子どもの慢性B型肝炎(B型肝炎が長く続く状態)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
慢性B型肝炎は、B型肝炎ウイルスが体内に長期間(6か月以上)とどまり、肝臓に炎症を起こし続ける病気です。赤ちゃんや子どものうちに感染すると、大人になってからの感染よりも慢性化しやすいと言われています。
重要な事実
- B型肝炎ウイルスは血液や体液を介して感染します。
- 赤ちゃんや幼い子どもが感染すると、約90%が慢性化します。
- 適切な治療と定期的な検査で、肝臓の健康を守ることができます。
日本では、ワクチンの普及により新たな感染者は減っていますが、過去に感染した方の中には慢性B型肝炎の子どももいます。世界的には、特にアジアやアフリカで多く見られます。
主に、B型肝炎ウイルスに感染した母親から生まれた赤ちゃん(垂直感染)や、幼い時期に家族内で感染した子どもに多く見られます。思春期以降の感染では慢性化しにくくなります。
症状
- 突然の強い腹痛
- 意識がもうろうとする
- 吐血やコーヒーのようなものを吐く
- 黒いタール状の便が出る
- ⚠黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)が急に悪化
- ⚠尿の色が濃くなる(コーラ色)
- ⚠原因不明の高熱が続く
- ⚠おなかが急に張って痛む
一般的な症状
- 多くの場合、自覚症状がほとんどありません。
- だるさ、疲れやすさ
- 食欲がない
- 吐き気やおなかの違和感
子供の症状
- 症状が出にくく、気づかれないことが多いです。
- 成長に伴い、肝臓の炎症が進むことがあります。
- 年長児では、軽い黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)が見られることがあります。
高齢者の症状
- 慢性B型肝炎は子どもに限った話ではありませんが、大人では症状が現れやすい場合があります。
- ただし、この記事は子どもを対象としているため、大人の症状については割愛します。
原因
主な原因
- B型肝炎ウイルス(HBV)の持続感染
- 主な感染経路は、感染した母親から赤ちゃんへの出産時の感染(垂直感染)か、幼少期の家族内感染(水平感染)
リスク要因
- B型肝炎に感染している母親から生まれた子ども
- ワクチン接種を受けていない
- 感染者の血液や体液に触れる機会がある(医療現場や家庭内)
- 海外の流行地域への長期滞在
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 黄疸(皮膚や白目が黄色い)が急に出た
- おなかが痛くて動けない
- 意識がぼんやりしている
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断や学校検診で肝臓の数値に異常を指摘された
- 家族にB型肝炎の感染者がいる
- 定期的なフォローアップの予約
診断
血液検査でB型肝炎ウイルスの有無や、肝臓の炎症の程度を調べます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査:HBs抗原(ウイルスの表面抗原)が陽性かどうか
- 血液検査:HBV DNA量(ウイルスの遺伝子の量)
- 血液検査:肝機能(ALTやASTなどの数値)
- 超音波検査(エコー):肝臓の形や硬さを調べる
診察で予想されること
初めての診断では、医師が問診と血液検査を行います。痛みはほとんどなく、結果が出るまで数日かかることがあります。医師からは今後の経過観察や治療の必要性について説明があります。
治療
治療の目的は、ウイルスの増殖を抑え、肝臓の炎症や線維化(肝臓が硬くなること)を防ぐことです。すべての子どもに治療が必要なわけではなく、ウイルス量や肝機能の状態に応じて決まります。
自宅でのセルフケア
- 定期的に病院で血液検査と超音波検査を受ける
- 十分な睡眠と規則正しい生活を心がける
- 他の感染症(特にA型肝炎)にかからないように注意する
- 医師の指示なしに市販薬(特に鎮痛薬など)をむやみに使わない
医療治療
抗ウイルス薬(ウイルスの増殖を抑える薬)を使用することがあります。これらの薬は飲み薬で、医師の厳重な管理のもとで長期間服用します。また、肝臓の炎症を抑えるために、インターフェロンという注射薬を使うこともあります。どの治療法を選ぶかは、子どもの年齢やウイルスの状態によって異なります。
手術が検討される場合
慢性B型肝炎そのものに対して手術は行いません。ただし、長期間の経過で肝硬変や肝がんが進行した場合、肝移植などの手術が必要になることがありますが、子どもではまれです。
この病気と共に生きる
慢性B型肝炎の子どもは、特別な制限がなく、学校生活や友達との遊びを普通に楽しめます。ただし、定期的な通院と検査を続けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- バランスの良い食事をとる(特に肝臓に負担をかけすぎないよう、脂肪の多い食べ物は控えめに)
- 適度な運動(疲れすぎない程度に)
- ワクチンで予防できる感染症(A型肝炎、インフルエンザなど)は予防接種を受ける
- アルコールは絶対に飲まない(成長後も)
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、暴飲暴食や極端なダイエットは避けましょう。野菜や果物、良質なタンパク質(魚、豆腐、鶏肉)をバランスよくとることが肝臓の健康に役立ちます。運動は普通の子どもと同じで構いませんが、激しいスポーツをする前に医師に相談すると安心です。
精神的健康と心の健康
慢性の病気があることで、子ども自身や家族が不安やストレスを感じることがあります。「自分だけ違う」と感じたり、将来のことを心配したりするのは自然なことです。そうした気持ちを話せる場(学校の先生、カウンセラー、医療者)があると良いでしょう。こころの健康について心配な場合は、24時間対応の相談窓口があります。かかりつけ医や学校の先生に相談してください。
予防
B型肝炎ワクチンを接種することで、予防が可能です。日本では、2016年からすべての赤ちゃんに対して定期接種(無料)が行われています。感染した場合でも、適切な治療で進行を抑えられます。
ワクチン
B型肝炎ワクチンは生後2か月から接種が始まり、合計3回の注射で完了します。厚生労働省の推奨するスケジュールに従い、かかりつけ医で受けてください。また、家庭内に感染者がいる場合は、他の家族もワクチン接種を検討しましょう。
検診プログラム
妊娠中の女性はB型肝炎のスクリーニング検査を受けることが推奨されています。もし陽性なら、赤ちゃんへの感染を防ぐために、生後すぐにワクチンと免疫グロブリン(抗体の注射)を行います。
合併症
治療しない場合
- 肝機能の低下(肝臓の働きが悪くなる)
- 肝硬変(肝臓が硬くなり、正常な機能を失う)
- 肝がん(肝臓のがん)
長期的な見通し
慢性B型肝炎の子どもは、適切なフォローアップと治療により、多くの場合、健康的な生活を送ることができます。大人になるまでにウイルスが抑えられ、治癒することもあります。焦らず、医師と一緒に長期的に付き合っていくことが大切です。希望を持って前向きに治療を続けましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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