Diverticulitis recovery
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
憩室炎(けいしつえん)とは、大腸(主にS状結腸)の内壁にできた小さな袋(憩室)が炎症を起こしたり感染したりする病気です。憩室自体は多くの人に見られますが、炎症を起こすと痛みや発熱などの症状が出ます。治療と回復には安静と食事の調整が大切です。
重要な事実
- 憩室は大腸の壁にできる小さな袋状のくぼみで、加齢とともに増えます。
- 憩室炎はすべての憩室を持つ人に起こるわけではなく、約10~20%の人が一生に一度発症します。
- 適切な治療で多くの人は数日から1週間で回復しますが、重症例では入院が必要になることもあります。
はい、60歳以上の日本人の約3割に憩室があるとされ、そのうち数パーセントが憩室炎を発症します。近年は食生活の変化により増加傾向にあります。
主に40歳以上の人に多く見られますが、若い世代でも発症することがあります。肥満、運動不足、低繊維食、喫煙などの生活習慣がリスクを高めます。
症状
- 突然の激しい腹痛で身動きが取れない
- 激しい吐き気・嘔吐で水分が取れない
- お腹が硬く張って触ると痛い(腹膜炎の疑い)
- 血便が出る(大量または持続する)
- 高熱(38.5℃以上)が続く
- ⚠痛みが数時間以上続き、市販の痛み止めで改善しない
- ⚠発熱が続く(37.5~38.5℃)
- ⚠排便のリズムが急に変化した(便秘・下痢の悪化)
- ⚠吐き気や嘔吐で食事がとれない
一般的な症状
- 左下腹部の持続する痛み(突然または徐々に強くなる)
- 発熱(37.5℃以上)
- 吐き気や嘔吐
- 便秘または下痢
- お腹のはりやガス感
- 食欲不振
子供の症状
- 小児では稀ですが、発症した場合は腹痛(特に左下腹部)と発熱が主症状です。
- 嘔吐や下痢を伴うことが多く、原因がはっきりしないこともあります。
高齢者の症状
- 高齢者では痛みがはっきりしないことがあり、食欲低下やだるさ、意識のぼんやりなど非特異的な症状で現れることがあります。
- 発熱があまり高くならない場合もあるため、注意が必要です。
原因
主な原因
- 憩室の出口が便や細菌で詰まり、内部で炎症が起こる。
- 憩室の壁が薄くなり、細菌が侵入して感染する。
- 低繊維食により便が硬くなり、腸内圧が高まって憩室ができやすくなる。
リスク要因
- 加齢(40歳以上)
- 食物繊維が少ない食事(肉中心・加工食品が多い)
- 肥満(特に内臓脂肪)
- 運動不足
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期使用(例:イブプロフェンなど)
- ステロイド薬の使用
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状のいずれかがある場合
- 痛みが強く、日常生活に支障がある場合
- 発熱を伴い、症状が悪化している場合
定期受診を予約すべき場合:
- 軽い腹痛が続くが、発熱がない場合でも、かかりつけ医に相談しましょう。
- 過去に憩室炎と診断されたことがある方は、再発の可能性について医師に相談してください。
診断
医師が問診(症状の経過、痛みの場所など)と身体診察(腹部の触診)を行い、必要に応じて画像検査で診断します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(白血球数やCRPという炎症のマーカーを調べます)
- 腹部CTスキャン(最も正確な診断法で、憩室炎の重症度や合併症の有無を確認します)
- 腹部超音波(エコー)検査(簡便で被曝がありませんが、詳しさはCTに劣ります)
診察で予想されること
診断のためにCT検査が必要になることがあります。造影剤を使う場合は、事前にアレルギーの有無を確認します。軽症の場合は外来で治療が可能ですが、中等症以上は入院となることもあります。結果説明後、治療方針について医師から丁寧に説明があります。
治療
憩室炎の治療は、炎症の程度によって異なります。軽症から中等症では、絶食(または液体食)と抗菌薬による治療が中心です。重症や合併症がある場合は入院治療が必要になります。
自宅でのセルフケア
- 発症後は消化に良いものだけをとる(経過に応じて医師の指示に従う)
- 数日間は安静にし、激しい活動を避ける
- 痛みがある場合は、温かいタオルなどをお腹にあてて和らげる(ただし熱すぎないように)
- 水分を十分にとる(ただし絶食指示がある場合は除く)
医療治療
軽症では経口の抗菌薬(細菌を抑える薬)と痛みを和らげる薬が処方されます。痛み止めは腸に負担をかけない種類が選ばれます。中等症以上では点滴による抗菌薬と絶食が行われ、症状が改善するまで入院します。治療は数日間行い、症状が落ち着けば段階的に食事を再開します。
手術が検討される場合
重症の合併症(膿瘍、穿孔、腹膜炎など)がある場合や、繰り返し発症する場合は手術が検討されます。腹腔鏡手術など低侵襲な方法が増えています。手術を勧められた場合は、医師とよく話し合って決めましょう。
この病気と共に生きる
回復後は、日常生活に戻るまでに数週間かかることがあります。腹痛やだるさが続く場合は無理をせず、徐々に活動を増やしてください。便通の変化があれば記録しておくと医師に相談しやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 食物繊維を豊富に含む食事を心がける(野菜、果物、全粒穀物、豆類)
- 十分な水分を毎日とる(1日1.5~2リットルを目安に)
- 規則正しい排便習慣を身につける
- 適度な運動を週に数回行う(ウォーキングなど)
- 喫煙をしている場合は禁煙を検討する
食事と運動
発症直後は低繊維食(白米、白パン、柔らかい野菜など)から始め、症状が落ち着いたら徐々に食物繊維を増やします。運動は軽いものから始め、腹痛がない範囲で続けてください。便秘にならないよう注意しましょう。
精神的健康と心の健康
憩室炎の痛みや再発の不安はストレスになることがあります。回復には時間がかかる場合もありますが、焦らず自分のペースで進めてください。不安が強いときは、医師や家族に相談することも大切です。
予防
完全に予防することはできませんが、生活習慣の改善によりリスクを下げることができます。特に食物繊維を多く含む食事と適度な運動が有効とされています。また、便秘を避け、排便時のいきみを減らすことも大切です。
検診プログラム
憩室自体は定期的な検診で見つかることがありますが、憩室炎の予防を目的とした特別なスクリーニング検査は推奨されていません。腹部の症状がある場合は、医師の診察を受けることが最も確実です。
合併症
治療しない場合
- 膿瘍(膿のたまり)ができる
- 腸穿孔(腸に穴があく)による腹膜炎
- 腸閉塞(腸が詰まる)
- 瘻孔(異常な通路)が他の臓器にできる
- 敗血症(感染が全身に広がる)
長期的な見通し
適切な治療を受ければ、ほとんどの方は完治します。軽症の場合は数日で症状が改善し、1~2週間で日常活動に戻れます。再発を繰り返す方は生活習慣の見直しが効果的です。重症例でも現代の医療でしっかりと対応できます。不安なことがあれば、医師に遠慮なく相談してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月17日
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