妊娠中のデング熱からの回復について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
デング熱は蚊が媒介するウイルス感染症です。発熱や関節痛、発疹などの症状が出ます。妊娠中に感染すると、母体と赤ちゃんの両方に注意が必要です。回復にはしっかりとした休息と水分補給が大切です。
重要な事実
- デング熱はウイルスによって起こり、蚊(ネッタイシマカやヒトスジシマカ)が媒介します。
- ほとんどの人は軽症で回復しますが、妊娠中は重症化するリスクがやや高まります。
- 治療は症状を和らげる対症療法が中心で、特効薬はありません。
- 日本では海外旅行先での感染が多く、国内でもまれに発生します。厚生労働省も注意を呼びかけています。
世界中の熱帯・亜熱帯地域でよく見られる病気です。日本では年間数百例の輸入感染例が報告されていますが、国内感染はまれです。
妊娠中の女性は、免疫力の変化や血液量の増加により、デング熱が重症化するリスクが非妊娠時よりもやや高くなる可能性があります。
症状
- 激しい腹痛や持続する嘔吐
- 出血が見られる(歯茎からの出血、鼻血、あざができやすい)
- 意識がもうろうとする
- 呼吸が苦しい
- 尿の量が極端に減る
- 119番に電話して救急車を呼んでください。妊娠中は特に迅速な対応が必要です。
- ⚠高熱が3日以上続く
- ⚠水分が取れず尿が濃い
- ⚠強い頭痛や筋肉痛で寝込む
- ⚠お腹の張りや痛みがある
- ⚠赤ちゃんの動きが普段と違うと感じる
- ⚠同日中に産科または感染症に対応できる医療機関を受診してください。
一般的な症状
- 突然の高熱(38℃以上)
- 強い頭痛(特に目の奥の痛み)
- 関節痛や筋肉痛
- 吐き気や嘔吐
- 赤い発疹(熱が下がるころに出ることが多い)
- 倦怠感(強いだるさ)
子供の症状
- 小児のデータは限られますが、妊娠中の母体感染が赤ちゃんに影響する可能性があります。出生後は特別な観察が必要です。
高齢者の症状
- 妊娠中で高齢の場合は特に重症化リスクが高まるため、早期の医療機関受診が重要です。
原因
主な原因
- デングウイルス(1~4型)に感染した蚊に刺されることで感染します。
- 妊娠中は免疫力が変化するため、感染しやすくなったり症状が重くなったりすることがあります。
リスク要因
- デング熱が流行している地域への旅行(東南アジア、南アジア、中南米など)
- 蚊の多い環境(水たまりや草むら)
- 以前にデング熱に感染したことがある(特に異なる型に再感染すると重症化リスクが高い)
- 妊娠そのものがリスク因子の一つと考えられています。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 高熱が続く場合
- 出血の兆候(歯茎、鼻、皮下出血)がある場合
- 激しい腹痛や嘔吐がある場合
- 意識がぼんやりする場合
- 赤ちゃんの動きが少ないと感じる場合
定期受診を予約すべき場合:
- 妊娠中にデング熱が疑われる症状があれば、早めに産科医に相談しましょう。
- デング熱の流行地から帰国後、発熱した場合は医療機関を受診し、渡航歴を伝えてください。
診断
医師が症状と渡航歴などを聞き、血液検査でウイルスや抗体を調べることで診断します。
行われる可能性のある検査
- 血液中のウイルス遺伝子を調べるPCR検査(発症から数日以内)
- 血液中の抗体を調べる血清検査(発症から数日後)
- 血小板数や血液濃縮の程度を調べる一般的な血液検査
診察で予想されること
診断のために採血を行います。結果が出るまで数時間から数日かかることがあります。妊娠中は超音波検査などで赤ちゃんの状態も確認することがあります。
治療
デング熱に特効薬はありませんが、症状を和らげながら経過を見る対症療法が基本です。妊娠中は特に水分補給と安静が重要です。
自宅でのセルフケア
- 十分な水分を摂る(水、経口補水液、スープなど)
- しっかり休息をとる
- 解熱にはアセトアミノフェン(医師の指示に従って)を使用する(イブプロフェンやアスピリンは避ける)
- 妊娠中は自己判断で薬を飲まず、必ず医師や薬剤師に相談する
医療治療
入院が必要な場合は、点滴による水分補給やバイタルサインのモニタリングが行われます。重症化した場合は帝王切開など早めの分娩が必要になることもあります。すべての治療は母体と赤ちゃんの両方の状態を見ながら医師が判断します。
手術が検討される場合
通常は手術は必要ありませんが、重症デング熱で胎盤早期剥離などの合併症が疑われる場合、緊急帝王切開が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
デング熱からの回復中は、体力を回復させるために無理をしないことが大切です。症状が落ち着くまで自宅で安静にし、定期的に検診を受けてください。
生活習慣のアドバイス
- 蚊に刺されないように長袖・長ズボンを着用し、虫よけ剤を使う(妊娠中でも安全なものを選ぶ)
- 十分な睡眠と休息をとる
- ストレスをためず、リラックスできる時間を作る
食事と運動
消化の良い食事(おかゆ、うどん、スープなど)をとり、水分をこまめに補給しましょう。回復後は医師の許可が出てから、軽い散歩などから運動を再開してください。
精神的健康と心の健康
妊娠中の感染は不安やストレスを引き起こすことがあります。気分が落ち込んだり眠れないときは、遠慮なく医師や助産師に相談しましょう。
予防
デング熱はワクチンや特別な予防薬はありませんが、蚊に刺されないようにすることで予防できます。妊娠中は特に注意しましょう。
ワクチン
日本ではデング熱ワクチンは定期接種ではなく、流行地に渡航する場合でも推奨されることはまれです。妊娠中のワクチン接種については医師に相談してください。
検診プログラム
特に推奨される定期スクリーニングはありません。しかし、流行地から帰国後は症状に注意し、発熱があれば早めに医師に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 重症デング熱(デング出血熱)への進行:血小板減少や血漿漏出によるショック
- 流産や早産のリスク上昇
- 胎児の発育遅延や胎児機能不全
- 母体の臓器障害(肝臓、腎臓など)
長期的な見通し
多くの妊娠中のデング熱は適切な医療ケアを受ければ軽症で済み、母体も赤ちゃんも元気に回復します。重症化しても速やかに対応すれば予後は良好です。回復後は通常の妊娠経過をたどることがほとんどです。希望を持って治療に臨んでください。
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重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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