ICD(植え込み型除細動器)と共に暮らす
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ICD(アイシーディー)は、植え込み型除細動器(しょくこみがたじょさいどうき)とも呼ばれる小さな機械です。心臓のリズムが危険な速さになると、自動的に電気ショックを流して心臓の働きを正常に戻し、命を守ります。胸の中に埋め込んで、心臓を24時間見張ります。
重要な事実
- 心臓の危険な不整脈を監視し、必要に応じて電気ショックを出します。
- 発作が起きても突然倒れるリスクを減らすための装置です。
- 定期的な点検と、バッテリーの交換が必要です(通常数年から10年ほどで交換します)。
日本では、心臓の病気で大きなリスクのある人に対して、ICD治療が行われています。厚生労働省の報告によると、ICDを使う人は年々増えており、心臓の分野では確立された治療法といえます。
心筋梗塞(こきんこうそく)や心筋症(しんきんしょう)などで心臓の働きが弱り、危険な不整脈が起こる可能性が高いと診断された人が主な対象です。子どもから高齢者まで、幅広い年齢層に使われます。
症状
- ICDがショックを何度も続けて流している、または流した後も意識が戻らない場合は、ただちに119番に連絡してください。
- 激しい胸の痛みや呼吸ができないなどの突然の症状がある場合は、ただちに119番に連絡してください。
- 意識がないまま倒れている場合は、ただちに119番に連絡してください。
- ⚠ショックを一度でも受けた(可能性がある)場合は、緊急で相談する。
- ⚠植え込んだ部分の皮膚が赤く腫れたり、熱を持ったり、膿が出ている。
- ⚠めまいや動悸、息切れがいつもより強くなっている。
一般的な症状
- 動悸(どうき)や息切れ、めまいを感じることがあります。
- ICDから電気ショックが流れると、胸を軽く打たれたような感覚や痛みがあります。
- いつ反応するかわからないという不安や緊張感を覚えることがあります。
子供の症状
- 胸の小さな傷や装置の膨らみが気になることがあります。
- 運動中に急に息切れや動悸がすることがあります。
- 学校の体育や旅行のときに、ICDを気にするお子さんもいます。
高齢者の症状
- 加齢による心臓の変化やほかの病気を抱えていることが多く、体調の変動に注意が必要です。
- 認知機能の変化や薬の影響で、ICDの定期点検を忘れがちになることもあります。
- ショックを受けたときの不安が強くなる場合があります。
原因
主な原因
- 狭心症(きょうしんしょう)や心筋梗塞(しんきんこうそく)など、心臓の血管(冠動脈)の病気
- 心筋症(しんきんしょう)など、心臓の筋肉の病気
- 遺伝性の不整脈の病気(家族性の発症を含む)
リスク要因
- 過去に心停止を起こしたことがある
- 心臓のポンプ機能が非常に低下している
- 家族に重い心臓病や急な心停止の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- ICDが作動したとき(特に初回)
- ショックが連続して起こった場合
- 植え込み部の赤み、腫れ、痛み、熱などの感染サイン
定期受診を予約すべき場合:
- 3~6か月ごとの定期点検(装置の動作確認とバッテリー残量チェック)
- ほかの病気で新しい薬を始める前、手術や大きな治療を受ける前
診断
危険な不整脈の診断や、心臓の状態を評価するために、医師が問診とさまざまな検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 心電図(安静時、運動中など)
- 24時間心電図(ホルター心電図)
- 心エコー(心臓の超音波検査)
- 心臓カテーテル検査
- 電気生理学的検査(電極で心臓の電気現象を調べる検査)
診察で予想されること
これらの結果をもとに、循環器の専門医がICDが必要かどうかを総合的に判断します。実際に植え込む場合には、手術の目的や注意点について十分な説明があり、同意を確認したうえで進められます。
治療
ICDは、危険な不整脈から命を守るための治療装置です。小さな手術で胸の中に埋め込み、発作が起きたら自動的に電気ショックで心臓のリズムを戻します。
自宅でのセルフケア
- 手術後は医師の指示に従って傷口を清潔に保ち、感染を防ぐ。
- 強い磁気を持つもの(磁気ネックレス、スマホのワイヤレス充電器など)をICDの近くで使わない。
- 主治医の許可が出るまで、激しい運動や腕を大きく使う動作を避ける。
医療治療
ICDと合わせて、心臓の働きを支える薬や、不整脈を抑える薬が処方されることがあります。どの薬を使うかは、あなたの心臓の状態に合わせて専門医が決めます。薬の名前や量、飲み方についての質問は、医師または薬剤師に遠慮なく相談してください。
手術が検討される場合
植え込み手術は、鎖骨の下の皮膚を数センチ切開し、肋骨の上にある皮下ポケットに装置を入れ、細いリード(電線)を心臓まで通す方法が一般的です。入院期間は2~4日程度ですが、状態によって前後します。
この病気と共に生きる
ICDと共に暮らすということは、心臓の危険なリズムを常に監視し、必要なら自動的に助けてくれる体の見張り番を持つことです。日常では装置の存在を意識しないことも多いですが、定期点検と体調の変化への注意を欠かさないようにしましょう。
生活習慣のアドバイス
- 運転免許の更新や取得は、必ず主治医に相談してから行ってください。一定期間の運転制限が条件になることがあります。
- スマートフォンや電子機器は、ICDを入れた側と反対側で使うか、胸から15センチ以上離して使いましょう。
- 海外旅行やMRIなどが行われる医療検査の前には、必ずICDを装着していることをスタッフに伝えましょう。
食事と運動
塩分を控えめにする、野菜や果物を積極的にとる、たばこを控えるなど、心臓にやさしい生活を心がけましょう。ウォーキングなどの有酸素運動は心臓を強くするため勧められていますが、激しいスポーツやぶつかり合う運動は医師の許可が出るまで避けてください。
精神的健康と心の健康
いつ作動するかわからないという不安は、患者さんに共通している気持ちです。ショックを受けた後の不安や、眠れない、落ち込むといった症状が続く場合は、医師や看護師、臨床心理士に相談することが大切です。
予防
危険な不整脈そのものを防ぐ薬や手術はありますが、ICDは発作が起きたときに命を守るための装置です。ICDを適切に使うことで、突然死のリスクを大きく減らせることが分かっています。
ワクチン
心臓の持病がある方は、インフルエンザや肺炎球菌などの予防接種を検討するのが一般的です。ICDがあることと相互作用は通常ありませんが、予防接種を受ける前に主治医に確認しましょう。
検診プログラム
ICDの点検は病院で行います。専用の機械を使って装置の動作やバッテリーの残量、リードの状態を確認します。通常は3~6か月ごとに受けます。
合併症
治療しない場合
- 危険な不整脈を治療しないと、心臓が血液を送り出せなくなり、意識消失につながることがあります。
- 最悪の場合、心臓が突然止まる突然死のリスクがあります。
長期的な見通し
ICDを適切に使用すれば、多くの人が発作の心配を減らし、元の生活に戻ることができます。定期的な点検と、医師の指示を守ることが、安心して暮らすための一番の近道です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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