デング熱からの回復について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
デング熱は、蚊(ネッタイシマカやヒトスジシマカ)によってうつるウイルス感染症です。回復期には、体力がゆっくり戻っていく時期にあたります。デング熱にかかったあとは、しばらく疲れやすさや関節の痛みが続くことがあります。
重要な事実
- デング熱はウイルスによる感染症で、特別な治療薬はありませんが、ほとんどの人はしっかり休めば回復します。
- 回復には数週間から数か月かかることがあり、無理をせず体を休めることが大切です。
- 回復後も蚊に刺されないように注意することで、ほかの人への感染を防げます。
デング熱は世界の熱帯や亜熱帯の地域で広く見られます。日本では海外から帰国した方での報告が多く、国内での感染はまれですが、近年は海外からの持ち込み例が増えています。
デングウイルスに感染したすべての人が発症するわけではありませんが、年齢や性別に関係なく、感染した人はデング熱を発症する可能性があります。特に初めて感染した人は軽症で済むことが多いですが、2回目の感染では重症化リスクが高まります。
症状
- 発熱が下がってから再び高熱が出る
- 激しい腹痛や持続する嘔吐
- 出血しやすくなる(歯ぐきから血が出る、あざができやすい)
- 意識がぼんやりする、手足が冷たい
- ⚠強い頭痛や目の痛みが続く
- ⚠嘔吐や下痢が続いて水分がとれない
- ⚠発疹が広がる、かゆみが強い
一般的な症状
- 高熱(突然39度以上の熱が出る)
- 強い頭痛
- 目の奥の痛み
- 関節や筋肉の痛み
子供の症状
- 発熱のほかに、食欲がなくなる、機嫌が悪い、発疹が出ることが多い
- 脱水症状(尿の量が減る、唇が乾く)に注意が必要
高齢者の症状
- 症状が長引きやすく、疲労感が強く残る
- 脱水や血圧の変化など、持病がある場合は重症化しやすい
原因
主な原因
- デングウイルスを持つ蚊に刺されることで感染します。
- 人から人へ直接うつることはありません。
リスク要因
- デング熱が流行している地域への渡航(東南アジア、南アジア、中南米など)
- 蚊に刺される機会の多い環境(屋外での活動、窓や網戸のない部屋)
- 過去にデング熱にかかったことがある(2回目の感染で重症化リスクが上がる)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 発熱が下がったあとに再び高熱が出た
- 激しい腹痛や繰り返す嘔吐がある
- 出血のサイン(歯ぐきの出血、鼻血、あざ)がある
- 急に元気がなくなる、ぐったりする
定期受診を予約すべき場合:
- デング熱と診断された後の経過観察(特に発症から5~7日目)
- 回復後に気になる症状が続く場合(だるさ、関節痛)
診断
医師が症状や渡航歴を聞き、血液検査でデングウイルスや抗体を調べます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(PCR検査や抗原検査)
- 抗体検査(IgM、IgG)
診察で予想されること
診断は一般的な血液検査で行われます。結果が出るまでに数日かかることがあります。診断がつけば、症状に合わせたケアを指導してもらえます。
治療
デング熱に特効薬はありません。治療は症状をやわらげるための対症療法が中心です。安静と水分補給が最も大切です。
自宅でのセルフケア
- 十分な休息をとる(無理に動かない)
- こまめに水分をとる(スポーツドリンクや経口補水液がおすすめ)
- 熱や痛みが強いときは、医療機関で処方された薬を使う(自己判断で市販の解熱鎮痛薬は使わない)
- 蚊に刺されないように長袖・長ズボンを着る
医療治療
医療機関では、脱水を防ぐための点滴や、症状に合わせた解熱鎮痛薬が処方されます。アスピリンやイブプロフェンなどの成分を含む薬は出血リスクを高めるため使用されません。医師の指示に従いましょう。重症の場合は入院して経過を観察します。
この病気と共に生きる
回復には時間がかかることがあります。熱が下がったあとも、しばらくは疲れやすく感じるでしょう。少しずつ日常の活動に戻していき、無理をしないことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 体力が戻るまではゆっくり過ごす
- 蚊に刺されない対策を続ける(虫よけスプレー、蚊帳、長袖)
- 感染後数か月間は献血を控える(感染の広がりを防ぐため)
食事と運動
バランスの良い食事をとり、特に水分と電解質をしっかり補給しましょう。運動は、完全に回復してから徐々に再開してください。最初は軽い散歩から始め、体調に合わせて負荷を上げます。
精神的健康と心の健康
長引く倦怠感や痛みで気分が落ち込むことがあります。不安やストレスが続く場合は、家族や友人に相談するか、カウンセリングなどのサポートを利用してみてください。もし自殺や深刻な悩みを感じたら、すぐに助けを求めることが大切です(例:いのちの電話など、お住まいの地域の相談窓口に連絡を)。
予防
デング熱はワクチンや薬で完全に予防できるものではありませんが、蚊に刺されないようにすることで感染リスクを大きく減らせます。
ワクチン
一部の国ではデング熱ワクチンが承認されていますが、日本国内では一般的に推奨されていません。渡航前に医師に相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 重症デング(デング出血熱、デングショック症候群)に進行することがある
- 血液中の血小板が減り、出血しやすくなる
- 臓器障害(肝臓や心臓など)が起こることがある
長期的な見通し
適切なケアを受けられれば、ほとんどのデング熱患者は完全に回復します。重症化した場合でも、早期に医療機関を受診すれば救命率は高いです。回復後は免疫がつくため、同じ型のウイルスには再感染しませんが、他の型には注意が必要です。希望を持って、焦らずに回復を待ちましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
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