子どもの脂肪肝(非アルコール性脂肪肝)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
脂肪肝とは、肝臓に脂肪がたまりすぎた状態です。お酒を飲まないのに肝臓に脂肪がたまる「非アルコール性脂肪肝」が子どもにも増えています。
重要な事実
- 肝臓に脂肪が全体の5%以上たまると脂肪肝と診断されます。
- 子どもの脂肪肝の多くは、肥満や生活習慣が原因です。
- 早期に気づけば、生活習慣の改善で改善することができます。
近年、子どもの肥満が増えるに伴い、脂肪肝の子どもも増えています。日本の小児では約2~3%に見られると言われていますが、肥満の子どもではより多く見られます。
主に過体重や肥満の子ども、運動不足や不健康な食生活の子どもに多く見られます。特に思春期前後の子どもに増えています。
症状
- 突然の激しい腹痛
- 意識がもうろうとする、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
- 吐血や下血(黒い便)
- ⚠強いだるさが続く
- ⚠吐き気や嘔吐が続く
- ⚠おなかが異常に張って痛い
一般的な症状
- 多くの場合、自覚症状はありません。
- だるさや疲れやすさ
- 右上腹部(肝臓のあたり)の違和感や軽い痛み
子供の症状
- 症状がほとんどなく、学校検診などで偶然見つかることが多いです。
- おなかが張っている、食欲がないなどの軽い症状が出ることもあります。
高齢者の症状
- 同じく症状がないことが多いですが、検査で肝臓の数値が高いことがきっかけになります。
原因
主な原因
- 食べ過ぎや脂肪分・糖分の多い食事
- 運動不足
- 肥満(特に内臓脂肪)
リスク要因
- 過体重や肥満
- 2型糖尿病やインスリン抵抗性
- 高血圧や脂質異常症
- 家族に脂肪肝や糖尿病の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合
- 意識がぼんやりする
定期受診を予約すべき場合:
- 学校検診で肝臓の数値が高いと言われた
- 肥満や生活習慣が気になる
- だるさや腹痛が続く
診断
血液検査で肝臓の働きを示す数値(AST、ALTなど)が高いことや、腹部エコー(超音波)検査で肝臓に脂肪がたまっている画像が見られることで診断されます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(AST、ALT、γ-GTPなど)
- 腹部エコー(超音波)検査
- 場合によっては、肝臓の硬さを測る検査(フィブロスキャンなど)
診察で予想されること
診察では身長や体重、おなかの状態を確認します。血液検査のため採血があり、必要に応じてエコー検査を行います。結果が出るまで数日かかることがあります。
治療
脂肪肝の治療の基本は、生活習慣の改善です。お薬が必要になることはまれで、特に子どもではまず食事と運動の見直しが中心です。
自宅でのセルフケア
- バランスのよい食事(野菜を多く、油や砂糖を控える)
- 毎日30分以上の体を動かす習慣(遊びやスポーツ)
- 適正体重を保つ(急な減量ではなく、ゆっくりと)
医療治療
生活習慣の改善だけでは改善しない場合や、肝臓の炎症が強い場合には、医師の指導のもとで内服薬による治療を検討することがあります。ただし、子どもに対する薬物療法は限られた状況で行われます。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
ごくまれに、進行した肝硬変や肝不全に対して肝移植が必要となることがありますが、子どもに手術が必要になることはほとんどありません。
この病気と共に生きる
脂肪肝と診断されても、適切な生活習慣を続ければ多くの場合改善します。無理なく楽しく続けられる工夫が大切です。
生活習慣のアドバイス
- 家族みんなで健康的な食事を楽しむ
- テレビやゲームの時間を決めて、外遊びの時間を増やす
- 毎日の体重測定で変化を確認する
食事と運動
野菜や果物、魚、大豆製品を多く取り入れ、揚げ物やお菓子、清涼飲料水は控えめに。運動はウォーキングや水泳、サイクリングなど、続けやすいものがおすすめです。
精神的健康と心の健康
「脂肪肝」という言葉で不安になる子どもや親御さんもいますが、焦る必要はありません。無理な食事制限や運動はストレスになるので、できることから少しずつ始めましょう。
予防
はい、健康的な生活習慣を身につけることで予防できます。特に子どものうちから適切な食事と運動を習慣づけることが大切です。
検診プログラム
定期的な健康診断や学校検診で肝機能の数値をチェックすることが早期発見につながります。肥満気味の子どもは年に一度は検査を受けるとよいでしょう。
合併症
治療しない場合
- 肝臓の炎症が続くと肝硬変(肝臓が硬くなる)に進むことがある
- 肝不全(肝臓の働きが悪くなる)
- 肝臓がんのリスクが高まる
長期的な見通し
子どもの脂肪肝は、生活習慣を見直すことで多くの場合改善します。重症化することはまれですが、放置すると将来の肝臓病のリスクになります。早期に気づいて適切に対応すれば、健康な肝臓を取り戻すことができます。希望を持って取り組みましょう。
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最終更新: 2026年7月30日
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