Eczema in teenagers
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
アトピー性皮膚炎(アトピーせいひふえん)は、皮膚が赤くなったり、かゆくなったり、乾燥してカサカサになる慢性的な炎症性の皮膚の病気です。「アトピー」という言葉は、アレルギー体質に関係していることを意味します。思春期の変化の時期に悪化したり改善したりすることがあります。
重要な事実
- 湿疹は伝染しません。人から人へうつることはありません。
- かゆみが強いため、掻きむしってしまうと症状が悪化する「かゆみと掻くのサイクル」が起こりやすいです。
- 適切なスキンケアと治療で、症状をうまくコントロールできることが多いです。
- 思春期はホルモンバランスの変化などで症状が変わることがあります。
10代の約10~20人に1人程度が経験する、よくある皮膚のトラブルです。
10代の男女どちらにも起こります。幼い頃から湿疹があった人が思春期に再発・悪化することもあれば、10代で初めて症状が出ることもあります。アレルギー体質(アトピー素因)を持つ人に多くみられます。
症状
- 湿疹の部分が急激に赤く腫れ、熱を持ち、強い痛みがある(感染症の可能性)
- 発熱を伴い、湿疹の部分から膿(うみ)が出る
- 全身に広がる赤みや水ぶくれが出て、だるさや発熱がある(重症の皮膚炎の可能性)
- ⚠市販の保湿剤や軟膏を使っても症状が悪化する
- ⚠かゆみが強くて眠れない、学校に行くのが難しい
- ⚠湿疹が顔や手など目立つ部分に広がって気になる
一般的な症状
- 皮膚の乾燥とカサカサ
- 強いかゆみ(特に夜間や就寝時)
- 赤みや小さなブツブツ
- 皮膚のごわつきや厚ぼったさ(苔癬化といいます)
- 掻き壊しによる傷やかさぶた
子供の症状
- 顔、首、ひじやひざの内側など、曲げる部分に症状が出やすい
- かゆみが強く、夜眠れないこともある
- 掻くことで皮膚が厚くなったり、色素が残ったりすることがある
高齢者の症状
- 皮膚が乾燥しやすく、全身に症状が広がることがある
- 長年の掻きむしりで皮膚が厚く硬くなることがある
- かゆみが強いため、睡眠障害やストレスにつながることがある
原因
主な原因
- アレルギー体質(アトピー素因)と皮膚のバリア機能の低下:皮膚の表面を守る働きが弱く、刺激を受けやすい。
- 遺伝的な要因:家族にアトピー性皮膚炎やアレルギー疾患(ぜんそく、花粉症など)を持つ人が多い。
- 環境や生活習慣の影響:汗、乾燥、ストレス、食べ物、ダニやホコリなどが症状を悪化させることがある。
リスク要因
- 家族にアトピー性皮膚炎やアレルギー疾患がある
- 自分自身にぜんそくや花粉症などのアレルギーがある
- 皮膚の乾燥がひどい、または敏感肌である
- 思春期のホルモンバランスの変化やストレス
- 過度な洗浄や刺激のある石鹸・洗剤の使用
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 湿疹が急に広がり、強い痛みや熱がある
- 黄色いかさぶたや膿が出て、発熱がある(感染症の疑い)
- 目や口の周りに湿疹ができて、腫れがひどい
定期受診を予約すべき場合:
- 市販の保湿剤や軟膏を数週間試してもよくならない
- かゆみが強くて日常生活に支障が出ている(睡眠障害、学校の集中力低下など)
- 湿疹が繰り返し出る、または長期間続く
診断
医師が皮膚の状態(湿疹の場所、見た目、かゆみの程度など)と、あなたの症状や生活の様子を詳しく聞いて診断します。特別な検査はほとんど必要ありません。
行われる可能性のある検査
- アレルギー検査(血液検査やプリックテスト)を行うことがありますが、必ずしも必要ではありません。
- 皮膚の一部をとって調べる皮膚生検は、まれにしか行いません。
診察で予想されること
診察は痛みを伴わず、5~15分程度で終わります。医師が湿疹の状態を見て、必要に応じてアレルギーの有無や感染症のチェックをします。診断後は、保湿の仕方や薬の使い方などの具体的なアドバイスがもらえます。
治療
湿疹の治療は、皮膚の乾燥を防ぐスキンケアと、炎症を抑える薬を使うことが基本です。思春期には生活のリズムやストレスも大きく影響するため、バランスの良い生活も大切です。治療は医師の指導のもとで行いましょう。
自宅でのセルフケア
- 入浴後5分以内に保湿剤(ヘパリン類似物質や白色ワセリンなど)を塗る
- 刺激の少ない石鹸を使い、ゴシゴシこすらずにやさしく洗う
- 爪を短く切り、かゆいときは冷やすか、叩くようにして対処する
- 綿素材のゆったりした衣類を選び、汗をかいたらすぐに拭く
- ストレスをためすぎない(趣味や運動でリフレッシュする)
医療治療
医師は炎症を抑えるために、外用のステロイド軟膏や非ステロイド系の抗炎症薬を処方することがあります。症状が重い場合には、免疫を調整する内服薬や、光線療法(紫外線を皮膚にあてる治療)が行われることもあります。いずれも医師の指示に従って使うことが大切です。自己判断で薬の使用をやめたり、量を変えたりしないでください。
手術が検討される場合
湿疹自体に手術は必要ありません。ただし、湿疹を掻き壊してできた傷が化膿して膿瘍(のうよう:膿のたまり)ができた場合、外科的に排膿(膿を出す処置)が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
毎日のスキンケアがとても大切です。朝晩の保湿を習慣にしましょう。かゆみが強いときは冷たいタオルで冷やす、好きな音楽を聴くなどして気をそらす方法も試してみてください。また、湿疹があることをクラスメートや先生に伝えて理解を得るのも助けになります。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活:十分な睡眠とバランスの良い食事を心がけましょう。
- 適度な運動:汗をかく運動はかゆみを誘発することもありますが、適度な運動はストレス解消に役立ちます。運動後はすぐにシャワーを浴びて保湿を忘れずに。
- ストレス管理:10代はストレスが多い時期です。悩みがあれば一人で抱えずに、家族や友達、学校のカウンセラーに相談しましょう。
食事と運動
特定の食べ物を完全に避ける必要は通常ありません。食事はバランスよく取りましょう。どうしても特定の食べ物(例えば卵や牛乳)で症状が悪化する場合は、医師や管理栄養士に相談してから食べる量を調整してください。運動は続けることが大切ですが、汗をかいたらすぐに洗い流すことでかゆみを防げます。
精神的健康と心の健康
湿疹は見た目やかゆみで悩むことが多く、10代の心に大きな影響を与えることがあります。自信をなくしたり、人前で隠したくなったり、いじめの原因になることもあります。そうした気持ちは自然なことです。もし強い不安や落ち込みを感じたら、一人で悩まずに医師や学校の養護教諭、カウンセラーに相談してください。つらい気持ちを話すだけでも楽になることがあります。
予防
湿疹を完全に予防することは難しいですが、症状が出にくくするために日常のスキンケアや生活習慣の工夫はとても効果的です。特に皮膚を乾燥させない保湿ケアを続けることが予防の基本です。
ワクチン
湿疹そのものを予防するワクチンはありません。ただし、湿疹がある人は皮膚感染症(特に水ぼうそうや帯状疱疹)にかかりやすいので、医師と相談して予防接種を受けることも検討しましょう。
検診プログラム
湿疹の「検診」は特にありません。気になる症状があれば早めに皮膚科を受診してください。
合併症
治療しない場合
- 細菌やウイルスによる皮膚感染症(とびひ・ヘルペスなど)
- かゆみの慢性化による皮膚の肥厚(苔癬化)や色素沈着
- 睡眠不足やストレスによる学業や人間関係への影響
- 場合によっては、食物アレルギーやぜんそくが悪化することもある
長期的な見通し
湿疹は適切な治療とケアを続ければ、多くの場合、症状をうまくコントロールできます。思春期を過ぎると自然に良くなる人も少なくありません。たとえ長く付き合うことになっても、現代の治療は進歩しており、皮膚の状態をきれいに保つことは十分可能です。希望を持って、医師と一緒に治療を続けていきましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月18日
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