子どもの高コレステロール
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
高コレステロールとは、血液の中に「コレステロール」という脂(あぶら)のような物質が多すぎる状態のことです。子どもの場合も、大人と同じようにこの状態になることがあります。コレステロールは体にとって必要なものですが、多すぎると血管に詰まりやすくなり、将来の心臓や血管の病気のリスクが高まります。
重要な事実
- 子どもの高コレステロールの多くは症状がありません。
- 家族性(家族に同じ症状がある)のものは特に注意が必要です。
- 生活習慣(食事や運動)の改善で、よい方向に変わることがあります。
- 放置すると大人になってから心筋梗塞や脳卒中の原因になることがあります。
子どもでは大人ほど多くはありませんが、生活習慣の変化や肥満の増加に伴い、近年日本でも見られることが増えています。特に、家族に高コレステロールや心臓病の人がいる場合はより注意が必要です。
どの年齢の子どもにも起こりえますが、特に家族に高コレステロールの人がいる子ども、肥満のある子ども、糖尿病や腎臓病などの病気がある子どもに多く見られます。
症状
- 急な胸の強い痛み(締め付けられるような痛み)
- 息が苦しくて動けない
- 片側の手足が動かない、言葉がしゃべりにくい(脳卒中の可能性)
- ⚠胸の痛みが数分続く、安静にしても治まらない
- ⚠強い動悸や息切れが続く
一般的な症状
- ほとんどの場合、自覚症状はありません。
子供の症状
- まれに、皮膚の下に黄色いしこり(黄色腫)ができることがあります。
- 目の周りやかかと、ひじなどにできることがあります。
高齢者の症状
- 胸の痛み(狭心症)
- 階段や坂道での息切れ
- めまいやふらつき
- 足がつる、しびれる
原因
主な原因
- 遺伝:家族性高コレステロール血症という生まれつきの原因が最も多いです。
- 食生活:飽和脂肪酸(肉の脂身やバターなど)やトランス脂肪酸(マーガリンや揚げ物)を多くとる。
- 運動不足:体を動かすことで悪いコレステロールが減ります。
- 肥満:体重が増えるとコレステロール値が上がりやすくなります。
リスク要因
- 家族(両親や兄弟姉妹)に高コレステロールや若い年齢での心臓病の人がいる
- 子ども自身が肥満である
- 糖尿病や甲状腺機能低下症などの病気がある
- 腎臓の病気がある
- 特定の薬(ステロイドなど)を長期間使っている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 急な胸の痛みや息苦しさがある
- 体の半分が動かない、言葉が出にくい
定期受診を予約すべき場合:
- 家族に高コレステロールや若い年齢(55歳未満の男性、65歳未満の女性)で心臓病の人がいる
- 子どもが肥満傾向にある
- 学校の健康診断でコレステロール値が高いと言われた
- 子どもの成長や体重の増え方に心配がある
診断
血液検査で調べます。通常は朝ごはんを食べずに(空腹で)採血します。総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、HDL(善玉)コレステロール、中性脂肪の値を確認します。
行われる可能性のある検査
- 空腹時の採血(9~12時間は食事をとらない)
- 必要に応じて、遺伝子検査(家族性が疑われる場合)
- 家族の血縁者への検査が勧められることもあります
診察で予想されること
痛みはほとんどありませんが、注射が怖いお子さんには優しく声をかけてあげてください。結果が出るまで数日かかることがあります。医師が数値をもとに、今後の生活や治療について説明します。
治療
治療の基本は、まず生活習慣の改善です。食事と運動を中心に、体重を適正に保つことを目指します。それでもコレステロール値が高い場合は、医師の判断で薬を使うこともあります。
自宅でのセルフケア
- 栄養バランスの良い食事を心がける(野菜や果物、魚、大豆製品を多くとる)
- 飽和脂肪酸(肉の脂身、バター、チーズなど)やトランス脂肪酸(市販のケーキ、スナック菓子)を控える
- 毎日60分以上、楽しく体を動かす(外遊び、スポーツ、散歩など)
- テレビやゲームの時間を減らして、活動的な時間を増やす
- 家族全体で健康的な食生活を楽しむ
医療治療
生活習慣の改善だけでは目標のコレステロール値に達しない場合、医師はコレステロールを下げる薬を検討することがあります。主にスタチンという種類の薬が使われますが、子どもの場合には特に慎重に投与量や副作用をチェックします。薬は必ず医師の指示に従って飲み、自己判断でやめたり増やしたりしないでください。
手術が検討される場合
子どもには通常、手術は必要ありません。ただし、家族性高コレステロール血症でコレステロール値が非常に高い場合には、血漿交換療法(血液からコレステロールを取り除く治療)が行われることがごくまれにあります。
この病気と共に生きる
高コレステロールの子どもと暮らすには、家族全体で健康的な生活習慣を取り入れることが大切です。特別な食事制限ではなく、みんなで楽しみながら続けられる工夫をしましょう。学校や園の給食についても、相談すれば対応してくれることがあります。
生活習慣のアドバイス
- 毎日の食事で、野菜・果物・全粒穀物(玄米など)を多くとる
- 魚や鶏肉(皮なし)を選び、赤身の肉は控えめに
- 揚げ物より焼く・蒸す・ゆでる調理法を選ぶ
- 甘い飲み物やお菓子は週に1~2回のお楽しみに
- 家族で外出先でも歩く、自転車に乗るなど活動的に
食事と運動
食事では、脂質の質に気をつけましょう。サラダ油よりオリーブオイルやキャノーラ油、魚の油(EPA・DHA)を積極的にとると良いです。運動は、子どもが好きな遊びやスポーツを毎日60分以上行うことが推奨されています。無理なく楽しく続けることが長続きのコツです。
精神的健康と心の健康
子どもが「自分だけ違う」と感じて不安になることがあります。特に思春期の子どもは食事制限や薬に抵抗を感じるかもしれません。否定せずに話を聞き、医師や栄養士と一緒に乗り越えられるようサポートしましょう。
予防
家族性のものは完全には防げませんが、生活習慣の改善によってコレステロール値を正常に近づけることはできます。肥満や偏った食事を避け、運動を習慣にすることが大切です。
検診プログラム
家族に高コレステロールや早発性心臓病(若い年齢での心筋梗塞など)の人がいる場合には、子どもでも早めに血液検査を受けることが勧められます。日本のガイドラインでは、9~11歳のすべての子どもに一度は検査を推奨する意見もあります。学校の健康診断で相談しましょう。
合併症
治療しない場合
- 動脈硬化(血管が硬く狭くなる)が進行する
- 若い年齢で心筋梗塞や狭心症を起こすリスクが高まる
- 脳卒中(脳の血管が詰まったり破れたりする)のリスクが高まる
- 末梢動脈疾患(足の血管が詰まる)のリスク
長期的な見通し
子どものうちに発見し、適切に生活習慣や治療を続ければ、多くの場合コレステロール値をコントロールできます。将来の心臓や血管の病気のリスクを大幅に減らせるので、希望を持って取り組んでいきましょう。医師のサポートを受けながら、一歩ずつ進むことが大切です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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