Coeliac disease living in infants
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
セリアック病(グルテンに対するアレルギー反応のようなもの)は、小麦や大麦などに含まれる「グルテン」というたんぱく質に体が過剰に反応してしまう病気です。赤ちゃんの場合、離乳食で初めてグルテンを食べた後に症状が出ることがあります。この病気は体の免疫(ばい菌と戦う仕組み)が間違って自分の腸を攻撃してしまい、栄養をうまく吸収できなくなります。
重要な事実
- セリアック病は遺伝が関係していて、家族にこの病気の人がいるとリスクが高くなります。
- 症状は個人差が大きく、おなかの調子が悪い子もいれば、ほとんど症状がない子もいます。
- 治療法は「グルテンを含まない食事」を一生続けることです。
- 診断が遅れると成長や発達に影響が出ることがあるので、早めの受診が大切です。
日本では比較的まれな病気とされていますが、最近は診断技術の向上により、以前より見つかるケースが増えています。海外では約100人に1人くらいの割合でいると言われています。
赤ちゃんから大人までどの年齢でも発症する可能性があります。特に、遺伝的にリスクがある人(家族に患者がいる人)や、特定の遺伝子(HLA-DQ2やHLA-DQ8)を持つ人に多く見られます。
症状
- 激しいおなかの痛みで動けない
- 繰り返す激しい嘔吐や下痢でぐったりしている
- 意識がもうろうとしている
- ⚠下痢や嘔吐が続いて水分がとれない
- ⚠体重が急に減っている
- ⚠いつもと違う激しい泣き方やぐずり方をする
一般的な症状
- 慢性的な下痢や便秘
- おなかが張る、ガスが出る
- 体重が増えない、または減ってしまう
- 疲れやすい、元気がない
子供の症状
- 成長が遅い(身長や体重が平均より小さい)
- おなかが痛がる、ぐずる
- 便の色が白っぽい、油っぽい
- イライラして機嫌が悪い
- 歯のエナメル質にむらがある
高齢者の症状
- 関節の痛みやこわばり
- 骨がもろくなる(骨粗しょう症)
- 慢性的な疲労感
- 貧血(血液が薄くなる)
原因
主な原因
- グルテン(小麦、大麦、ライ麦に含まれる)を食べたときに、免疫システムが誤って小腸の細胞を攻撃してしまう。
- 遺伝的な要因(特定の遺伝子を持っているとリスクが高まる)。
- 何かきっかけ(感染症や手術など)で免疫システムが混乱して発症することがある。
リスク要因
- 家族にセリアック病や自己免疫疾患(1型糖尿病など)の人がいる
- 特定の遺伝子(HLA-DQ2またはHLA-DQ8)を持っている
- ダウン症候群やターナー症候群など、他の病気を持っている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 赤ちゃんが何度も嘔吐して水分を受け付けない
- 下痢が続いておむつかぶれがひどい、または血が混じる
- 発熱があり、ぐったりしている
定期受診を予約すべき場合:
- 離乳食を始めた後に、おなかの調子が悪そうな日が続く
- 体重や身長の伸びがゆっくりになった
- 食後に決まって機嫌が悪くなる
診断
まずは血液検査で、セリアック病に特徴的な抗体(免疫の目印)があるか調べます。その後、必要に応じて内視鏡(細い管を口から入れて)で小腸の組織を少し取り、顕微鏡で詳しく調べる検査(生検)を行うことがあります。赤ちゃんの場合は、小児専門の医師が慎重に判断します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(抗組織トランスグルタミナーゼ抗体などを測定)
- 遺伝子検査(HLA-DQ2/DQ8の有無)
- 内視鏡による小腸生検(確定診断のために行うことがある)
診察で予想されること
赤ちゃんの血液を採るのは短時間で終わります。生検が必要な場合は、鎮静剤を使って眠らせた状態で行うので、赤ちゃんに負担は少ないです。診断が確定するまでは、自己判断でグルテンをやめないでください。検査結果が正しく出なくなります。
治療
セリアック病の治療の中心は、食事からグルテンを完全に除く「グルテンフリー食」です。薬で治すことはできませんが、食事を守れば多くの症状は改善します。赤ちゃんの場合は、離乳食の材料からグルテンをなくすことが大切です。
自宅でのセルフケア
- 小麦粉、大麦、ライ麦を含む食品を避ける(パン、パスタ、うどん、クッキーなど)
- 米粉、そば粉、コーンスターチなどグルテンのない穀物を使う
- 加工食品のラベルを必ず確認する(「小麦」と表示されていれば避ける)
- 外食時は事前にレストランに相談する
- キッチンでグルテンを含む食材と含まない食材を分けて管理する(コンタミネーション防止)
医療治療
医師の指導のもと、栄養不足を補うためにビタミンやミネラルのサプリメントが勧められることがあります。また、症状が重い場合は、小腸の炎症を抑えるための薬が一時的に使われることもあります(ただし、特定の名称はここでは控えます)。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
この病気に対して手術が必要になることはほとんどありません。ただし、まれに腸に重大な損傷があった場合は治療の一環として行われる可能性がありますが、まずは食事療法が優先されます。
この病気と共に生きる
毎日の食事でグルテンに気をつけることが基本です。赤ちゃんの場合は、家族全員が協力してグルテンフリーの環境を整えましょう。食材を買うときは「グルテンフリー」と表示されたものや、自然にグルテンを含まない食品(米、野菜、果物、肉、魚、卵など)を選びます。
生活習慣のアドバイス
- グルテンフリーのレシピを覚える
- 外食時はメニューを事前に確認する
- 保育園や幼稚園には必ず病気のことを伝え、給食やおやつに対応してもらう
- 旅行やお出かけにもグルテンフリーの食品を持っていく
食事と運動
グルテンフリー食を守りながら、バランスの良い食事を心がけましょう。赤ちゃんの成長に必要な栄養が不足しないよう、医師や管理栄養士に相談することをおすすめします。運動は赤ちゃんの成長に合わせて普通に行って問題ありません。
精神的健康と心の健康
食事制限が続くと、赤ちゃんだけでなく家族にもストレスがかかることがあります。他の人と同じものを食べられないもどかしさや、外食のたびに気を遣う大変さがあるかもしれません。そうした感情は自然なことです。必要なら、医療者や同じ病気の家族と話すことで気持ちが楽になることもあります。
予防
セリアック病を完全に予防する方法は今のところありません。ただし、リスクのある赤ちゃん(家族に患者がいるなど)は、離乳食でグルテンを始める時期や量について医師と相談することで、発症を遅らせたり症状を軽くできる可能性があります。厚生労働省の離乳食のガイドラインに沿って進めましょう。
ワクチン
セリアック病そのものに対するワクチンはありません。しかし、通常の予防接種(インフルエンザなど)は問題なく受けられます。主治医と相談してください。
検診プログラム
リスクの高い子ども(家族にセリアック病患者がいるなど)に対しては、血液検査でのスクリーニング(早期発見のための検査)が検討されることがあります。日本ではまだ一般的ではありませんが、気になる場合は医師に相談してみてください。
合併症
治療しない場合
- 栄養吸収障害による成長の遅れ
- 貧血(鉄分やビタミン不足)
- 骨が弱くなる(骨粗しょう症)
- 不妊や流産のリスク(成人後)
- まれに小腸のリンパ腫(がんの一種)のリスクが高まることがある
長期的な見通し
セリアック病は食事をしっかりと管理すれば、ほとんどの症状が改善し、普通の生活を送ることができます。赤ちゃんの場合も、早めに診断してグルテンフリー食を始めれば、成長や発達にほとんど影響が出ません。医学の進歩により、グルテンフリーの食品も増えてきています。希望を持って、一歩ずつ取り組んでいってください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月20日
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