Eczema in children
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
湿疹(しっしん)は、皮膚が乾燥して赤くなり、強いかゆみを伴う慢性的な炎症性皮膚疾患です。正しくはアトピー性皮膚炎(アトピーせいひふえん)と呼ばれ、子どもの約1割にみられます。肌のバリア機能が弱く、刺激やアレルゲン(原因物質)に過剰に反応してしまいます。
重要な事実
- 皮膚をしっかり保湿(ほしつ)することが治療の基本です
- かゆみを我慢できずに掻きむしると症状が悪化します
- 成長とともに自然に改善することが多いです
はい、非常にありふれた病気で、日本では生後3か月から2歳までの赤ちゃんの約10~20%にみられます。
主に乳幼児に発症しますが、小学生以降も続くことがあります。大人になってから始まることもあります。家族にアレルギー体質(喘息や花粉症など)を持つ人が多いとリスクが高まります。
症状
- 皮膚に広がる赤み、腫れ、熱感、膿(うみ)が出るなど感染が疑われる
- 発熱(38℃以上)を伴う
- 全身に急に水ぶくれが広がる(重症のウイルス感染の可能性)
- ⚠強いかゆみで眠れない・学校に行けない
- ⚠自分でケアしても2週間以上改善しない
- ⚠皮膚の一部が膿んで痛みがある
一般的な症状
- 皮膚の赤み(紅斑)
- 強いかゆみ
- 乾燥したざらざらした皮膚
- 小さなぶつぶつや水ぶくれ
- 掻きむしった部分から浸出液(しんしゅつえき)が出る
子供の症状
- 顔(ほっぺたや額)や頭皮に出やすい
- ひじの内側やひざの裏側、首のまわり
- 寝ている間に掻いてしまい、睡眠不足になる
- 皮膚が厚くなる(苔癬化・たいせんか)ことも
高齢者の症状
- 小児期に比べて範囲が限られる傾向
- 手や足の指、まぶたなど特定の部位に強い
- 慢性的に皮膚が厚くごわごわする(苔癬化)
- かゆみが長く続き、眠れないことも
原因
主な原因
- 遺伝的に皮膚のバリア機能が弱い
- 免疫システムが過剰に反応して炎症を起こす
- 外部からの刺激(汗、ダニ、ほこり、ペットの毛、花粉など)
- 乾燥や温度変化などの環境要因
リスク要因
- 家族にアレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症)がある
- 自分に喘息や食物アレルギーがある
- 都市部で生活している(乾燥や環境刺激が多い)
- 乳幼児期に皮膚の保湿が不十分だった
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 感染のサイン(膿、熱感、発熱)
- かゆみが非常に強く日常生活に支障がある
- 家庭での保湿ケアだけではコントロールできない
定期受診を予約すべき場合:
- 初めて湿疹が出たとき
- 症状が続くが緊急ではない
- 学校や保育園で困っている
- 治療法について相談したい
診断
医師が皮膚の状態を見て、症状の経過や家族のアレルギー歴を聞いて診断します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(アレルギーの有無や程度を調べる、必須ではない)
- アレルゲン検査(ダニ、花粉など原因を特定する一助)
- 皮膚の細菌培養(感染が疑われる場合)
診察で予想されること
診察の際は、かゆみの程度、いつから症状があるか、これまでのケア方法などを聞かれます。皮膚の状態をしっかり見てもらいましょう。
治療
治療の基本はスキンケア(保湿)と炎症を抑えるお薬の使用です。原因となる刺激を避けることも大切です。
自宅でのセルフケア
- 1日2~3回、たっぷりと保湿剤(ほしつざい)を塗る(入浴後5分以内が効果的)
- ぬるめのお湯(38~40℃)でやさしく洗う
- ボディソープは泡で洗い、よくすすいでタオルで押さえるように拭く
- 爪を短く切る、綿の肌着を着るなどかゆみ対策
- 寝る前に部屋を涼しくし、汗をかかないようにする
医療治療
医師から処方されるお薬には、炎症を抑えるステロイド外用薬(ステロイドがいようやく)や、非ステロイド系の抗炎症薬があります。重症の場合は免疫を調整するお薬(免疫抑制薬)や注射薬(生物学的製剤)が使われることもあります。必ず医師の指示に従って使用してください。
手術が検討される場合
湿疹そのものに手術は必要ありません。ただし、感染して膿がたまった場合に切開排膿(せっかいはつのう)が必要になることはまれにあります。
この病気と共に生きる
毎日の保湿と刺激を避ける習慣が大切です。かゆいときは冷たいタオルで冷やす、患部を叩くなど掻かない工夫をしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 入浴は毎日、ぬるま湯で短めに
- 石けんは低刺激のものを使う
- 衣類は綿やシルクなど肌に優しい素材を選ぶ
- 部屋の湿度を50~60%に保つ
- 動物の毛や花粉がつかないように気をつける
食事と運動
特定の食べ物が原因になることは少ないですが、食物アレルギーが疑われる場合は医師の指導のもとで除去します。運動は問題ありませんが、汗をかいたらすぐにシャワーや拭き取りをして保湿してください。
精神的健康と心の健康
かゆみや見た目の問題で子どもが自信をなくしたり、いじめにあうこともあります。また、親御さんも睡眠不足やケアの負担でストレスを感じることがあります。悩んでいるなら早めに相談しましょう。
予防
完全には予防できませんが、生後すぐから保湿をしっかり行うことで発症リスクを減らせる可能性があります。また、ダニ対策や適切なスキンケアで悪化を防げます。
ワクチン
湿疹があっても予防接種は受けられます。ただし、湿疹が広範囲にあったり感染を起こしている場合は医師と相談してください。厚生労働省の定期接種スケジュールに沿って受けて大丈夫です。
検診プログラム
湿疹のスクリーニング検査はありません。気になる症状があれば早めに受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 皮膚の細菌感染(とびひ)やウイルス感染(カポジ水痘様発疹症)
- かゆみで十分に眠れず、成長や発達に影響が出ることも
- 長期間炎症が続くと皮膚が厚く硬くなる(苔癬化)
- 子どもが掻きむしって色素が抜けたり残ったりする
長期的な見通し
湿疹は多くの子どもが成長とともに良くなります。約半数の子どもは乳幼児期に改善し、さらに多くの子どもが学童期以降に症状が落ち着きます。適切な治療とスキンケアを続ければ、日常生活に支障なく過ごせます。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月18日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。