ストーマ(人工肛門)とともに生きる:イレオストミーの暮らしの手引き
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
イレオストミーとは、大腸の一部を切除し、お腹の表面に小腸の出口(ストーマ)を造る手術です。便は肛門ではなく、この出口から袋の中に排出されます。
重要な事実
- ストーマは専用の袋でおおわれ、便やガスはその袋に集められます。
- 正しいケアと装具の選択で、普段とほぼ変わらない生活ができます。
- 術後のしばらくはストーマの大きさや形が変わりますが、6か月から1年で安定します。
- 日本にはオストメイト(ストーマを持つ人)を支援する制度や外来があります。
日本では年間数万人がストーマ形成手術を受けています。高齢者だけでなく若い世代にもみられ、決して珍しい状態ではありません。
大腸がんの手術、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、事故や腸閉塞などで大腸を摘出した小児から高齢者まで、幅広い年齢層に affected です。
症状
- 便がまったく出ず、強い腹痛やおう吐がある
- ストーマの色が急に紫色や黒っぽくなる
- ストーマから大量に出血する
- ⚠ストーマ周囲の皮膚が赤く腫れて広がる、またはただれがひどい
- ⚠水のような下痢が続き、水を飲んでも体調が悪くなる
- ⚠装具を替えてもすぐに外れてしまう、または便が漏れて着替えが必要になる
一般的な症状
- 便がお腹の表面のストーマから排出され、袋にたまる状態
- ストーマ周囲の皮膚が赤くなったり、かぶれたりする皮膚トラブル
- ガスや便が袋から漏れそうになること
- 便の性状がゆるい、または固い日が続くこと
子供の症状
- 成長に合わせて装具を変えるため、皮膚トラブルが起きやすい
- 学校などでトイレや着替えのことを説明しづらく、我慢してしまう
- 活動量が多いため、袋がはずれやすい
高齢者の症状
- 皮膚が薄い、筋力が低下しているために装具が密着しにくい
- 視力や手指の動きの低下で、装具の交換がひとりで難しくなることがある
- 脱水になりやすいため、水分をこまめにとる必要がある
原因
主な原因
- 大腸がんなどで大腸を切除する術式として
- 潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患の手術
- 腸がひどくふさがる(腸閉塞)などの緊急手術
- 交通事故や外傷による大腸の損傷
リスク要因
- 肥満や糖尿病などで傷の回復が遅れやすい
- 免疫を抑える治療を長く受けている(創傷治癒に影響)
- お腹の筋肉が弱い、やせている、全身状態が不良なこと
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 便の出方が急に変わり、腹痛や吐き気を伴う
- ストーマの色が異常に暗く見える
- 出血が続いたり、量が多い
定期受診を予約すべき場合:
- 装具の交換に不安があったり、うまくできない
- 皮膚トラブルを繰り返す
- 便の量やにおいが気になって生活に支障がある
- 定期検診やストーマ外来の予約
診断
イレオストミーの生活上の問題は、ストーマ外来や消化器科で医師またはストーマ管理認定看護師が問診と視診で評価します。
行われる可能性のある検査
- ストーマの大きさ・形・周囲の皮膚の観察
- 便の性状や量の聞き取り
- 装具の当て方や交換手技の確認
- 原因となった病気の再発がないかをみる血液検査や画像検査
診察で予想されること
初めての外来では、生活状況や困りごとを聞かれます。ストーマ外来では、個別に装具の選び方や交換手技を実演してくれるので、不安なことはその場で相談できます。
治療
イレオストミーの生活を支えるための治療は、おもにストーマのケアと装具(袋)の適切な選択です。原因となった病気の経過によっては、内服薬や注射薬による治療が継続されることがあります。
自宅でのセルフケア
- 装具交換の手順を看護師と一緒に練習する
- ストーマの大きさに合わせて装具の穴を調整し、皮膚を保護する
- 皮膚を清潔に保ち、洗った後はしっかり乾かす
- 便の量や硬さを毎日観察して記録する
- 外出時は予備の装具を携帯する
医療治療
原因となった病気(炎症性腸疾患やがんなど)に対する治療が行われる場合があります。具体的な薬剤の種類や用量は、医師が検査結果や全身状態に応じて決めます。自己判断で止めたり変えたりせず、必ず医師の指示に従ってください。
手術が検討される場合
イレオストミーの手術がすでに行われていますが、将来的に腸をつなぐ閉鎖手術(戻す手術)が可能な場合もあります。また、ストーマの狭窄や脱出などの合併症が起きた場合は、修正手術を検討することがあります。
この病気と共に生きる
イレオストミーでも、入浴、着替え、仕事、旅行などが可能です。装具を専用テープやベルトで固定すると安心です。温泉やプールでは防水のタグや装具カバーを使うとよいでしょう。
生活習慣のアドバイス
- 旅行や出張のときは、装具を多めに持ち歩く
- ウォーキングや水泳などの軽い運動を楽しむ
- 腹筋を使う強い運動や重い物の持ち上げは、医師と相談してから始める
- 公共施設ではさりげなく事前に設備を確認すると安心
食事と運動
術後は消化の良いものを少量からはじめ、食物繊維の多い食べ物は少しずつ試します。しっかり水分をとり、便が詰まるような食べ物(たけのこ、こんにゃく、乾物など)はよく噛んで食べます。運動は医師の許可後、歩くことから始め、体力に合わせて続けましょう。
精神的健康と心の健康
からだの変化や生活の変化に戸惑い、悲しくなったり不安になったりすることは自然なことです。もし「生きていても仕方がない」という気持ちが続く場合は、ひとりで抱えずに、医師や看護師、家族に話してください。日本では専門の相談電話や精神科・心療内科を受診する方法もあります。
予防
イレオストミー自体は病気を治すための手術の結果なので、予防するものではありません。しかし、正しい自己ケアと定期検診によって、皮膚トラブルやストーマの合併症はかなり予防できます。
ワクチン
手術後は感染症にかかりやすくなることがあります。インフルエンザや肺炎球菌などの予防接種は、時期や種類を医師と相談して決めましょう。
検診プログラム
もとの病気の再発や新たな合併症を早期に見つけるため、定期的な通院と、血液検査・画像検査などのフォローアップは大切です。
合併症
治療しない場合
- ストーマ周囲の皮膚がびらんや潰瘍になって強い痛みを伴う
- ストーマが狭くなり、便が通らなくなる(狭窄)
- ストーマが体から飛び出す(脱出)や、へこんでしまう
- 腸がふさがって腸閉塞を起こす
長期的な見通し
イレオストミーがあっても、正しいケアと装具を使うことで、仕事や家事、旅行、趣味など、ほとんどの活動を楽しむことができます。多くの人はストーマと上手につき合いながら、豊かな生活を送っています。悩んだときは専門家や仲間の力を借りれば、解決できる道があります。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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