Lactose intolerance living in children
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ラクトース不耐症(らくとーすふたいしょう)とは、牛乳などに含まれる乳糖(にゅうとう)という糖をうまく消化できない体質のことです。乳糖を分解する「ラクターゼ」という酵素が足りないために、おなかの中でガスや水分が増えて、様々な不快な症状が出ます。
重要な事実
- ラクトース不耐症は牛乳アレルギーとは異なります。アレルギーは免疫の反応ですが、不耐症は消化の問題です。
- 日本人を含むアジア人に多く見られる体質で、成長とともにラクターゼの働きが弱まることが原因です。
- 完全に治すことはできませんが、症状を上手にコントロールして、普通の生活を送ることができます。
はい、とてもよくある体質です。特に日本人では、大人の約70~90%がラクトース不耐症の傾向があると言われています。子どもでも、年齢が上がるにつれて症状が出てくることがあります。
主に年長児(5歳以上)や思春期の子どもに多く見られます。乳幼児でラクトース不耐症になることはまれで、その場合は遺伝性の病気や腸の感染症が関係していることがあります。
症状
- 激しいおなかの痛みで動けない
- 血便が出た
- 意識がぼんやりする、呼びかけに答えない
- ⚠下痢が止まらず、水分も取れない
- ⚠おなかの痛みが強く、1時間以上続く
- ⚠何度も嘔吐(おうと)する
一般的な症状
- おなかが張る、ゴロゴロ鳴る
- おなかの痛みやけいれん
- 下痢(水っぽい便)
- げっぷやおならが増える
子供の症状
- 牛乳を飲んだ後、30分~2時間以内に症状が出る
- おなかが痛いと訴えることが多い
- 排便の回数が増え、便がゆるくなる
- 症状が続くと、食欲が落ちて体重が増えにくくなることもある
高齢者の症状
- 高齢者では、もともとラクターゼの働きが弱っているため、少しの乳糖でも症状が出やすい
- 下痢による脱水に注意が必要
- 骨粗しょう症予防のためのカルシウム不足を避ける工夫が必要
原因
主な原因
- ラクターゼという酵素の働きが弱い:生まれつき(まれ)か、加齢によって減少する
- 腸の感染症や炎症(胃腸炎など)で一時的にラクターゼが減る:一時的な二次性ラクトース不耐症
- 小腸の病気(クローン病など)でラクターゼが不足する
リスク要因
- 日本人を含む東アジア、アフリカ系の人種
- 年齢が上がること(特に5歳以降)
- 胃腸炎にかかった後
- 家族にラクトース不耐症の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 下痢や嘔吐が激しく、水分が取れない
- 激しい腹痛が続く
- 血便や黒い便が出た
定期受診を予約すべき場合:
- 牛乳を飲むと決まっておなかの症状が出る
- 子どもの成長(体重増加)が気になる
- 食事の工夫だけでは症状が改善しない
診断
診断は主に症状の経過と、牛乳を抜いたときの変化を見ること(除去試験)で行われます。必要に応じて、呼気(こき)水素試験や遺伝子検査が行われることもあります。
行われる可能性のある検査
- 除去試験:2週間ほど牛乳や乳製品を完全にやめて症状が改善するか確認する
- 呼気水素試験:乳糖を飲んだ後に息に含まれる水素の量を測る
- 遺伝子検査(血液や唾液):ラクターゼの遺伝子型を調べる(日本ではあまり一般的ではありません)
診察で予想されること
診断は特別な準備は必要ありませんが、腸の状態によって結果が変わることがあるため、医師の指示に従って検査を受けてください。
治療
ラクトース不耐症を根本的に治す治療法はありませんが、症状をうまくコントロールすることができます。食事の工夫や、必要に応じてラクターゼ補助薬(酵素のサプリメント)を使うことで、普通の生活を送ることができます。
自宅でのセルフケア
- 牛乳の代わりに、ラクトースフリーの牛乳や豆乳、アーモンドミルクなどを試す
- ヨーグルトやチーズなど、乳糖が少ない乳製品は少量なら食べられることがある
- 食事の際にラクターゼ補助薬(酵素のサプリメント)を乳製品と一緒に摂る(医師または薬剤師に相談する)
- 一度にたくさんの乳製品を食べない、食べるときは少量ずつ
医療治療
医師の指導のもと、ラクターゼ補助薬(酵素を補うサプリメント)を乳製品と一緒に使うことがあります。また、ビタミンDやカルシウムの不足を補うためのサプリメントが勧められることもあります。薬の名前や用量は医師の指示に従ってください。
この病気と共に生きる
ラクトース不耐症と上手に付き合うためには、自分の体に合った乳糖の量を知ることが大切です。症状が出たときは、その日のうちは乳製品を控え、水分をしっかり取りましょう。学校や外食では、あらかじめ食事の内容を確認する習慣をつけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 食事日記をつけて、どの乳製品・どのくらいの量なら大丈夫かを把握する
- 外食時は「牛乳を使っていないか」「乳糖が含まれていないか」を店員に聞く
- ラクトースフリー製品や植物性ミルクを常備しておく
- おなかの調子が悪いときは無理せず、休む
食事と運動
カルシウムを十分に摂ることが大切です。小魚、豆腐、青菜(ほうれん草、小松菜)、ラクトースフリーの牛乳などで補いましょう。運動は普通に楽しんで構いません。おなかの症状を起こさないように、運動前に乳製品を控えるなど工夫してください。
精神的健康と心の健康
ラクトース不耐症は付き合い方次第でコントロールできるため、大きな心理的負担にはなりませんが、食事の制限に疲れることもあります。特に子どもは「みんなと違う」と感じることがあるので、家族や学校の先生と話し合い、理解してもらうことが大切です。もし気分が落ち込んだり不安が強い場合は、遠慮なく医師や学校のカウンセラーに相談してください。
予防
ラクトース不耐症そのものを予防することはできません。しかし、症状が出たときに上手に対処することで、生活の質を保つことができます。
合併症
治療しない場合
- 慢性的な下痢による栄養不足や脱水
- カルシウム不足による骨密度の低下(骨粗しょう症のリスク)
- 子どもの体重増加不良や発育の遅れ
長期的な見通し
ラクトース不耐症は怖い病気ではありません。適切な食事の工夫と、必要に応じた医療のサポートで、多くの子どもは普通に成長し、学校生活を楽しめます。症状は年齢とともに変わることもあるので、定期的に医師のフォローを受けることをおすすめします。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月20日
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