10代のあなたへ:認知症の家族を支えるために知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
認知症(にんちしょう)とは、脳の病気や障害によって、記憶力や判断力、考える力などが少しずつ低下していく状態のことです。認知症の人は、新しいことを覚えにくくなったり、場所や時間がわからなくなったり、感情のコントロールが難しくなったりすることがあります。これは「老化の一部」ではなく、治療やケアが必要な病気です。
重要な事実
- 認知症は、年をとるといつかはなるものではなく、れっきとした病気です。
- 認知症の人の数は世界中で増えており、日本でも約600万人(2023年時点)が認知症と言われています。
- 認知症の家族の世話をする「ヤングケアラー」と呼ばれる10代の若者もたくさんいます。あなたは一人ではありません。
- 認知症にはいくつかの種類があり、アルツハイマー型が最も多く見られます。
- 認知症は進行性ですが、適切なケアやサポートによって症状を穏らかにすることができます。
はい、認知症は高齢者を中心に非常に一般的な病気です。65歳以上の約7人に1人が認知症と言われています。ただし10代の人が認知症になることはほとんどありません。ここでは、あなたの家族や知り合いが認知症になった場合に、あなたがどのようにケアに参加できるかの情報をお伝えします。
認知症は主に65歳以上の高齢者に多く見られますが、まれに若い世代(若年性認知症)でも発症することがあります。この記事では、10代のあなたが、認知症の家族(祖父母や親など)を支えるための知識と心構えを紹介します。
症状
- 突然、意識を失った、または呼びかけにまったく反応しない
- 激しい頭痛やけいれん(ひきつけ)が起きた
- 転んで頭を強く打った、骨折した疑いがある
- 自分で呼吸ができていない
- 急性の錯乱(混乱)状態で、普段とまったく違う行動をする
- ⚠いつもより元気がなく、食事や水分をまったく取らなくなった
- ⚠薬を飲み忘れたり、間違って何度も飲んだりした
- ⚠便や尿を数日間出していない
- ⚠家の中で何度も転んだり、けがをした
- ⚠急に、今までできていたことができなくなった
一般的な症状
- 最近の出来事を忘れる(例:さっき食べたものを思い出せない)
- 何度も同じことを聞く、話す
- 慣れた場所で迷う
- 気分が不安定になる、怒りっぽくなる
- 身だしなみや衛生に気を配らなくなる
- 判断力が低下する(例:危険な行動をする)
高齢者の症状
- 上記の「common」に加えて、さらに進行すると、家族の顔がわからなくなる、言葉が出てこなくなる、歩けなくなるなどの症状が現れることがあります。
原因
主な原因
- 認知症の原因は、脳の神経細胞が壊れたり、減ったりすることです。代表的な病気として、アルツハイマー病、脳血管障害(脳卒中など)、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがあります。
- アルツハイマー病は、脳に「アミロイドβ」というたんぱく質がたまることで起こると考えられています。
- 脳血管障害による認知症は、脳の血管が詰まったり破れたりして、脳の一部が機能しなくなって起こります。
リスク要因
- 高齢であること(最大のリスク要因)
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病
- 運動不足、喫煙、過度な飲酒
- 遺伝的要因(家族に認知症の人がいる場合、リスクがやや高まることがあります)
- 頭部のけがの繰り返し
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 認知症の人が、突然、激しい頭痛や吐き気を訴えた
- 自分や周りの人の安全が危険にさらされている(例:ガスをつけっぱなしにする、外に勝手に出て行く)
- 数日間、食事や水分をまったく取らない
- けいれんや意識を失うような発作があった
定期受診を予約すべき場合:
- 物忘れが数か月以上続き、日常生活に支障が出ている
- 性格が変わったように感じる(例:怒りっぽくなった、無気力になった)
- 自分や家族が「もしかして認知症?」と心配になったとき
- 認知症と診断された後でも、定期的に医師の診察を受けることが大切です。
診断
認知症の診断は、医師による問診(話を聞くこと)、認知機能テスト(簡単な質問や計算、絵を描くなど)、画像検査(MRIやCTなど)を組み合わせて行われます。早期発見・早期対応が、進行を遅らせるために重要です。
行われる可能性のある検査
- 問診:本人や家族から症状の経過を聞く
- 認知機能検査:MMSE(ミニメンタルステート検査)や長谷川式簡易知能評価スケールなど
- 血液検査:他の病気を除外するため
- 脳画像検査:MRIやCTで脳の萎縮や異常を確認する
診察で予想されること
初めての診察では、医師が本人と別々に話すこともあります。あなたが家族として持っている情報(症状の変化、困っていること)はとても役立ちます。診断が確定するまでに数週間から数か月かかることもありますが、焦らずに進めましょう。
治療
認知症を完全に治す治療法はまだありませんが、症状の進行を遅らせたり、生活の質を改善するための治療法はあります。薬物療法(症状を和らげる薬)と非薬物療法(回想法、音楽療法、運動など)の両方が用いられます。早期に適切なケアを始めることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 認知症の人が安全に過ごせるように、家の中の危険なものを片付ける
- 毎日同じリズムで生活する(起床、食事、就寝の時間を一定に)
- 本人のペースを尊重し、できることは自分でやってもらう
- あなた自身のストレスケアも忘れない(一人で抱え込まない)
医療治療
医師は、症状に応じて、認知機能の低下を遅らせる薬や、不安・興奮・うつ症状を和らげる薬を処方することがあります。これらの薬には副作用もあるため、必ず医師の指示に従ってください。具体的な薬の名前や用量はここでは記載しません。また、リハビリテーションや作業療法などの非薬物療法も組み合わせると効果的です。
手術が検討される場合
認知症そのものに対する手術は通常ありません。ただし、認知症の原因となる病気(例:脳腫瘍や慢性硬膜下血腫)に対して手術が必要になることはあります。その場合は、専門医とよく相談しましょう。
この病気と共に生きる
認知症の家族と暮らすことは、時に大変で疲れることもあります。まずは、あなた自身の健康を守ることが最優先です。無理をせず、学校の先生やスクールカウンセラー、家族、地域のサポートサービスに助けを求めてください。認知症の人と接するときは、穏やかな声で、ゆっくり話し、否定せずに共感することが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 認知症の人と一緒に散歩する(適度な運動は脳にも良い)
- 簡単な家事を一緒にやる(料理の手伝い、洗濯物をたたむなど)
- 音楽や昔の写真を見ながら話をする(回想法)
- あなた自身の趣味や友達と過ごす時間も大切にする
食事と運動
認知症の人にとって、バランスの良い食事(野菜、魚、大豆製品など)と適度な運動は、脳の健康を保つのに役立ちます。また、あなた自身も健康的な食事と十分な睡眠を心がけましょう。
精神的健康と心の健康
認知症のケアをしていると、悲しみや怒り、無力感、罪悪感を感じることがあります。これはあなたが悪いからではなく、状況に対する自然な反応です。感情を誰かに話すこと、あなた自身のための時間を作ることがとても大切です。もし自分を傷つけたい気持ちや、どうしようもない絶望感があるなら、すぐに信頼できる大人に相談してください。
予防
現時点では、認知症を完全に予防する方法はわかっていません。しかし、健康的な生活習慣(適度な運動、バランスのよい食事、十分な睡眠、社会とのつながり)を続けることで、発症リスクを下げたり、進行を遅らせることができる可能性があります。
ワクチン
認知症を直接予防するワクチンはありません。ただし、肺炎やインフルエンザなどの感染症予防のためのワクチンは、高齢者の健康維持に役立ちます。
検診プログラム
日本では、特定健診や後期高齢者医療制度の中で、医師が問診や簡単なテストを行うことがありますが、全員が義務ではありません。もの忘れが気になる場合には、地域の「もの忘れ相談」や「認知症早期発見事業」を利用することができます。
合併症
治療しない場合
- 転んでけがをするリスクが高まる
- 栄養不足や脱水症状を起こしやすくなる
- うつ状態や不安が強くなることがある
- 家族の介護負担が大きくなり、介護者自身の健康を損ねる可能性がある
長期的な見通し
認知症はゆっくりと進行する病気ですが、適切なケアとサポートを受けることで、本人と家族の生活の質を長く保つことができます。今は完全に治せなくても、研究は日々進んでおり、将来の治療法に希望がもてます。何よりも、あなたが家族を思う気持ちが、一番の支えになります。
サポートを探す
国際機関
- アルツハイマー協会(国際)
地域の団体
- お住まいの市区町村の「地域包括支援センター」 · 日本全国
- 認知症の人と家族の会(各地に支部あり) · 日本全国
相談窓口
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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