Genital warts
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
尖圭コンジローマ(せんけいコンジローマ)は、性器やその周りにできる小さなイボのことです。ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが原因で起こり、性行為などでうつります。イボ自体は痛くないことが多いですが、治療せずにいると大きくなったり増えたりすることがあります。
重要な事実
- 「尖圭コンジローマ」は性器にできるイボで、HPV(ヒトパピローマウイルス)が原因です。
- HPVには多くの型があり、尖圭コンジローマのほとんどは「低リスク型」という、がんになりにくい型が原因です。
- 治療でイボを取ることはできますが、ウイルスを体から完全に取り除くことはできません。時間とともに自然に消えることもあります。
- HPVワクチンを接種すると、尖圭コンジローマの原因となるウイルス型にも予防効果があります(日本では中学1年生相当の男女に定期接種が推奨されています)。
尖圭コンジローマは、性行為でうつる病気(性感染症)の中でもとてもよく見られるものの一つです。日本でも毎年多くの人が診断されています。
性行為をするすべての年齢の人に起こりえます。特に20代から30代の性的に活動的な人に多いですが、性行為の経験があれば誰でもかかる可能性があります。
症状
- イボから大量に出血が止まらない
- 急に強い痛みや腫れがある
- 排尿や排便ができない、または激しい痛みがある
- ⚠イボが急に増えたり、大きく広がってきた
- ⚠イボの表面がただれたり、にじんだりしている
- ⚠性器周辺に違和感や痛みが続く
一般的な症状
- 性器(ペニス、陰唇、膣の入り口など)や肛門の周りに、小さなできものができる。
- できものは単独でひとつだけの場合も、いくつか集まってカリフラワーのような形になることもある。
- 色は肌色、ピンク色、または灰色がかっている。
- 通常は痛みはありませんが、かゆみや違和感、性行為時の不快感が出ることがある。
- まれに出血やおりものの増加が見られることもある。
子供の症状
- 子どもに尖圭コンジローマが見つかった場合は、性虐待(性的ないやがらせ)の可能性もあるため、必ず小児科医や専門医の診察を受けることが重要です。
- イボの見た目は大人と同じで、性器や肛門周りにできます。
高齢者の症状
- 高齢者でも、新たな性行為の相手ができた場合や、免疫機能が低下した場合に発症することがあります。
- 症状は若い人と同じですが、免疫力が低いとイボが増えやすかったり治りにくかったりすることがあります。
原因
主な原因
- ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因です。HPVには多くの型があり、尖圭コンジローマは主に「タイプ6」と「タイプ11」という低リスク型によって起こります。
- 感染者の皮膚や粘膜と直接触れ合うことでうつります。主な感染経路は性器同士の接触(性行為)です。
- コンドームを使うと感染リスクを減らせますが、コンドームで覆われていない部分からも感染することがあるため、100%予防できるわけではありません。
リスク要因
- 性行為の相手が多い
- コンドームを正しく使わずに性行為をする
- 免疫機能が弱っている(HIV感染やステロイド薬の長期使用など)
- タバコを吸う(喫煙者は免疫への影響でリスクが上がる)
- すでに他の性感染症にかかっている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の「緊急症状」に該当する場合は、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
- イボが急に広がったり、痛みや出血がひどい場合は、その日のうちに医療機関を受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 性器や肛門周りにいつもと違うできものやイボを見つけたら、早めに皮膚科、泌尿器科、または産婦人科を受診しましょう。
- パートナーにも感染している可能性があるため、一緒に検査や治療を受けることを勧められることがあります。
診断
医師が性器のイボの見た目を確認することで診断します。必要に応じて、イボの一部を取って調べる検査(病理検査)が行われることもあります。
行われる可能性のある検査
- 視診(医師が目で直接イボを確認する)
- 必要に応じて、イボの一部を切り取って顕微鏡で調べる「生検(せいけん)」
- 子宮頸部にイボがある場合や、子宮頸がんの検査と合わせて行うこともある
診察で予想されること
診察では、膝を曲げてあおむけになったり、横向きになったりして、医師が性器や肛門を観察します。特別な痛みはなく、数分で終わります。もし生検をする場合も、局所麻酔を使うのでほとんど痛みはありません。
治療
尖圭コンジローマの治療は、イボを取り除くことと、症状を軽くすることです。治療法はいくつかありますが、ウイルスを体から完全に取り除く治療はありません。自然に消えることもありますが、再発することも多いです。
自宅でのセルフケア
- イボを自分で触ったり、引っかいたりしないでください。広がったり、二次感染の原因になります。
- 性器は清潔に保ち、刺激の少ない石けんを使ってやさしく洗いましょう。
- 治療中は、コンドームを使うなどして性行為を控えるか、パートナーに感染のリスクを伝えた上で行ってください。
医療治療
医療機関では、医師がイボに塗る薬(外用薬)を処方するか、液体窒素で凍らせて取る「凍結療法(とうけつりょうほう)」や、レーザーで焼く「レーザー治療」などが行われます。どの治療法を選ぶかは、イボの大きさや数、場所によって決まります。薬の種類や治療の回数は医師と相談してください。
手術が検討される場合
イボがとても大きい場合や、薬や凍結療法で効果が不十分な場合は、手術で取り除くこともあります。一般的には、外来(通院)で局所麻酔をして行われることが多いです。
この病気と共に生きる
治療中は、イボを触らない、清潔を保つことを心がけてください。パートナーと一緒に治療を受けることで、再感染のリスクを減らせます。
生活習慣のアドバイス
- タバコを吸っている人は、禁煙を検討しましょう。喫煙は免疫を弱め、イボが治りにくくなることがあります。
- ストレスをためすぎないように、十分な睡眠と適度な運動を心がけてください。
- コンドームを正しく使うことで、パートナーへの感染リスクを減らせます。
食事と運動
特に決まった食事制限はありませんが、バランスの良い食事と適度な運動で免疫力を高めることが大切です。
精神的健康と心の健康
尖圭コンジローマと診断されると、恥ずかしい、不安、という気持ちになることがあります。パートナーへの伝え方や、将来の性行為について悩む人も少なくありません。こうした気持ちは自然なものです。一人で抱え込まず、医師やカウンセラーに相談してみてください。
予防
はい、完全ではありませんが、予防できます。最も効果的なのは、HPVワクチンを接種することです。また、性行為のたびに正しくコンドームを使うこともリスクを減らします。
ワクチン
日本では、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)が、尖圭コンジローマの原因となるHPV(タイプ6と11)にも効果があります。中学1年生相当の男女に定期接種が推奨されており、キャッチアップ接種も行われています。詳しくはかかりつけ医や市町村の情報をご確認ください。
検診プログラム
尖圭コンジローマのための特別な定期検診はありません。ただし、子宮頸がん検診でHPV検査や細胞診を受けることは、子宮頸部の異常を早期に見つけるのに役立ちます。気になる症状があれば、早めに受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- イボが大きくなったり、数が増えたりすることがある。
- 性行為でパートナーに感染させてしまうことがある。
- まれに、大きなイボが排尿や排便の邪魔をすることがある。
- 尖圭コンジローマ自体はがんになりにくいですが、ハイリスク型のHPVに同時に感染している可能性もあるため、注意が必要。
長期的な見通し
尖圭コンジローマは治療すれば多くの場合、イボを取り除くことができます。再発することもありますが、治療を繰り返すことでコントロールできる病気です。時間が経てば自然に消えることもあります。適切なケアと予防を続ければ、健康な性生活を送ることができます。希望を持って治療に取り組みましょう。
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- 厚生労働省 性感染症・HIV/AIDSに関する情報 · 日本
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月18日
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