Gastric ulcer
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
胃潰瘍(いかいよう)は、胃の内側の粘膜(ねんまく)にできる傷のことです。胃酸やピロリ菌などの影響で粘膜が傷つき、えぐられたような状態になります。
重要な事実
- 胃潰瘍は多くの場合、薬で治療できます。
- ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の感染が主な原因のひとつです。
- 痛みがなく進行することもあります。早めの診察が大切です。
胃潰瘍は日本人によく見られる病気のひとつです。特に中高年に多く、年間約100万人が受診していると言われています。
30代以上の人に多く見られますが、若い人でもストレスや薬の影響で起こることがあります。男性の方がやや多いとされています。
症状
- 突然の激しい腹痛が続く
- 吐血する(コーヒーのような黒いものを吐く)
- 黒くてタールのような便が出る
- 意識がもうろうとする、冷や汗が出る
- ⚠みぞおちの痛みが数日続く
- ⚠食べても痛みが治まらない
- ⚠原因不明の体重減少がある
- ⚠貧血の症状(めまい、ふらつき)が出ている
一般的な症状
- みぞおち(上腹部)の痛みや重だるさ
- 食事中や食後に痛みが強くなる
- 胸やけやげっぷが出る
- 吐き気や食欲の低下
- げっぷやおならが増える
子供の症状
- 子どもでは言葉でうまく伝えられないため、泣いたり不機嫌になったりすることが多い
- お腹を痛がる、食事を嫌がる
- 成長が遅れることがある
高齢者の症状
- 高齢者では痛みを感じにくく、症状が軽いことがある
- 貧血(顔色が悪い、疲れやすい)が最初の兆候になることも
- 胃からの出血で黒い便や吐血(血を吐く)が起こることがある
原因
主な原因
- ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)への感染(日本人の約半数が感染経験あり)
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれる痛み止めの常用
- ストレスや過労
リスク要因
- 喫煙や大量の飲酒
- ピロリ菌に感染している
- 胃酸が出やすい体質
- 家族に胃潰瘍の人がいる
- アスピリンなどの解熱鎮痛薬を長期間使っている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合はすぐに救急車(119番)を呼んでください。
- 吐血や黒い便がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- みぞおちの痛みや胃もたれが2週間以上続く
- 食後に痛みがあるが、なかなか治らない
- 市販の胃薬を使っても改善しない
診断
医師が問診や症状を聞いた後、胃カメラ(上部内視鏡検査)で胃の中を直接見ることが一般的です。
行われる可能性のある検査
- 胃カメラ(内視鏡)検査:胃の粘膜の状態を確認し、組織を少し取って調べる(生検)こともあります。
- ピロリ菌の検査:呼気テストや便検査、血液検査などで感染を調べます。
- 血液検査:貧血や炎症の有無を確認します。
診察で予想されること
胃カメラは口から細い管を入れて行います。検査前にのどに麻酔をかけ、眠くなる薬を使うこともできます。痛みはほとんどありません。検査後は一時的にのどの違和感があることがありますが、すぐに治まります。
治療
胃潰瘍の治療は主に「胃酸を抑える薬」と「ピロリ菌の除菌(除菌治療)」の組み合わせで行います。ほとんどの場合、薬で治ります。
自宅でのセルフケア
- 刺激の少ない食事をとる(辛いもの、油っこいもの、アルコールを控える)
- 規則正しい食生活を心がける
- ストレスをためないようにする
- 喫煙を控える(タバコは胃潰瘍を悪化させます)
- 長期間の痛み止め(NSAIDs)を避ける
医療治療
医師は胃酸の分泌を抑える薬や胃の粘膜を保護する薬を処方します。ピロリ菌が原因の場合は、抗生物質を含む除菌治療(通常1~2週間)を行います。治療中は定期的に医師の診察を受け、経過を確認します。
手術が検討される場合
潰瘍が大きくて薬が効かない場合、出血が止まらない場合、胃に穴があいた場合など、まれに手術が必要になることがあります。ほとんどの場合は薬で治ります。
この病気と共に生きる
治療中は薬を決められた通りに飲み続けましょう。症状が落ち着いても、医師の指示なく自己判断で薬をやめないでください。
生活習慣のアドバイス
- 食事は1日3回、規則正しくとる
- アルコールは控えるか、少量にする
- ストレス解消法を見つける(散歩、趣味、軽い運動など)
- 睡眠をしっかりとる
食事と運動
消化の良い食べ物(おかゆ、うどん、白身魚、豆腐など)を選び、よく噛んで食べましょう。激しい運動は避け、ウォーキングなどの軽い運動を習慣にすると良いでしょう。
精神的健康と心の健康
胃潰瘍はストレスと関係が深い病気です。痛みが続くと不安になったり、気分が落ち込むこともあります。そうした気持ちは自然なことです。医師や家族に話してみてください。必要ならカウンセリングも検討しましょう。
予防
完全に予防することは難しいですが、リスクを減らすことはできます。ピロリ菌の検査と除菌、禁煙、適度な飲酒、ストレス管理、痛み止めの適切な使用などが予防につながります。
ワクチン
省略
検診プログラム
省略
合併症
治療しない場合
- 胃からの出血(吐血や黒い便)
- 胃壁に穴があく(穿孔) → 緊急手術が必要になる
- 胃の出口が狭くなり食べ物が通らなくなる(幽門狭窄)
- まれに胃がんのリスクが高まることがある(特にピロリ菌感染が原因の場合)
長期的な見通し
胃潰瘍は適切に治療すれば、ほとんどの場合数週間から数か月で治ります。ピロリ菌の除菌が成功すれば再発率も大きく下がります。ただし、放置すると重い合併症を起こすこともあるので、早めの受診と治療が大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月17日
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