赤ちゃんの緑内障(りょくないしょう)とは?
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
緑内障(りょくないしょう)は、目の中の視神経(ししんけい)という、見るために大切な神経が傷つく病気です。赤ちゃんの場合、生まれつき目の中の水の流れが悪く、眼圧(がんあつ)という目の圧力が高くなって視神経を傷つけることが原因です。この病気は、早く見つけて治療すれば、視力を守ることができます。
重要な事実
- 赤ちゃんの緑内障は10000人に1人くらいの割合で見られます。
- 治療しないと視力が低下したり、失明することがあります。
- 手術で眼圧を下げることができれば、多くの赤ちゃんは良好な視力を保てます。
赤ちゃんの緑内障は比較的まれな病気で、およそ10,000人に1人の割合で見られます。
主に生後1年以内の赤ちゃんに発症します。特に男の子にやや多く、約65%が男児です。両目に症状が出ることもありますが、片方の目だけのこともあります。
症状
- 突然、赤ちゃんが目をまったく開けようとしない
- 白目の部分が突然赤くなり、痛がる
- 黒目が大きく濁って異常に大きい
- ⚠目が赤く、光を非常に嫌がる
- ⚠涙が止まらず、目をこすり続ける
- ⚠目の大きさが左右で明らかに違う
一般的な症状
- 目が大きく見える(牛眼、ぎゅうがん)
- 角膜(黒目の部分)が曇って白っぽく見える
- 涙がよく出る(流涙)
- 光を嫌がる(羞明、しゅうめい)
- 目をこする・しょっちゅうつぶっている
子供の症状
- 目が大きく見える
- まぶしくて目を開けられない
- 目が赤い
- 見えにくそうに物を見る
高齢者の症状
- この項目は赤ちゃんの病気のため、高齢者には当てはまりません。
原因
主な原因
- 先天的な原因:目の中の水(房水)の排水路がうまくできていないため、眼圧が上がります。
- 遺伝:一部の赤ちゃんは遺伝子の異常が原因で発症することがあります。
- 他の目の病気に伴って起こることもあります(続発性緑内障)。
リスク要因
- 家族に緑内障の人がいる
- 目のけがや手術の経験がある(赤ちゃんではまれ)
- 他の先天的な病気(スタージ・ウェーバー症候群など)がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 赤ちゃんの目が大きくなっている、または濁っているのに気づいたら
- 目をこすったり、光を極端に嫌がる場合
- 目が赤く、涙が止まらない状態が続く場合
定期受診を予約すべき場合:
- 定期健診で目の異常を指摘された場合
- 目の大きさや見え方に不安がある場合
- 家族に緑内障の人がいる場合は、生後すぐに眼科医に相談する
診断
赤ちゃんの緑内障は、眼科医が特別な検査を行って診断します。生後すぐでも検査できる方法があります。診断には、眼圧の測定、目の奥の神経の観察、角膜の直径の測定などを行います。
行われる可能性のある検査
- 眼圧測定(めんあんそくてい):目に優しい器具で眼圧を測ります。赤ちゃんには睡眠薬を使って行うこともあります。
- 眼底検査(がんていけんさ):目の奥の視神経の状態を見ます。
- 角膜直径測定:黒目の大きさが年齢に合っているか調べます。
- 超音波検査:目の形や長さを確認します。
診察で予想されること
多くの場合、赤ちゃんは検査のために短時間の麻酔(まひ)が必要になります。検査は痛みが少なく、安全に行われます。結果はその日のうちに医師から説明があります。
治療
赤ちゃんの緑内障の治療は、主に手術で眼圧を下げることが第一選択です。点眼薬も使われますが、手術の補助として用いられます。早期に治療すれば、視力を守れる可能性が高くなります。
自宅でのセルフケア
- 医師の指示に従って、点眼薬を正しく使いましょう。
- 目の異常にすぐ気づけるよう、毎日赤ちゃんの目を観察しましょう。
- かかりつけ医に定期的に相談しましょう。
医療治療
治療の中心は手術です。目の中の水の流れを良くする手術(線維柱帯切開術など)が行われます。また、眼圧を下げる点眼薬を手術の前後や、手術だけで眼圧が下がらないときに使うことがあります。薬や手術の種類は赤ちゃんの状態に合わせて医師が選びます。
手術が検討される場合
ほとんどの赤ちゃんに手術が必要です。できるだけ早く(生後数週間から数か月以内)に行うことで、視神経の傷みを防ぎます。
この病気と共に生きる
治療後も定期的な眼科受診が必要です。赤ちゃんの成長に合わせて眼圧や視力の経過を見ます。眼帯やメガネが必要になることもあります。
生活習慣のアドバイス
- 目をぶつけないように気をつけましょう(おもちゃや家具の角に注意)。
- 紫外線対策として帽子やサングラスを使うとよいでしょう(医師に相談して)。
- 子どもの目の状態をまわりの人(保育園の先生など)に伝えておきましょう。
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、バランスの良い食事と適度な運動は目の健康にも良いです。ただし、激しい運動で眼圧が上がることがあるので、医師に相談してください。
精神的健康と心の健康
赤ちゃん自身はまだ自分の病気を理解できませんが、保護者は将来の視力について心配になることがあります。必要なら、医師やカウンセラーに気持ちを話すことも大切です。
予防
先天的な緑内障は予防することはできません。しかし、早期発見・早期治療で視力障害を防ぐことができます。定期的な乳幼児健診で目のチェックを受けることが大切です。
検診プログラム
日本では生後3~4か月の乳幼児健診で目のチェックが行われます。また、家族に緑内障の人がいる場合は、生後すぐに専門医に相談するとよいでしょう。
合併症
治療しない場合
- 視神経が傷つき、視力が低下する
- 弱視(じゃくし)になり、将来も見えにくいままになる
- 失明する可能性がある
長期的な見通し
赤ちゃんの緑内障は、早期に発見して適切な手術を受けられれば、多くの場合、良好な視力を維持できます。治療後も定期的なフォローアップが必要ですが、諦めずに治療を続ければ、子どもは普通の生活を送ることができます。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月30日
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