高齢者と高血圧 – 上手に付き合うために知っておきたいこと
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
高血圧とは、血液が血管の内側を押す力(血圧)が、慢性的に高くなった状態です。心臓が血液を送り出すときにできる圧力(収縮期血圧)と、心臓が休んでいるときの圧力(拡張期血圧)の両方、またはどちらか一方が高くなります。長く続くと血管や心臓に負担がかかり、脳卒中や心臓病などの深刻な病気のリスクを高めます。
重要な事実
- 高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれ、自覚症状がないまま進行することが多いです。
- 高齢者では血圧の変動が大きくなりやすく、医師の指示に従った管理が特に大切です。
- 生活習慣の改善(減塩、適度な運動、体重管理)だけで血圧が下がる方も多くいます。
はい、非常に一般的です。日本では60歳以上の約6割が高血圧とされています(厚生労働省の国民健康・栄養調査より)。年齢とともに血管が硬くなり血圧が上がりやすくなります。
主に65歳以上の高齢者に多く見られますが、若い人でも肥満や遺伝、生活習慣の乱れなどで発症することがあります。男性の方がやや発症率が高いですが、閉経後の女性もリスクが増えます。
症状
- 突然の激しい頭痛
- ろれつが回らない、片方の手足が動かない(脳卒中の兆候)
- 激しい胸の痛みや圧迫感が続く
- 呼吸が苦しくて息ができない
- 意識がもうろうとする、または意識を失った
- ⚠普段よりかなり高い血圧(例えば自宅で測定した値が収縮期180以上、拡張期110以上)
- ⚠激しいめまいやふらつきで立っていられない
- ⚠持続する鼻血
- ⚠異常な動悸や息切れ
一般的な症状
- 多くの場合、自覚症状はありません。
- 時々、頭痛、めまい、肩こり、耳鳴りなどを感じる人もいますが、これらは高血圧だけの症状とは限りません。
子供の症状
- 小児の高血圧はまれで、多くの場合、別の病気(腎臓病など)が原因です。
- 症状が出ることはほとんどありませんが、成長に伴う血圧の変化を定期的にチェックすることが推奨されます。
高齢者の症状
- 高齢者では、立ち上がったときに血圧が急に下がる「起立性低血圧」が起こりやすく、めまいや転倒の原因になります。
- 血圧が急に上がると、頭痛、息切れ、胸の圧迫感が現れることがあります。
- 疲れやすさ、ぼんやりする感じを訴える方もいます。
原因
主な原因
- 加齢による血管の弾力性の低下(動脈硬化)
- 遺伝的要因(家族に高血圧の人が多い)
- 食塩の摂りすぎ(特に日本人は塩分摂取量が多い傾向)
- 肥満やメタボリックシンドローム
- 慢性的なストレス
- 腎臓病やホルモンの異常などの病気が原因となる場合(二次性高血圧)
リスク要因
- 65歳以上の年齢
- 塩分の多い食事(漬物、味噌汁、加工食品など)
- 野菜や果物の不足
- 運動不足
- 肥満(特に腹部肥満)
- 過度な飲酒
- ストレス
- 睡眠不足や睡眠時無呼吸症候群
- 家族に高血圧・脳卒中・心臓病の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状が一つでもある場合は、すぐに119番に電話してください。
- 自宅で測った血圧が収縮期180mmHg以上、または拡張期110mmHg以上の状態が続く場合は、当日中に医療機関を受診してください。
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断や自宅測定で血圧が高めと言われたら、近くの内科やかかりつけ医に相談しましょう。
- すでに治療中の方でも、定期的な受診と血圧の記録を続けてください。
- 薬の副作用(めまい、むくみ、咳など)が気になる場合も、自己判断せずに医師に相談しましょう。
診断
高血圧の診断は、医師があなたの血圧を測定することから始まります。診察室で測る「診察室血圧」と、自宅で測る「家庭血圧」の両方を参考にします。一定の基準を超える血圧が繰り返し確認されれば、高血圧と診断されます。
行われる可能性のある検査
- 血圧測定(診察室と家庭での複数回の測定)
- 尿検査(腎臓の状態を調べる)
- 血液検査(腎機能、血糖、脂質などをチェック)
- 心電図(心臓の負担を調べる)
- 眼底検査(高血圧による血管の変化を見る)
診察で予想されること
診断のためには、少なくとも2~3回の異なる日に血圧を測定することが一般的です。家庭血圧計を購入し、朝と晩の決まった時間に測定して記録するよう指示されることが多いです。医師はあなたの生活習慣や病歴も詳しく聞き、他の病気の有無も確認します。
治療
高血圧の治療の基本は、まず生活習慣を改善することです。それでも血圧が目標値に達しない場合、医師が薬物療法を検討します。治療の目的は、血圧を安全な範囲に保ち、脳卒中や心臓病などの合併症を防ぐことです。
自宅でのセルフケア
- 減塩:1日あたりの食塩摂取量を男性は7.5g未満、女性は6.5g未満に減らす(厚生労働省推奨)。しょうゆやソースをかけすぎない、味噌汁の具を多くして汁を減らすなど。
- 適度な運動:ウォーキングなどの有酸素運動を1日30分、週に5日以上。高齢者は無理のない範囲で。
- 体重管理:肥満の場合は減量を。標準体重(BMI 22程度)を目標に。
- 禁煙:喫煙は血管を収縮させ血圧を上げます。禁煙外来も活用できます。
- 節酒:アルコールは適量(日本酒なら1合程度)を守る。
- ストレス管理:趣味やリラックス法を見つけて心身を休める。
- 十分な睡眠:睡眠不足は血圧を上げる原因に。
医療治療
生活習慣改善で十分に血圧が下がらない場合、医師は血圧を下げる薬を処方することがあります。薬にはいくつかの種類があり(作用の仕方が異なる)、患者さんの状態に合わせて一種類または複数を組み合わせて使います。薬は必ず医師の指示に従い、自己判断でやめたり量を変えたりしてはいけません。副作用が気になる場合は医師に相談し、別の薬に変更することも可能です。
手術が検討される場合
高血圧そのものに対する手術は通常ありません。ただし、腎動脈狭窄症など原因となる病気が見つかった場合に、その治療として手術やカテーテル治療が行われることがあります。
この病気と共に生きる
高血圧と診断されても、上手に付き合うことで、質の高い生活を続けられます。朝晩の血圧を測る習慣をつけ、記録をつけましょう。食事は減塩を心がけ、野菜や果物を多く取り入れます。散歩など軽い運動を日常に取り入れると良いです。血圧の変動に注意し、体調がすぐれない日は無理をしないようにしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日決まった時間に血圧を測定し、記録する。
- 血圧手帳を活用し、医師の診察時に見せる。
- 塩分を控えた和食を意識する(だしのうま味を活用、香辛料や酢を使う)。
- ウォーキングやストレッチを無理なく続ける。
- 十分な睡眠と休養を取る。
- タバコは吸わない、お酒はほどほどに。
食事と運動
食事は減塩が最も重要です。野菜や果物、魚、大豆製品を積極的に摂り、脂肪の多い肉や加工食品は控えめに。カリウム(野菜・果物に多い)は血圧を下げる働きがありますが、腎臓病の人は摂りすぎに注意が必要です。運動はウォーキングや水中歩行など、関節に負担が少ないものを週に150分程度(1日20~30分)行うと良いでしょう。始める前に医師に相談してください。
精神的健康と心の健康
高血圧という慢性的な状態に不安を感じる方もいます。また、血圧を気にしすぎてストレスになることもあります。無理に完璧を目指さず、少しずつ改善していくことが大切です。もし気分の落ち込みや強い不安がある場合は、一人で抱え込まずに医師や家族、地域の相談窓口に話してみましょう。
予防
完全に予防することは難しい場合もありますが、健康的な生活習慣を続けることで、高血圧の発症リスクを大幅に下げたり、発症を遅らせたりできます。特に、若い頃からの減塩、適度な運動、適正体重の維持、禁煙、節酒が効果的です。
検診プログラム
40歳以上の方は年に1回の健康診断で血圧を測定する機会があります。自宅で定期的に血圧を測ることも早期発見につながります。高血圧の家族歴がある方や肥満の方は、早めに血圧をチェックする習慣をつけましょう。
合併症
治療しない場合
- 脳卒中(脳出血や脳梗塞)
- 心臓病(狭心症、心筋梗塞、心不全)
- 腎臓病(腎機能の低下、透析が必要になることも)
- 目の病気(高血圧性網膜症による視力低下)
- 動脈硬化の進行(全身の血管が傷む)
長期的な見通し
高血圧は「治す」よりも「コントロールする」病気です。適切な治療と生活習慣の見直しを続ければ、血圧はしっかり下げられ、合併症のリスクも大きく減らせます。多くの高齢者が普通の生活を送っています。あきらめずに、医師と一緒に自分に合った管理方法を見つけていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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