Duodenal ulcer
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
十二指腸潰瘍(じゅうにしちょう かいよう)は、胃の出口にある十二指腸の内側の粘膜(ねんまく)が傷ついてできた潰瘍(深い傷)です。胃酸や消化酵素(しょうかこうそ)の影響で粘膜が傷つき、炎症や痛みを引き起こします。
重要な事実
- 胃酸や消化酵素による粘膜の損傷が主な原因です。
- 多くの場合、ピロリ菌感染や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用が関係しています。
- 治療により治癒可能で、再発防止には原因の除去が大切です。
比較的よく見られる病気で、日本人の約10~15%が一生に一度は経験すると言われています(厚生労働省の資料に基づく)。
全年齢層に見られますが、特に中年から高齢者に多く、男性にやや多い傾向があります。また、ピロリ菌感染が多い地域や、NSAIDsを頻繁に使用する方に多く見られます。
症状
- 吐血(鮮血やコーヒーのような茶色の嘔吐物)
- 下血(真っ黒なタール状の便)
- 激しい腹痛で動けない
- 意識もうろう
- ⚠症状がひどい、数日続く
- ⚠市販薬で改善しない
- ⚠貧血症状(めまい、息切れ)がある
一般的な症状
- みぞおち(上腹部)の痛み(特に空腹時や夜間に起こりやすい)
- 胃もたれ、吐き気、げっぷ、胸やけ
子供の症状
- 子どもでは、お腹の痛みや吐き気のほか、食欲低下や体重減少が見られることがあります。症状がはっきりしないことも多いです。
高齢者の症状
- 高齢者では、痛みを感じにくいことがあり、貧血や黒色便(真っ黒な便)が最初の症状となることもあります。
原因
主な原因
- ピロリ菌感染
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期服用
- 過剰な胃酸分泌
リスク要因
- ストレス
- 大量のアルコール飲酒
- NSAIDsの常用
- ピロリ菌感染
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 吐血や下血がある(すぐに119番)
- 激しい腹痛で動けない(すぐに119番)
- 症状が急激に悪化した
定期受診を予約すべき場合:
- みぞおちの痛みが続く
- 胃もたれが頻繁にある
- 胸やけが改善しない
- 体重が減った
診断
医師が問診や身体診察を行い、必要に応じて検査をすすめます。
行われる可能性のある検査
- 上部内視鏡検査(胃カメラ)
- ピロリ菌検査(呼気試験、便検査、血液検査など)
- 造影X線検査
- 血液検査(貧血や炎症の有無)
診察で予想されること
内視鏡検査は喉の麻酔や鎮静剤を使用することもあり、痛みはほとんどありません。検査後はすぐに日常生活に戻れます。
治療
治療の主な目的は、潰瘍を治し、再発を防ぐことです。原因に応じて、ピロリ菌を除菌する薬物療法や、胃酸の分泌を抑える治療などが行われます。また、原因となる薬剤(NSAIDs)の中止や変更も検討されます。
自宅でのセルフケア
- 飲酒の制限
- 食事を規則正しくとる
- 刺激物(香辛料、カフェイン)を控える
- ストレス管理
医療治療
治療には主に、胃酸を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーなど)、粘膜保護剤、ピロリ菌の除菌療法(抗菌薬と胃酸抑制薬の組み合わせ)が用いられます。いずれも医師の処方に従って服用してください。
手術が検討される場合
ごくまれに、大量出血や穿孔(穴があく)、薬で治らない場合などに手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
治療中は、医師の指示に従い、定期的に通院することが大切です。症状が落ち着いても、自己判断で薬をやめずに、医師と相談してください。
生活習慣のアドバイス
- バランスの良い食事
- 規則正しい食事時間
- 十分な睡眠
- ストレス解消法を見つける
食事と運動
刺激物(辛いもの、酸っぱいもの、カフェイン、アルコール)は控えめに。消化に良い柔らかい食事(おかゆ、うどん、白身魚など)を選ぶ。適度な運動はストレス軽減に役立ちますが、激しい運動は避けてください。
精神的健康と心の健康
慢性的な痛みや食事制限はストレスになることがあります。気分が落ち込んだり、不安が強い場合は、医師やカウンセラーに相談してください。
予防
完全に予防はできませんが、リスクを減らせます。禁煙、節酒、NSAIDsの使用を最小限にする、ストレスをためないなどが役立ちます。
検診プログラム
定期的な胃がん検診(胃カメラやバリウム検査)が推奨されています。ただし、潰瘍そのもののスクリーニングは一般的ではありません。
合併症
治療しない場合
- 出血(吐血や下血)
- 穿孔(穴があく)
- 幽門狭窄(食べ物の通り道が狭くなる)
- がんとの関連(まれ)
長期的な見通し
適切な治療を受ければ、多くの方は数週間~数ヶ月で治癒します。再発防止には原因の除去(除菌や薬の調整など)が重要です。定期的なフォローアップで健康を維持できます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月17日
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