妊娠中の性器ヘルペス:知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)というウイルスが原因で性器の周りに水ぶくれやただれができる感染症です。妊娠中にこのウイルスが初めて感染したり、再発したりすることがあります。赤ちゃんに感染すると重い病気になる可能性があるため、妊娠中の管理がとても大切です。
重要な事実
- 妊娠中に性器ヘルペスが初めて起こると、赤ちゃんに感染するリスクが高まることがあります。
- 妊娠前にすでにヘルペスを持っている場合、赤ちゃんに感染するリスクは非常に低いです。
- 妊娠後期に初感染した場合、帝王切開(お腹を切って赤ちゃんを出すお産)が必要になることがあります。
- 抗ウイルス薬を使うことで、症状を抑えたり、お産の時の再発を防いだりできます(医師の指示が必要です)。
- 赤ちゃんへの感染はまれですが、感染すると重い病気になる可能性があるので、予防と管理が重要です。
性器ヘルペスは比較的一般的な感染症で、妊婦さんの約20~30%がウイルスを持っていると言われています。ただし、妊娠中に症状が出る人はその一部です。
年齢や妊娠の時期にかかわらず、性器ヘルペスウイルスを持つすべての妊婦さんが影響を受ける可能性があります。特に妊娠後期に初めて感染した方が最も赤ちゃんに感染するリスクが高いです。
症状
- 赤ちゃん(新生児)に熱がある、元気がない、ミルクを飲まない、発疹が出るなど、赤ちゃんに異常があればすぐに救急車(119番)を呼んでください。
- 妊娠中に激しい腹痛、性器からの出血、破水のような症状がある場合も緊急です。
- ⚠妊娠中に性器の水ぶくれやただれに気づいた(特に妊娠後期)
- ⚠性器ヘルペスの症状があり、出産が近い
- ⚠パートナーに性器ヘルペスの症状がある
一般的な症状
- 性器やその周辺にできる痛みのある水ぶくれやただれ
- かゆみやチクチクする感じ
- 排尿時の痛み
- 水ぶくれが破れてできた浅い潰瘍(かいよう)
- 初感染の場合は発熱や全身のだるさを伴うこともある
原因
主な原因
- 単純ヘルペスウイルス(HSV)というウイルスに感染すること。主に性行為でうつります。
- 妊娠中に初めて感染する場合(初感染)と、妊娠前にすでにウイルスを持っている場合(再発)があります。
リスク要因
- 複数の性交渉相手がいる
- 性器ヘルペスがあるパートナーとの無防備な性行為
- 免疫力が低下している(疲れやストレスが多い)
- 妊娠後期に新しいパートナーとの性行為
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 妊娠中に性器ヘルペスのような水ぶくれやただれができた
- 性器に痛みやかゆみがあり、発熱もある
- 出産が近い時期に症状が出た
定期受診を予約すべき場合:
- 妊娠初期や妊娠中の健康診断で、性器ヘルペスを持っていることを伝える
- パートナーに性器ヘルペスがある場合、妊娠前に相談する
- 定期的な妊婦健診で症状の有無をチェックする
診断
医師が性器の症状を見て診断することが多いですが、確定のために検査をすることがあります。
行われる可能性のある検査
- 症状がある部分の液体を綿棒で採取してウイルスを調べるPCR検査
- 血液検査でヘルペスウイルスに対する抗体(免疫の証拠)を調べる
診察で予想されること
診察では、医師が症状の場所や状態を確認します。検査は短時間で終わり、痛みはほとんどありません。妊娠中の抗体検査で、あなたがウイルスを持っているかどうかがわかります。
治療
妊娠中の性器ヘルペスの治療は、症状を和らげることと、赤ちゃんへの感染を防ぐことが目的です。医師があなたの状態に合わせて治療法を提案します。
自宅でのセルフケア
- 水ぶくれを清潔に保ち、触らないようにする
- ゆったりした綿の下着を着けて通気性をよくする
- 十分な休息をとり、ストレスを減らす
- 痛みがあるときは、患部を冷やすと楽になることがある
- 性行為は症状が完全に治るまで控える
医療治療
妊娠中でも安全に使える抗ウイルス薬があります。医師が症状の程度や妊娠週数に応じて、内服薬や外用薬を処方することがあります。特に妊娠後期には、お産の時の再発を防ぐために薬を使うことが一般的です。薬の名前や用量は医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
妊娠後期に初めて性器ヘルペスが発症した場合や、お産の時に性器にヘルペスの症状がある場合は、赤ちゃんが産道でウイルスに触れるのを避けるために、帝王切開(お腹を切って赤ちゃんを出す手術)が推奨されることがあります。
この病気と共に生きる
妊娠中は規則正しい生活を心がけ、疲れやストレスをためないようにしましょう。症状が出たら早めに医師に相談することが大切です。性器ヘルペスはよくある感染症で、適切に管理すれば妊娠や出産に大きな問題はありません。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠とバランスの良い食事を心がける
- ストレスをためないようにリラックスする時間を作る
- パートナーともコミュニケーションを取り、症状がある時は性行為を避ける
- 妊娠中は禁煙・禁酒を守る
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、栄養バランスの良い食事をとり、免疫力を保つことが大切です。医師に相談しながら、無理のない範囲で軽い運動(ウォーキングなど)を続けましょう。
精神的健康と心の健康
性器ヘルペスと診断されると、不安やストレスを感じるかもしれません。特に妊娠中は赤ちゃんへの影響が気になるでしょう。しかし、多くの場合、適切なケアで問題なく出産できます。不安な気持ちは医師や助産師に相談してください。必要ならカウンセリングも役立ちます。
予防
性器ヘルペスを完全に予防するのは難しいですが、リスクを減らすことはできます。妊娠中は特に注意しましょう。
ワクチン
現在、性器ヘルペスを防ぐワクチンは日本では実用化されていません。
検診プログラム
妊婦健診で性器ヘルペスの抗体検査や症状の確認が行われることがあります。必要に応じて医師が検査を勧めます。
合併症
治療しない場合
- 赤ちゃん(新生児)にヘルペスが感染すると、新生児ヘルペスという重い病気になるリスクがある(発熱、けいれん、皮膚や目の感染、まれに脳や全身に及ぶこともある)
- 妊娠中に初感染すると、流産や早産のリスクがわずかに高まることがある
- 産道を通る時に赤ちゃんが感染すると、症状が重くなりやすい
長期的な見通し
妊娠中の性器ヘルペスは、適切な管理とお産の計画を立てることで、ほとんどの場合、赤ちゃんに問題を起こさずに出産できます。医師の指示に従い、定期的に健診を受ければ、安心して妊娠・出産を迎えられます。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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