免疫療法の副作用と、その上手な付き合い方
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
免疫療法は、体の免疫(ばい菌や異常な細胞と戦う力)を利用してがんを治療する方法です。この治療では、免疫ががん細胞を攻撃する力を強めますが、その反応が正常な臓器にも向かってしまうことがあり、これが「副作用」です。多くの副作用は、炎症のような反応として現れます。
重要な事実
- 副作用は治療開始から数週間~数か月後に出ることがあります
- 症状は皮膚・腸・肺・甲状腺など、全身のさまざまな場所に現れます
- 多くの副作用は、早めに医療者へ伝えることで上手にコントロールできます
免疫療法を受ける方の多くに、何らかの副作用が現れます。ただし、症状の種類やつらさは人によって大きく異なります。
がんの治療で免疫療法を受けているすべての方に起こり得ます。子どもでは症状が違うことがあり、高齢の方ではだるさが強く出る傾向があります。
症状
- 急な息苦しさや呼吸困難
- 胸の強い痛み
- 意識がもうろうとする
- 激しい腹痛
- 高熱が続く
- ⚠水のような下痢が何度も続く
- ⚠皮膚の広い範囲に発疹や水ぶくれが出る
- ⚠目や皮膚が黄色くなる
- ⚠手足のしびれが急に悪化する
- ⚠免疫療法の注射を受けた日の寒気や発熱
一般的な症状
- だるさ(疲労感)
- 皮膚のかゆみや発疹
- 食欲がない
- 関節や筋肉の痛み
子供の症状
- 吐き気や嘔吐
- 皮膚の発疹
- 強いだるさ
高齢者の症状
- だるさが出やすく、回復に時間がかかる
- 体力が落ちやすい
- 持病の症状と副作用の区別が難しいことがある
原因
主な原因
- 免疫療法の薬が、がん細胞だけでなく正常な細胞(皮膚、腸、肺、肝臓など)を誤って攻撃してしまうため
- 免疫の反応が強くなりすぎてしまうため
リスク要因
- 免疫療法の種類によって、起こりやすい副作用が異なる
- もともと自己免疫疾患(関節リウマチや潰瘍性大腸炎など)がある方
- ほかのがん治療(抗がん剤や放射線治療など)と併用している場合
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状が現れた場合は、すぐに救急車(電話119)を呼んでください
- 治療チームにすぐ連絡する必要がある場合:持続する下痢、発疹、息苦しさ、38度以上の発熱など
定期受診を予約すべき場合:
- 新しい症状が少しでも出たら、次の受診日を待たずに医師や看護師へ連絡してください
- 気になる症状がどのくらい続いたら受診すべきか、治療開始時に確認しておきましょう
診断
医師が問診と診察を行い、症状の現れ方や治療の時期から、免疫療法による副作用かどうかを評価します。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(肝機能・腎機能・甲状腺機能などのチェック)
- 必要に応じてCTやレントゲンなどの画像検査
- 皮膚の症状が強い場合は皮膚科とも連携して診察
診察で予想されること
診察では、いつからどんな症状があるかをメモしておくとスムーズです。副作用の程度に合わせて、治療を調整したり、症状を抑える薬が検討されます。自己判断で治療を休んだりやめたりせず、必ず医師と相談しましょう。
治療
免疫療法の副作用は、程度に応じて治療の休止や延期、症状を抑える薬などで対応します。安全に治療を続けるためにも、医療者の指示を守ることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 皮膚を清潔に保ち、刺激の少ない保湿剤を使う
- かゆいときはひっかかず、冷やすか医療者に相談する
- 下痢のときは水分をこまめにとり、消化の良い食事を心がける
- 十分な休息と睡眠をとり、無理をしすぎない
医療治療
症状に合わせ、炎症を抑える薬(ステロイド薬など)や、下痢・吐き気・発疹などの症状を和らげる薬が使われることがあります。これらは医師の判断のもとで処方されます。治療内容の変更は必ず医師と相談して決めます。
手術が検討される場合
免疫療法の副作用に対して手術が使われることはほとんどありません。かかりつけの治療チームとの相談が最優先です。
この病気と共に生きる
副作用の変化を日記やメモに記録し、受診時に医師や看護師に見せましょう。体調のよい日と悪い日の波を理解し、無理せず生活のペースを調整することが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 無理のない範囲で軽い運動や散歩を取り入れる
- 日差しを避け、帽子や日焼け止めで肌を守る
- 感染症が流行する時期は、手洗いやマスクなどで予防する
- 喫煙や過度な飲酒は避ける
食事と運動
主治医や管理栄養士に相談しながら、栄養バランスのよい食事を意識しましょう。吐き気があるときは、一度にたくさん食べず、食事を小分けにすると食べやすくなります。軽い運動は体調が良いときに少しだけ行う程度がおすすめです。
精神的健康と心の健康
がん治療の副作用は、体だけでなく心にも影響を与えます。不安や悲しみ、いらだちを感じるのは自然なことです。つらい気持ちを家族や友人、医療者に話したり、がん相談支援センターを利用したりして、ひとりで抱え込まないでください。
予防
免疫療法の副作用を完全に防ぐことは難しいですが、症状を早期に医師へ伝えることで、重症化や緊急事態を防ぐことができます。
ワクチン
免疫療法中はワクチン接種が必要かどうか、必ず主治医に確認してください。特に水ぼうそうなどの生ワクチンは、治療中は接種を控えることがあります。
検診プログラム
定期受診時の血液検査や画像検査は、無症状のうちに臓器の変化を見つけるために大切です。受診予定を守りましょう。
合併症
治療しない場合
- 重度の腸の炎症(大腸炎)による強い下痢や血便
- 肺の炎症(間質性肺炎)による息苦しさやせき
- 肝臓の炎症(肝炎)や腎障害などの臓器障害
- 糖尿病や甲状腺機能の異常が持続する可能性
長期的な見通し
免疫療法の副作用は、多くが適切な対応によって改善します。治療を続けながら通院で管理できる場合がほとんどです。何かあっても必ず相談できる場所があることを忘れず、希望を持って治療に向き合いましょう。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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