乳幼児のデング熱回復:家庭でできるケアと注意点
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
デング熱は、蚊(ネッタイシマカやヒトスジシマカ)が運ぶウイルスによって起こる病気です。多くの場合、発熱や体の痛み、発疹が出ますが、乳幼児(赤ちゃんや小さな子ども)がかかると、重症化することもあります。回復期には、しっかりと水分を補い、安静にすることが大切です。
重要な事実
- デング熱は、ウイルスに感染した蚊に刺されることでうつります。
- 乳幼児は重症化するリスクが高いため、注意深く観察する必要があります。
- 具体的な治療薬はなく、安静と水分補給が中心の治療になります。
- 多くの子どもは適切なケアで完全に回復します。
日本では、海外から帰国した方や国内での局地的な発生によって、年間数百〜数千人の報告があります。乳幼児の割合は全体の一部ですが、注意すべき感染症です。
デング熱は世界中の熱帯・亜熱帯地域で見られます。乳幼児は特に免疫が未熟なため、重症化しやすいとされています。また、以前に別の型のデングウイルスに感染したことがある子どもは、重症な出血を伴うデング出血熱になりやすいと言われています。
症状
- けいれん(ひきつけ)を起こした
- 意識がぼんやりしている、呼びかけに反応しない
- 呼吸が苦しそう、息が速い
- 顔色が青白い、または紫色
- 血を吐いた、または便に血が混じる
- ショック症状(手足が冷たく、脈が弱く速い)
- ⚠高熱が3日以上続く
- ⚠水分をまったく受け付けず、ぐったりしている
- ⚠尿の量が極端に少ない(6時間以上おしめが濡れない)
- ⚠痛みが強く、泣き止まない
- ⚠目の周りや手足にむくみが出た
一般的な症状
- 突然の高熱(38.5℃以上)
- 強い頭痛
- 目の奥の痛み
- 関節や筋肉の痛み
- 吐き気や嘔吐
- 赤い発疹(熱が下がった後に出ることが多い)
子供の症状
- 熱の上がり下がりが激しい
- ぐずる、機嫌が悪い
- ミルクや母乳を飲まなくなる
- お腹を痛がる(泣き方が違うなど)
- 手足が冷たくなる(重症化のサイン)
高齢者の症状
- 乳幼児に特有の症状はありません。
原因
主な原因
- デングウイルスを持つ蚊(主にネッタイシマカ)に刺されることで感染します。ヒトからヒトへ直接うつることはありません。
リスク要因
- デング熱が流行している地域(東南アジア、南アジア、中南米など)への渡航または居住
- 乳幼児であること(免疫が未熟)
- 以前にデング熱にかかったことがある(特に別の型のウイルス)
- 蚊に刺されやすい環境(屋外活動、蚊の多い時期や場所)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合(すぐに救急車を呼ぶ)
- 高熱が続き、元気がない
- 水分が取れず、脱水が疑われる
- 出血の兆候(鼻血、歯ぐきの出血、皮膚のあざ)
- 症状が一旦よくなった後、急に悪化した
定期受診を予約すべき場合:
- 発熱が2日以上続く場合は、かかりつけの小児科を受診しましょう。
- 海外から帰国後、発熱や発疹が出たら、念のため医師に相談してください。
診断
医師が問診(症状や渡航歴、蚊に刺された場所など)と身体診察を行い、血液検査でデングウイルスを調べます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査:ウイルスの遺伝子(PCR検査)や抗体(IgM、IgG)を調べます。
- 血球数検査:血小板の数や血液の濃さを確認します(重症化の判断に使います)。
- 肝機能検査:肝臓の炎症の程度を調べることがあります。
診察で予想されること
診断は主に血液検査で行われ、結果が出るまで数時間〜数日かかることがあります。乳幼児の場合は、脱水や重症化の兆候がないか、入院して経過を見ることもあります。医師からは安静と水分補給、熱や痛みを和らげるための一般的な対処法(具体的な薬の名前は出しません)が指示されます。
治療
デング熱に特効薬はなく、治療は症状を和らげながら、体の回復を助けることが中心です。安静と十分な水分補給が基本です。重症の場合は入院が必要になることもあります。
自宅でのセルフケア
- 十分な休息をとらせましょう。赤ちゃんは静かな環境で寝かせてください。
- こまめに母乳やミルク、または経口補水液(OS-1のようなもの)を与えましょう。吐き気がある場合は、少量ずつ頻回に与えると良いです。
- 熱が高いときは、薄着にして室温を快適に保ち、ぬれタオルで額やわきの下を冷やしてあげてください。
- 解熱剤は医師に相談してから使用しましょう(特にアスピリンやNSAIDsは避けるべきと言われています)。
- おむつかぶれや発疹のかゆみには、清潔を保ち、刺激の少ない保湿剤を使うと良いでしょう。
- おもちゃやスキンシップで気をそらし、機嫌をとってあげてください。
医療治療
医療機関では、脱水に対する点滴治療や、血小板や血液の補充が必要な場合があります。重症のデング出血熱やデングショック症候群では、集中治療室での管理が必要になることがあります。医師は症状に応じて、解熱や痛みを和らげるための一般的な薬(アセトアミノフェンなど)を処方することがありますが、必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
この病気に対して手術は行われません。
この病気と共に生きる
回復期には、赤ちゃんはまだ疲れやすいので、無理をさせないことが大切です。普段どおりの生活に戻すのは、熱が下がってから3〜4日経って、元気が出てきてからにしましょう。お風呂は、熱がなくて体調が良ければ入れて構いませんが、長湯は避けてください。
生活習慣のアドバイス
- 蚊に刺されないように、室内では網戸や蚊帳を使い、外出時には長袖・長ズボンを着せましょう。乳幼児には虫よけスプレーを使う場合、年齢に合ったものを選び、顔や手にはつけないように注意してください。
- こまめに水分を補給する習慣をつけましょう。
- 規則正しい生活リズムを心がけ、十分な睡眠をとらせてください。
食事と運動
回復期の食事は、消化の良いもの(お粥、うどん、スープなど)から始め、徐々に普通の食事に戻します。脱水予防に、水分(母乳、ミルク、経口補水液、麦茶など)を積極的に与えましょう。運動は、完治するまでは激しい遊びや長距離の外出は控えてください。
精神的健康と心の健康
病気の間、赤ちゃんは機嫌が悪くなったり、夜泣きが増えたりすることがあります。親御さんも看病で疲れや不安を感じるかもしれません。無理をせず、家族や周りの人に助けを求めましょう。赤ちゃんには抱っこや優しい声かけで安心感を与えてあげてください。
予防
はい、蚊に刺されないようにすることが最も効果的な予防法です。デング熱が流行している地域へ渡航する場合は特に注意が必要です。
ワクチン
日本ではデング熱のワクチンが承認されていますが、乳幼児への接種は原則として推奨されていません。予防接種については、かかりつけ医や専門医に相談してください。
検診プログラム
特に定期的な検査は推奨されていません。発熱や気になる症状があれば、医療機関を受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 重症のデング熱(デング出血熱):血管から血漿が漏れ出し、血小板が減少して出血しやすくなります。
- デングショック症候群:血圧が下がり、臓器に十分な血液が届かなくなる危険な状態です。
- 肝臓や心臓の障害
- まれに、脳炎やけいれんなどの神経症状
長期的な見通し
適切な治療とケアを受ければ、ほとんどの乳幼児は後遺症なく完全に回復します。回復までには数日〜2週間ほどかかることがありますが、焦らずゆっくり休ませてあげてください。重症化した場合でも、適切な医療を受ければ救命率は高いです。日頃から観察をしっかり行い、異変を感じたらすぐに医療機関に相談することが大切です。
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地域の団体
- 厚生労働省 感染症情報 ↗ · 日本
- 国立感染症研究所 デング熱 ↗ · 日本
- お住まいの地域の保健所(保健センター) · 日本
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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