください。
- 頭を少し高くして寝かせると、呼吸が楽になることがあります。
医療治療
中等症以上の場合は、医療機関で炎症を抑えるお薬(ステロイド薬)を内服または吸入で使用します。重症の場合は、気道の腫れを一時的に抑えるお薬(アドレナリン吸入)を用いたり、入院して酸素や吸入療法を行うことがあります。
手術が検討される場合
クループに対して手術が必要になることはほとんどありません。ごくまれに、気管が狭くなりすぎた場合に気管切開を検討することがありますが、非常に稀なケースです。
この病気と共に生きる
クループの症状は通常、3~5日でピークを過ぎ、その後徐々に改善します。夜間に症状が悪化しやすいため、就寝前に加湿をしたり、お子さんの様子を確認する習慣をつけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 感染を広げないために、こまめな手洗いを心がけましょう。
- お子さんが使ったタオルや食器は他の家族と分けてください。
- 症状が落ち着くまでは、保育園や幼稚園はお休みしましょう(解熱後も2~3日は様子を見るのが無難です)。
食事と運動
水分はいつもより多めに取りましょう。食事は刺激の少ないものを少しずつ与えてください。激しい運動は控え、安静に過ごすことが大切です。
精神的健康と心の健康
夜間に急に症状が悪化すると、お子さんも不安になり、親御さんも心配になります。お子さんが怖がっているときは優しく抱きしめ、落ち着かせてあげましょう。親御さん自身も、無理をせず、周りの人に助けを求めてください。
予防
クループそのものを完全に予防する方法はありませんが、ウイルス感染のリスクを減らすことが大切です。
ワクチン
インフルエンザなどのワクチン接種は、間接的にクループのリスクを減らす可能性がありますが、直接的なクループワクチンはありません。
検診プログラム
症状が出た時の早期対応が重要です。予防的なスクリーニング検査は行われていません。
合併症
治療しない場合
- 呼吸困難が悪化し、酸素が十分に取り込めなくなる
- まれに、細菌による二次感染(気管支炎や肺炎)を起こす
- 長引く咳で体力を消耗し、脱水症状になる
長期的な見通し
ほとんどのクループは適切なケアと治療で、後遺症なく完治します。重症例でも、早期に医療機関を受診すれば、多くのお子さんは数日で回復します。心配な症状があれば、ためらわずに医師に相談してください。
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地域の団体
- 厚生労働省「こどもの救急」 ↗ · 日本
- 日本小児科学会「Q&A クループ」 ↗ · 日本
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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