高齢者の不眠症 – よく眠れないときの対処法
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
不眠症(ふみんしょう)とは、夜に十分な時間眠る機会があるにもかかわらず、なかなか眠れなかったり、途中で何度も目が覚めたり、朝早く目が覚めてしまったりする状態をいいます。その結果、昼間に眠気や疲れ、集中力の低下などが起こります。
重要な事実
- 高齢者では約50%の人が何らかの不眠の悩みを抱えていると言われています。
- 不眠は病気のサインであることもあります。必ず医師に相談しましょう。
- 生活習慣の見直しだけで改善することも多いです。
はい。加齢とともに睡眠のリズムが変わり、眠りが浅くなりやすいため、高齢者では非常に多く見られます。
主に65歳以上の方に多く見られますが、特に女性や、持病がある方、ストレスの多い生活を送っている方に起こりやすいです。
症状
- 突然激しい頭痛や胸の痛み、息苦しさを伴って眠れない
- 言葉がうまく話せない、体の片側が動かないなど、脳卒中の症状がある場合はすぐに119番(救急車)を呼んでください
- ⚠不眠に加えて、強い不安や落ち込み、自分を傷つけたい気持ちがある
- ⚠眠れないことが続き、日常生活が大きく乱れている
一般的な症状
- 寝つきが悪い(30分以上眠れない)
- 夜中に何度も目が覚める
- 朝早く目が覚めてしまい、その後眠れない
- 睡眠時間は十分でも熟睡した感じがしない
- 昼間に強い眠気や疲れ、イライラがある
子供の症状
- 子どもでは不眠よりも夜泣きや夜驚症などが多く、高齢者とは症状が異なります。
高齢者の症状
- 夜中にトイレに起きる回数が増えること(夜間頻尿)が睡眠を妨げることが多いです。
- 痛みや病気の症状(関節痛、せき、息苦しさなど)のために眠れないことがあります。
- 薬の影響で眠りが浅くなることがあります。
- 昼間にうたた寝が増えると、夜の睡眠がさらに悪化しやすくなります。
原因
主な原因
- 加齢による体内時計(サーカディアンリズム)の変化
- 心配事やストレス(家族や健康、経済的な悩みなど)
- 病気による痛みや不快感(腰痛、関節炎、呼吸器疾患など)
- 薬の副作用(利尿薬、ステロイド、一部の血圧薬など)
- カフェインやアルコールの摂取(特に夕方以降)
- 寝室の環境(明るすぎる、うるさい、暑すぎる・寒すぎるなど)
リスク要因
- 高齢(特に75歳以上)
- 慢性的な病気(心臓病、糖尿病、認知症など)
- 精神的な不調(うつ病、不安症)
- 運動不足
- 昼間の長時間の昼寝
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 不眠が原因で事故に遭いそうになった(転倒、火の不始末など)
- 自分を傷つける考えがある
定期受診を予約すべき場合:
- 不眠が2週間以上続いている
- 昼間の眠気で日常生活に支障が出ている
- 睡眠以外にも気になる症状(体重減少、痛み、動悸など)がある
診断
医師があなたの睡眠の様子や生活習慣、持病、服用中の薬などを詳しく聞きます。必要に応じて睡眠日誌(ねむりの記録)をつけてもらうこともあります。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状や生活習慣についての質問)
- 睡眠日誌(1〜2週間の睡眠パターンを記録)
- アクチグラフ(手首につける小型の測定器で睡眠・覚醒のリズムを調べる)
- 必要に応じて血液検査や睡眠時無呼吸の検査を行うこともあります
診察で予想されること
診察はリラックスした雰囲気で行われます。特別な準備は必要ありませんが、普段服用している薬の一覧や、睡眠の状態をメモして持っていくとスムーズです。
治療
不眠の治療は、まず薬を使わない方法(認知行動療法や生活習慣の改善)を中心に行います。それでも効果が不十分な場合に、医師の指導のもとで睡眠薬を短期間使用することがあります。
自宅でのセルフケア
- 毎日同じ時間に起床する(休日も同じリズムを保つ)
- 昼寝は30分以内にし、夕方以降は避ける
- 寝室を暗く、静かに、適温(18〜22℃程度)に保つ
- 夕方以降のカフェイン(コーヒー、緑茶など)やアルコール、喫煙を控える
- 寝る前にリラックスする習慣をつける(読書、軽いストレッチ、ぬるめの入浴)
- 寝床で長く起きていず、眠くなってから布団に入る
医療治療
医師は薬を使わない治療をまず勧めます。どうしても必要な場合は、依存性が少なく安全な睡眠導入剤を、最小限の量・期間で処方することがあります。自分で市販の睡眠薬を長期間使うのは避け、必ず医師に相談してください。
この病気と共に生きる
不眠があっても、規則正しい生活を続けることが大切です。昼間に活動的に過ごし、夜はリラックスして寝る準備をしましょう。睡眠がうまくいかない夜があっても、焦らずに翌日はいつも通りに起きるよう心がけてください。
生活習慣のアドバイス
- 毎日15〜30分程度の散歩や軽い運動を習慣にする(夕方までに行う)
- 日光を浴びることで体内時計が整いやすくなります
- 寝る前のスマートフォンやテレビは避け、画面の光を減らす
- 寝酒はかえって睡眠を浅くするため避ける
食事と運動
バランスの良い食事を規則正しくとりましょう。特にトリプトファン(睡眠を促す物質のもと)を含む乳製品、大豆製品、バナナなどを夕食に取り入れると良いと言われています。激しい運動は寝る前には避け、軽いストレッチやヨガがおすすめです。
精神的健康と心の健康
眠れないことで「眠らなくては」という焦りや不安が生まれ、それがさらに不眠を悪化させることがあります。また、不眠はうつ病などのリスクを高めることも知られています。気分の落ち込みが続く場合は、必ず医師に相談してください。
予防
加齢による変化を完全に防ぐことはできませんが、規則正しい生活習慣とストレス管理によって不眠になりにくくすることは可能です。
合併症
治療しない場合
- 転倒や骨折のリスクが高まる
- 認知機能の低下(物忘れや集中力の低下)
- 高血圧や心臓病の悪化
- うつ病の発症リスクが上がる
- 免疫力の低下(風邪をひきやすくなる)
長期的な見通し
不眠は適切に対処すれば、多くの方で改善します。生活習慣の見直しや医師のサポートによって、良質な睡眠を取り戻すことは十分に可能です。あきらめずに一歩ずつ取り組んでいきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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