10代の高血圧 ~若いから大丈夫?知っておきたいこと~
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
高血圧(こうけつあつ)とは、血管(けっかん)の中を流れる血液の圧力(あつりょく)が高すぎる状態のことです。心臓が血液を全身に送り出すときに血管にかかる圧力が、健康な範囲を超えて高いまま続く病気です。10代でも起こることがあり、放っておくと将来の健康に影響を与える可能性があります。
重要な事実
- 10代の高血圧は、肥満(ひまん)や運動不足、塩分のとりすぎが原因になることが多いです。
- 自覚症状がないことが多く、気づかないうちに進むことがあります。
- 早期に見つけて生活習慣を改善すれば、薬を使わずに正常な血圧に戻せることもあります。
10代の高血圧は大人ほど多くはありませんが、最近の調査(令和元年の厚生労働省のデータなど)では、子どもの約2~5%に血圧が高めの傾向が見られます。特に肥満の子どもでは割合が高くなります。
主に10代の思春期の若者にみられますが、特に体重が多めの人、運動不足の人、塩分を多くとる食習慣がある人、家族に高血圧や心臓病の人がいる人に多く見られます。
症状
- 激しい頭痛や吐き気、意識がぼんやりする
- 胸の痛みや圧迫感、息苦しさ
- 片方の手足が動かしにくい、言葉がうまく話せない
- 突然の激しいめまいやふらつき
- ⚠何度も繰り返す頭痛
- ⚠視界がかすむ、または見にくくなる
- ⚠鼻血がよく出る
一般的な症状
- ほとんどの場合、自覚症状はありません。
- 時々、頭痛(ずつう)やめまい、鼻血(はなぢ)がみられることがあります。
子供の症状
- 10代の子どもでは、症状がないことがほとんどです。
- 体のだるさや集中力の低下を感じることがあります。
高齢者の症状
- 大人の高血圧と同様に、症状がなくても進行することがあります。
- 長年続くと、心臓病や脳卒中(のうそっちゅう)のリスクが高まります。
原因
主な原因
- 肥満(体脂肪が増えすぎること)が最大の原因です。
- 運動不足(体を動かす時間が少ないこと)
- 塩分(しおぶん)のとりすぎ(インスタント食品やスナック菓子、ファストフードなど)
- 慢性的なストレス(学校や人間関係の悩みなど)
リスク要因
- 家族(両親や祖父母など)に高血圧や心臓病の人がいる
- 自分自身が太っている(特に内臓脂肪(ないぞうしぼう)が多い)
- 普段から運動をほとんどしない
- 睡眠時間が足りていない、または睡眠の質が悪い
- たばこを吸う、または受動喫煙(じゅどうきつえん)がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状(激しい頭痛、胸の痛み、意識障害など)がある場合はすぐに119番で救急車を呼んでください。
- 同じような症状が何度も続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 学校の健康診断で血圧が高いと言われたとき
- 体重が急に増えた、または肥満が気になるとき
- 家族に高血圧の人がいて、自分の血圧が心配なとき
診断
医師が血圧計(けつあつけい)を使って上腕(じょうわん)で測定します。10代の場合は、年齢・身長・性別に応じた基準値と比較します。診断は1回だけの測定ではなく、数回にわたって高い値が続くかどうかで判断されます。
行われる可能性のある検査
- 血圧測定(複数回、違う日に)
- 尿検査(じょうけんさ)
- 血液検査(腎臓やホルモンの異常がないか調べます)
- 心電図(しんでんず)
- 必要に応じて超音波検査(心臓や腎臓の形をみる)
診察で予想されること
診察では、まず生活習慣(食事、運動、睡眠、ストレスなど)について詳しく聞かれます。治療の第一歩は生活習慣の改善です。ほとんどの場合、特別な治療は必要なく、定期的に血圧をチェックしながら経過を見ます。
治療
10代の高血圧の治療は、まず原因となっている生活習慣を改善することから始めます。薬を使うのは、生活習慣をしっかり改善しても血圧が下がらない場合や、原因となる別の病気がある場合に限られます。
自宅でのセルフケア
- 減塩(げんえん):1日あたりの食塩摂取量を6g未満に減らすよう心がけましょう。
- 適度な運動:週に3~5回、30分以上の有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)を取り入れましょう。
- 適正体重の維持:肥満の場合は、体重を減らすだけで血圧が下がることがあります。
- ストレス解消:リラックスできる時間を作ったり、趣味に没頭するなどしてストレスをためない工夫を。
- 十分な睡眠:10代は1日8~10時間の睡眠が推奨されます。
医療治療
生活習慣の改善だけでは十分に血圧が下がらない場合、医師は薬を使うことがあります。10代に用いられる薬は、大人と同じ種類ですが、年齢や体重に合わせて慎重に量が調整されます。必ず医師の指示に従って服用し、自己判断で中止しないでください。
手術が検討される場合
10代の高血圧で手術が必要になることはほとんどありません。ただし、腎動脈(じんどうみゃく)の狭窄(きょうさく)など特別な原因が見つかった場合は、外科的な治療が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
高血圧と診断されても、多くの10代は普通の学校生活を送ることができます。大切なのは毎日の生活習慣を見直し、血圧をコントロールすることです。定期的に血圧を測る習慣をつけると安心です。
生活習慣のアドバイス
- 朝と夜の血圧測定を習慣にしましょう(家庭用血圧計を使うときは、測定方法を医師や看護師に確認してください)。
- 学校給食や外食では、汁物やソースのかかった料理は塩分が多いので注意しましょう。
- 体育の授業や部活動も問題なく参加できますが、激しい運動の前に血圧が高すぎないか確認してください。
- たばこやお酒は絶対にやめましょう(法律でも禁止されています)。
食事と運動
食事は野菜や果物を多くとり、塩分を控えましょう。特にインスタント食品、スナック菓子、ハム・ソーセージなどの加工食品には塩分が多いので気をつけてください。運動は継続することが大事です。ウォーキング、サイクリング、水泳など、楽しみながら続けられる運動を見つけましょう。
精神的健康と心の健康
10代で高血圧と診断されると、「まだ若いのになんで?」と不安やストレスを感じることがあります。また、生活習慣の改善が「制限」と感じられてイライラすることもあるでしょう。そうした気持ちは自然なものです。一人で悩まず、家族や学校の先生、カウンセラーなど信頼できる大人に話してみてください。
予防
10代の高血圧の多くは、生活習慣を整えることで予防できます。特に、肥満を防ぐこと、塩分を控えること、適度な運動を続けることが重要です。家族みんなで健康的な生活を心がけると効果的です。
検診プログラム
学校の健康診断で定期的に血圧を測っています。また、家庭でも年に1回程度は血圧を測ってみると良いでしょう。気になる場合はかかりつけ医に相談してください。
合併症
治療しない場合
- 将来、大人になってから高血圧が続くと、動脈硬化(どうみゃくこうか)が進みやすくなります。
- 心臓病(心筋梗塞など)や脳卒中(脳出血や脳梗塞)のリスクが高まります。
- 腎臓(じんぞう)の働きが悪くなる腎障害(じんしょうがい)を起こすことがあります。
- 目の網膜(もうまく)に障害が出て、視力が低下することもあります。
長期的な見通し
10代で見つかった高血圧は、早期に適切な対応をすれば、ほとんどの場合で健康な血圧に戻すことができます。生活習慣を改善することで薬を使わずに治ることも多く、将来の合併症リスクも大きく減らせます。希望を持って、一歩ずつ取り組んでいきましょう。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月30日
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