乳児の深部静脈血栓症(DVT)からの回復と生活
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
深部静脈血栓症(DVT)は、体の深いところにある静脈に血液のかたまり(血栓)ができる病気です。赤ちゃんではとてもまれですが、特に治療が必要な小さな子どもに起こることがあります。治療をすれば多くの場合、良くなります。
重要な事実
- 赤ちゃんのDVTはまれで、主に入院中や中心静脈カテーテルを使用している場合に起こります。
- 早期発見と治療で多くの赤ちゃんは回復します。
- 治療には血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)が使われます。薬の種類や量は医師が慎重に決めます。
赤ちゃんのDVTは非常にまれです。小児全体でもDVTの発生率は低く、特に新生児や乳児ではさらにまれな病気です。
主にNICU(新生児集中治療室)に入院している赤ちゃんや、中心静脈カテーテル(点滴の管)を使用している赤ちゃんに起こります。また、血液が固まりやすくなる体質の赤ちゃんにも見られることがあります。
症状
- 突然の呼吸困難や胸の痛み
- 意識がもうろうとする
- 血痰(血の混じったたん)が出る
- こうした症状は、血栓が肺に飛ぶ肺塞栓症(はいそくせんしょう)の可能性があります。すぐに119番(救急車)を呼んでください。
- ⚠手足の急な腫れや痛み
- ⚠皮膚の色が急に変わった
- ⚠赤ちゃんがひどくぐずったり、ぐったりしている
- ⚠これらの症状があれば、当日中に小児科を受診してください。
一般的な症状
- 血栓ができた部分の腫れ
- 皮膚の色が赤っぽくなったり、紫色になる
- 痛みや不快感(赤ちゃんが泣いたり、触ると嫌がる)
子供の症状
- 乳児や小児では上記の症状に加えて、発熱や元気がないこともあります。
- 症状がわかりにくい場合もあるので、注意深く観察することが大切です。
高齢者の症状
- 大人のDVTでは片足の腫れ、痛み、熱感が典型的ですが、赤ちゃんでは症状が非特異的で、全身状態の変化として現れることが多いです。
原因
主な原因
- 血管の損傷(中心静脈カテーテルなどの医療処置が原因になることがあります)
- 血液の流れが滞る(長時間同じ姿勢でいることなど)
- 血液が固まりやすくなる状態(先天性の病気や感染症など)
リスク要因
- 中心静脈カテーテルの使用
- 脱水(水分が不足すること)
- 先天性心疾患
- 外傷や手術後
- 家族に血栓症の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 呼吸困難や胸痛がある場合はすぐに119番
- 手足の急な腫れや痛み、皮膚の色の変化があれば、すぐに医療機関へ
- 赤ちゃんの元気がない、けいれんがある場合も緊急受診が必要
定期受診を予約すべき場合:
- DVTの治療中は定期的な通院が必要です(血液検査や超音波検査など)
- 治療が終わった後も、経過を見るために医師の指示に従って通院してください
- 何か気になる症状があれば、予約外でも相談しましょう
診断
医師が赤ちゃんの症状と身体の状態を診て、超音波(エコー)検査を行います。エコーで静脈の中の血栓を確認します。また、血液検査で血液の固まりやすさを調べることもあります。
行われる可能性のある検査
- 超音波検査(エコー):静脈の画像を映し出し、血栓の有無や大きさを調べます。
- 血液検査:凝固能(血液の固まりやすさ)やDダイマー(血栓ができるときに出る物質)を測定します。
- 場合によっては造影CTやMRIを行うこともあります。
診察で予想されること
検査は赤ちゃんに負担の少ない方法で行われます。医師がしっかり説明しながら進めます。保護者の方はそばにいてあげられることが多いので、不安なことを聞いてください。
治療
治療の目的は、血栓を小さくしたり、これ以上大きくならないようにすることです。主に血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を使います。赤ちゃんの体重に合わせて量を調整し、注射や飲み薬で投与します。治療期間は数週間から数か月です。
自宅でのセルフケア
- 医師の指示に従って、正確に薬を飲ませてください。
- 安静が必要な場合もありますが、動かせる範囲で手足を動かすことも大切です。
- 弾性ストッキングなどで圧迫する治療を行うこともあります(医師の指示がある場合のみ)。
医療治療
抗凝固薬は注射または飲み薬で投与されます。治療中は定期的に血液検査を行い、薬の効果が適切かどうかを確認します。血栓が大きくて血流が悪い場合は、カテーテルを使って血栓を取り除く治療(カテーテル治療)が行われることがあります。
手術が検討される場合
赤ちゃんの場合、外科手術で血栓を取り除くことはほとんどありません。薬が効かないなど特別な場合に、医師が検討することがあります。
この病気と共に生きる
治療中の赤ちゃんの生活は、毎日の薬の服用と、定期的な通院が中心です。腫れや痛みがないか、機嫌やおっぱい・ミルクの飲み具合を観察してください。
生活習慣のアドバイス
- 医師の許可があれば、普通に抱っこしたり、おむつを替えたりしてかまいません。
- カテーテルがある場合は、その部分を清潔に保ち、引っ張らないように注意します。
- 入浴は医師の指示に従ってください(シャワーのみの場合もあります)。
食事と運動
母乳やミルクは通常通り与えてください。抗凝固薬の中には、ビタミンKを多く含む食品(納豆、緑黄色野菜など)を制限する必要があるものもあります。必ず医師に確認してください。特別な運動制限はありませんが、医師の指示を守りましょう。
精神的健康と心の健康
赤ちゃんの病気は保護者にとって大きな心配やストレスになります。不安な気持ちを一人で抱え込まず、医師や看護師、家族や友人に話してください。必要に応じて、カウンセリングなどのサポートを尋ねることもできます。
予防
完全に予防することは難しいですが、入院中の赤ちゃんでは、カテーテルを必要最小限の期間にしたり、適切な管理をすることでリスクを減らせます。また、こまめに水分を補給し、できる範囲で体を動かすことも予防につながります。
ワクチン
DVTに直接関係するワクチンはありません。通常の予防接種はスケジュール通り受けることができますが、抗凝固薬を服用している場合は、接種前に医師に相談してください。
検診プログラム
特別なリスクがある赤ちゃんに対しては、医師の判断で超音波検査などを行うことがあります。一般的なスクリーニング検査はありません。
合併症
治療しない場合
- 血栓が大きくなり、血流を完全に止めてしまう恐れがあります。
- 血栓がはがれて肺に飛び、肺塞栓症という危険な状態になることがあります。
- 治療が遅れると、慢性の腫れや痛み(血栓後症候群)が残ることがあります。
長期的な見通し
きちんと治療を受ければ、多くの赤ちゃんは後遺症なく回復します。治療後も経過観察が必要ですが、希望を持って前向きに取り組むことが大切です。医師とよく相談し、赤ちゃんの成長を見守っていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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