成人の慢性B型肝炎と共に生きる
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
慢性B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)が肝臓に長期間(6か月以上)とどまり、炎症を起こし続ける病気です。多くの場合、症状がなくてもウイルスは体の中に存在し、肝臓にダメージを与える可能性があります。
重要な事実
- 慢性B型肝炎は治療や定期的な検査でコントロールできる病気です。
- 感染しても症状が出ない人が多く、気づかないうちに進行することがあります。
- 適切な治療を受ければ、肝硬変や肝がんなどの重い合併症を防げる可能性があります。
日本では約1~2%の成人が慢性B型肝炎に感染していると推定されますが、世界では約2億5千万人が感染しており、地域によってはより多く見られます。
主に幼少期(特に出生時)に感染した人が慢性化しやすいです。また、成人で感染した場合でも約5~10%の人が慢性化します。性行為や注射針の共有などで感染することもあります。
症状
- 突然の激しい腹痛
- 意識がもうろうとする
- 吐血(血を吐く)
- 黒いタールのような便が出る
- ⚠黄疸(皮膚や白目が黄色い)が急にひどくなった
- ⚠尿の色が濃くなった(コーラ色)
- ⚠理由もなく体重が減った
- ⚠お腹が張って苦しい
一般的な症状
- 多くの人は症状がありません。
- だるさや疲れやすさ
- 食欲不振
- 軽い発熱
- 右上腹部の違和感
子供の症状
- ほとんどの子どもに症状はありません。
- まれに黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)が出ることがあります。
高齢者の症状
- 症状があっても風邪のような軽い症状だけのことが多いです。
- 高齢になると肝臓の機能が低下しやすく、合併症のリスクが高まります。
原因
主な原因
- B型肝炎ウイルス(HBV)に感染し、体がウイルスを排除しきれずに長期間体内にとどまること
- 出生時に感染した母親から赤ちゃんへ
- 性行為による感染
- 汚れた注射針や医療器具の共有
リスク要因
- 感染した人の血液や体液に触れる機会(医療従事者など)
- 不衛生な環境での注射や輸血
- 複数の性パートナーがいる
- 違法薬物の注射使用
- 感染している母親から生まれた
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合はすぐに119番(救急)を呼んでください。
- 黄疸や尿の色の変化がある場合は、なるべく早く受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 年に1~2回の定期的な血液検査と超音波検査
- 治療中の方は医師の指示に従って通院してください。
- 倦怠感や食欲不振が続く場合
診断
血液検査でB型肝炎ウイルスの有無や肝臓の炎症の程度を調べます。
行われる可能性のある検査
- HBs抗原(ウイルスの表面のたんぱく質)検査
- HBe抗原(ウイルスの活動性を示す)検査
- HBV DNA量(ウイルスの量)検査
- 肝機能検査(AST、ALTなど)
- 肝臓の超音波(エコー)検査
- 場合により肝生検(肝臓の組織を少し取って調べる)
診察で予想されること
診断は主に採血で行われ、結果は数日でわかります。肝臓の状態を詳しく調べるために超音波検査を受けることもあります。特に痛みはなく、通院で行えます。
治療
慢性B型肝炎の治療は、ウイルスの増殖を抑え、肝臓の炎症や線維化(硬くなること)を防ぐことが目的です。治療が必要かどうかは、血液検査や肝臓の状態に基づいて医師が判断します。すべての人に治療が必要なわけではありません。
自宅でのセルフケア
- 禁煙・節酒(アルコールは肝臓に負担をかけるので控えましょう)
- 規則正しい生活と十分な睡眠
- ストレスをためすぎない
- 医師の指示なしにサプリメントや市販薬を服用しない(特に肝臓に影響するもの)
医療治療
抗ウイルス薬(飲み薬)を毎日服用することでウイルスを抑えます。注射薬(インターフェロン)を使う治療法もあります。治療の種類や期間は個人の状態に合わせて医師が決めます。必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
慢性B型肝炎そのものに手術は行いませんが、進行して肝硬変や肝がんになった場合は、肝移植やがんの手術が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
慢性B型肝炎と診断されても、多くの人は普通の日常生活を送れます。定期的な通院と適切な治療を続けることが大切です。疲れを感じたら休む、無理をしないことを心がけましょう。
生活習慣のアドバイス
- アルコールは控える(できれば禁酒)
- バランスの良い食事をとる
- 適度な運動(ウォーキングなど)を週に数回
- 性行為の際はコンドームを使用し、パートナーへの感染を防ぐ
- 周囲の人にB型肝炎ワクチンを勧める
食事と運動
特に制限はありませんが、肝臓に負担をかけないよう、脂肪の多い食事や過度な甘いものは控えましょう。軽い有酸素運動(ウォーキングや軽いジョギング)がおすすめです。運動は体力維持やストレス解消にも役立ちます。
精神的健康と心の健康
慢性の病気であることに対する不安やストレスを感じることがあります。そうした気持ちは自然なことです。必要なら医師やカウンセラーに相談したり、同じ病気を持つ人と交流することで気持ちが楽になることがあります。
予防
B型肝炎ウイルスの感染はワクチンで防げます。すでに感染している人が他の人にうつさないように、血液や体液に触れる際の注意(手袋の着用、注射針の使い回しをしないなど)が重要です。
ワクチン
B型肝炎ワクチンは日本でも定期接種(赤ちゃんの頃に接種)が行われています。成人でも接種可能で、感染リスクが高い人は特に勧められます。接種後は抗体ができているか確認する血液検査が推奨されます。
検診プログラム
妊娠中の女性は必ずB型肝炎の検査を受け、陽性の場合は赤ちゃんへの感染を防ぐ処置が行われます。また、高リスクグループ(医療従事者、透析患者など)は定期的な検査が推奨されます。
合併症
治療しない場合
- 肝硬変(肝臓が硬くなり機能が低下する)
- 肝がん(肝細胞がん)
- 肝不全(肝臓が十分に働かなくなる)
長期的な見通し
慢性B型肝炎は適切な治療と定期的なフォローアップで、ほとんどの人が肝硬変や肝がんを防げます。多くの人が通常の寿命を全うし、日常生活に大きな支障なく過ごせます。希望を持って治療に取り組みましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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