HELLP syndrome awareness
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
HELLP症候群(ヘルプしょうこうぐん)は、妊娠中にまれに起こる重い合併症です。「H」は溶血(けつよう:赤血球が壊れること)、「EL」は肝酵素上昇(かんこうそじょうしょう:肝臓の値が高くなること)、「LP」は血小板減少(けっしょうばんげんしょう:血を止める細胞が減ること)を表します。肝臓や血液に問題が生じ、早期発見と迅速な治療がとても大切です。
重要な事実
- 妊娠後期(20週以降)や出産直後に起こりやすいです。
- 高血圧やたんぱく尿を伴うことが多いです。
- すぐに治療を始めなければ、母体と赤ちゃんの両方に危険が及びます。
まれな病気で、妊娠全体の0.1~0.6%程度と言われています。
主に妊娠後期の女性に起こりますが、出産後にも発症することがあります。初めての妊娠でも、何度目の妊娠でも起こる可能性があります。
症状
- 激しい右上腹部の痛み
- 視力障害(かすんで見える、光がチカチカする)
- 意識がもうろうとする
- けいれん(ひきつけ)
- 止まらない出血(鼻血や歯ぐきの出血など)
- 息苦しさ
- ⚠持続する強い頭痛
- ⚠吐き気や嘔吐が続く
- ⚠皮膚や白目が黄色くなる(黄疸:おうだん)
- ⚠尿の量が急に減る
一般的な症状
- 右上腹部(みぎうえのおなか)の痛み
- 吐き気や嘔吐(おうと)
- 異常な疲れやすさ
- むくみ(特に顔や手)
原因
主な原因
- 正確な原因はまだよくわかっていませんが、胎盤(たいばん:赤ちゃんに栄養を送る器官)に何らかの異常が起こることが関係していると考えられています。
リスク要因
- 過去の妊娠でHELLP症候群や子癇前症(しかんぜんしょう:妊娠高血圧症候群の一種)になったことがある
- 多胎妊娠(双子など)
- 35歳以上
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上の「緊急症状」がある場合は、すぐに119番に電話してください。
- 激しい痛みや視力の変化、けいれんなどがあれば、ためらわずに救急車を呼びましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 妊娠中の定期健診は必ず受けてください。
- 血圧が高い、尿にたんぱくが出ているなどの指摘があった場合は、医師の指示に従って追加の検査や受診をしてください。
診断
問診と身体診察に加え、血液検査と尿検査、血圧測定を組み合わせて診断します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(肝機能の値、血小板の数、赤血球の壊れ具合を調べる)
- 尿検査(たんぱく尿の有無)
- 血圧測定
- 超音波検査(赤ちゃんの状態や胎盤の状態を確認)
診察で予想されること
診断がつけば、通常は入院して母体と赤ちゃんの状態を24時間体制で管理します。症状の重さや妊娠週数によって、治療方針を医師が慎重に決めます。
治療
HELLP症候群の根本的な治療は出産(ぶんべん)です。症状が軽い場合や妊娠週数が早すぎる場合は、母体と赤ちゃんの状態を安定させながら、可能な限り妊娠を継続することもありますが、多くの場合、早期に計画的に分娩を行います。
自宅でのセルフケア
- 医師の指示による安静(床上安静が求められることもあります)
- 血圧をこまめに測る
- 指示された食事療法(減塩など)を守る
医療治療
血圧を下げる薬や、けいれんを予防する薬が使われることがあります。また、赤ちゃんの肺の成熟を促すためにステロイド薬を投与することもあります。重症の場合には、輸血や血漿交換(けっしょうこうかん:血液の成分を入れ替える治療)が行われることもあります。薬の種類や量は医師があなたの状態に合わせて決めます。
手術が検討される場合
状態によっては、緊急帝王切開(きんきゅうていおうせっかい)で出産することがあります。
この病気と共に生きる
出産後は症状が急速に改善することが多いですが、完全に回復するまでに数週間かかることもあります。退院後も定期的に血液検査や血圧測定を受け、経過を確認しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 十分な休息をとる
- ストレスをためないようにする
- 医師の許可が出たら少しずつ日常生活に戻る
- 喫煙や飲酒は避ける
食事と運動
塩分控えめのバランスの良い食事を心がけ、医師の指示があれば軽いウォーキングなどから始めましょう。無理は禁物です。
精神的健康と心の健康
突然の入院や早産、赤ちゃんの健康への心配などで、不安やストレスを感じることがあるでしょう。そうした気持ちは自然なことです。パートナーや家族、医療スタッフに遠慮なく話してください。
予防
残念ながら、HELLP症候群を完全に予防する方法はまだありません。しかし、妊娠中の定期的な健診で血圧と尿のチェックを受けることで、早期に異常を発見し、重症化を防ぐことができます。リスク因子がある方は特に注意が必要です。
ワクチン
該当なし
検診プログラム
妊娠中の定期健診での血圧測定と尿検査が、HELLP症候群の早期発見につながる大切なスクリーニング(ふるい分け検査)です。
合併症
治療しない場合
- 母体の肝不全や腎不全
- 常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり:赤ちゃんが生まれる前に胎盤がはがれること)
- 赤ちゃんの発育不全や早産
- 最悪の場合、母体や赤ちゃんの命に関わります
長期的な見通し
早期に発見され、適切な治療を受ければ、多くの母体と赤ちゃんは元気に経過します。出産後は症状が改善に向かいます。ただし、次の妊娠でも再発する可能性があるため、次回妊娠を考えるときは必ず医師に相談しましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月17日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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