Iron deficiency anaemia
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
鉄欠乏性貧血とは、体に必要な鉄が足りず、赤血球が十分に作れなくなる状態です。赤血球は体中に酸素を運ぶ大切な役割をしています。鉄が不足すると、酸素が十分に運ばれず、疲れやすくなったり、息切れがしたりします。
重要な事実
- 鉄欠乏性貧血は世界で最も多い貧血の種類です。
- 鉄は赤血球の中のヘモグロビンというたんぱく質を作るのに欠かせません。
- 日本人女性の約10~20%が鉄不足の状態にあると言われています(厚生労働省の調査による)。
- 治療すればほとんどの場合、数週間で改善します。
はい、鉄欠乏性貧血は非常に一般的な病気です。特に女性や子どもに多く見られます。
月経のある女性、妊娠中の女性、成長期の子ども、高齢者、ベジタリアンや食事の偏った人、消化器の病気を持つ人に多く見られます。
症状
- 急な胸の痛みや強い動悸がある
- 急に息ができなくなる
- 意識を失った
- 大量出血がある
- ⚠数日以上続くひどい疲労感やめまい
- ⚠安静にしても息切れが治らない
- ⚠黒いタールのような便や血便が出る
- ⚠月経以外の出血が見られる
一般的な症状
- 疲れやすくなる
- 顔色が青白い(貧血顔)
- 息切れや動悸
- めまいや立ちくらみ
- 集中力の低下
- 爪がもろくなる、スプーン状にへこむ
子供の症状
- 機嫌が悪い、イライラする
- 遊びたがらない、元気がない
- 食欲がない
- 成長が遅いと感じる
高齢者の症状
- 転びやすくなる
- 認知機能の低下のように見えることがある(ぼんやりする、忘れっぽい)
- 心不全の悪化
- 脚のむくみ
原因
主な原因
- 出血による鉄の喪失(月経過多、消化管出血、痔など)
- 鉄の摂取不足(偏った食事、ベジタリアン、ダイエットなど)
- 鉄の吸収障害(胃の手術後、セリアック病など)
- 鉄の需要増加(妊娠、成長期、激しいスポーツ)
リスク要因
- 女性(特に月経量が多い人)
- 妊娠中・授乳中
- 幼児や思春期の子ども
- 慢性疾患(腎不全、炎症性腸疾患など)
- 胃の手術歴
- 非ステロイド性抗炎症薬(痛み止め)の常用
- 菜食主義
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 強い疲労や息切れで日常生活が難しい
- 意識がもうろうとする
- 黒い便や血便がある
- 大量の出血がある
定期受診を予約すべき場合:
- 疲れやすい、顔色が悪い、めまいが続く
- 月経の量が多いと感じる
- 健康診断で貧血を指摘された
- 妊娠がわかったら早めに
診断
医師が問診と身体診察を行い、血液検査で貧血の有無と原因を調べます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(血算、ヘモグロビン、血清鉄、フェリチンなど)
- 場合によっては便潜血検査(消化管出血の有無)
- 必要に応じて内視鏡検査(胃カメラや大腸カメラ)
診察で予想されること
採血は腕から少量の血液を取るだけです。結果は数日でわかります。医師はあなたの症状や生活習慣、食事についても詳しく聞きます。
治療
治療の基本は、鉄分を補うことと、貧血の原因に対処することです。多くの場合、経口の鉄剤(飲み薬)が処方されます。治療は数週間から数ヶ月続きます。
自宅でのセルフケア
- 鉄分を多く含む食品をとる(レバー、赤身の肉、小松菜、ひじき、大豆製品など)
- ビタミンC(柑橘類、ピーマンなど)を一緒にとることで鉄の吸収がアップする
- 食事の際に緑茶やコーヒーを控える(タンニンが鉄の吸収を妨げる)
- カルシウムを多く含む食事(牛乳など)は鉄の吸収を妨げるため、鉄剤を飲む時間とずらす
医療治療
医師の指導のもと、鉄剤(経口薬)を服用します。重症の場合や経口薬が効かない場合は、鉄剤の点滴治療を行うこともあります。鉄欠乏の原因が出血などにある場合は、その原因の治療も並行して行います。
手術が検討される場合
貧血の原因が消化管のポリープや潰瘍、腫瘍など手術が必要な病気の場合、手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
治療中はこまめに休憩を取り、無理をしないようにしてください。症状が改善しても、医師の指示に従って薬を続けることが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 十分な睡眠と休息をとる
- ストレスをためすぎない
- 喫煙は控える(酸素運搬に悪影響)
- 激しい運動は避け、軽いウォーキングなどから始める
食事と運動
バランスの良い食事を心がけ、鉄分の多い食品を積極的にとりましょう。軽い運動(散歩など)は血行を良くし、体調改善に役立ちます。ただし、疲れが強いときは無理をしないでください。
精神的健康と心の健康
貧血による倦怠感や集中力の低下は、気分の落ち込みや不安につながることがあります。「ただの疲れ」と思わずに、周囲に相談したり、医師に気持ちを伝えましょう。つらい気持ちが続くときは、こころの健康相談窓口(厚生労働省)などに連絡することも選択肢です。
予防
多くの場合、予防や早期発見が可能です。特にリスクの高い人は定期的な血液検査とバランスの良い食事が大切です。
ワクチン
省略
検診プログラム
健康診断や人間ドックの血液検査で貧血の有無をチェックできます。妊娠の予定がある女性は、事前に貧血の確認をしておくと安心です。
合併症
治療しない場合
- 慢性的な疲労や集中力低下で仕事や学業に支障が出る
- 免疫力が下がり感染症にかかりやすくなる
- 妊娠中の貧血は早産や低出生体重児のリスクを高める
- 心臓に負担がかかり、心不全を引き起こすことがある
長期的な見通し
鉄欠乏性貧血は適切に治療すれば、ほとんどの場合数週間で症状が改善し、完全に治ります。原因が解消されれば再発も防げます。心配なことがあれば、必ず医師に相談してください。
サポートを探す
地域の団体
- 厚生労働省 貧血に関する情報 · 日本
- 日本血液学会 患者向け情報 · 日本
相談窓口
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月17日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。