妊娠中の白血病:治療の流れとサポート
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
白血病(はっけつびょう)とは、血液をつくる細胞ががん化する病気です。妊娠中に白血病が見つかることはまれですが、母体と赤ちゃんの両方を守るために、専門医による治療が必要です。治療は妊娠週数や白血病の種類に応じて計画されます。
重要な事実
- 妊娠中の白血病はとてもまれですが、治療できる病気です。
- 治療は、母体の健康と赤ちゃんの発育の両方を考えて行われます。
- 産科医と血液内科医が連携して、最善の治療方針を話し合います。
妊娠中の白血病は非常にまれです。大きな病院でも、何年かに一人出会うかどうかといわれています。
妊娠中の女性なら誰でも可能性はあります。白血病の一部の種類は若い世代に多いため、妊娠中に診断されることがあります。
症状
- 高熱が続き、ぐったりする
- 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しない
- 大量の出血がある(鼻血が止まらない、歯ぐきから血が止まらないなど)
- 激しい頭痛、けいれん
- ⚠ひどい息切れが続く
- ⚠あざや出血の数が急に増える
- ⚠強いだるさや動悸が続き、日常生活が難しい
- ⚠原因不明の高熱が続く
一般的な症状
- 疲れやすい、だるい
- 顔色が悪い、息切れ
- 熱が出る、感染を繰り返す
- あざができやすい、出血しやすい
- 骨や関節の痛み
子供の症状
- この記事は妊娠中の方についての説明です。小児の白血病については、かかりつけの小児科医に相談してください。
高齢者の症状
- 高齢者の白血病は症状の現れ方や治療の考え方が妊婦の場合とは異なります。詳しくは担当の医師にご相談ください。
原因
主な原因
- 白血病の正確な原因はまだわかっていません。
- 血液をつくる細胞の遺伝子に変化が起こることが関係していると考えられています。
- 妊娠が白血病の原因になることはありません。
リスク要因
- 大量の放射線を浴びたこと
- ベンゼンなど一部の化学物質への長期間の曝露
- 一部の遺伝性の病気
- ただし、多くの患者さんにはっきりとした原因が見つかりません。
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合は、すぐに119番に電話して救急車を呼んでください。
- 妊娠中でなくても、意識障害や大量出血は緊急です。
定期受診を予約すべき場合:
- 妊娠中の定期健診で血液検査の異常を指摘された場合
- 症状が続いていて心配な場合
- 家族に血液のがんの人がいるなど、気になることがある場合
診断
採血で白血球や赤血球、血小板の異常が見つかった場合、さらに詳しい検査を行います。骨髄(こつずい)に針を刺して細胞を調べる「骨髄検査」で確定診断が行われます。
行われる可能性のある検査
- 血液検査(白血球や血小板の数を調べる)
- 骨髄検査(骨の中心にある骨髄液を調べる)
- 染色体や遺伝子の検査
- 超音波検査やレントゲン検査など、赤ちゃんの状態や病状を確認する検査
診察で予想されること
産科と血液内科の医師が協力して、赤ちゃんへの影響を考えながら検査を行います。検査や治療について、時間をかけて説明を受けられます。どのような検査でも、目的や危険性を理解したうえで受けることが大切です。
治療
治療は白血病の種類、進行度、妊娠週数によって異なります。日本では厚生労働省の指針や学会のガイドラインを参考に、産科と血液内科の医師が連携して最善の治療方針を話し合います。妊娠初期は赤ちゃんの臓器が形成される時期のため、治療の選択が難しいことがあります。医師は母体の命を守ることを最優先に、赤ちゃんへの影響を最小限にする治療を考えます。
自宅でのセルフケア
- 感染予防に努める(手洗い、うがい、人混みを避ける)
- 疲れたら休む。無理をしない
- バランスの良い食事を心がける
- 体調の変化をすぐに医師や助産師に伝える
医療治療
主な治療法は化学療法(抗がん剤による治療)です。ただし、使用する薬剤は患者さんの状態や妊娠週数に合わせて、慎重に種類と量が選ばれます。妊娠後期まで治療を待ち、出産後に本格的な治療を行うこともあります。また、場合によっては放射線療法や造血幹細胞移植(血液を作る細胞を移植する治療)が検討されますが、妊娠中の放射線治療は原則として避けられます。赤ちゃんの状態を確認するための検査を定期的に行いながら、治療を進めます。
手術が検討される場合
妊娠中に白血病そのものを手術で治療することはありません。ただし、赤ちゃんが危険な状態になった場合や、治療の方針によって、帝王切開での出産となることがあります。
この病気と共に生きる
治療中は、免疫力が下がっていたり、疲れやすくなったりすることがあります。家族や周囲の人の助けを借りながら、ゆったりと過ごすことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活と十分な睡眠
- 感染症を避けるための行動(マスク着用、手洗い)
- 禁煙、アルコールを控える
- 医師に相談したうえで、体調に合わせた運動を行う
食事と運動
食事は、加熱したものを中心に、新鮮で安全なものを選びましょう。生ものや火の通っていないものは感染のリスクがあるため避けるのが安心です。運動は散歩など軽いもので、体調がよいときに医師の許可を得て行ってください。
精神的健康と心の健康
妊娠中のがん治療は、不安やストレスが大きくなるのは自然なことです。感情の変化や睡眠の問題があっても、あなたのせいではありません。ひとりで抱え込まずに、助産師、心理士、ソーシャルワーカーなどに話してください。
予防
白血病は現時点では予防できる病気ではありません。妊娠中に何かをしたりしなかったりしたからといって、白血病を防げるわけではありません。
ワクチン
妊娠中のワクチン接種は医師と相談して行います。白血病治療中は、免疫力が低下しているため生ワクチン(感染する力の弱い病原体を使ったワクチン)を避けることがあります。
検診プログラム
白血病を早期に見つけるための特別な検査はありません。ただし、妊娠中の定期健診で血液検査が行われるため、血液の異常がきっかけで見つかることがあります。
合併症
治療しない場合
- 感染症にかかりやすくなり、重くなる(敗血症など)
- 出血が止まりにくくなり、重度の出血を起こすことがある
- 貧血が進行して、息切れや動悸がひどくなる
- 母体の状態が悪くなると、赤ちゃんの発育や安全にも影響が出ることがある
長期的な見通し
妊娠中の白血病は難しい状況ですが、産科と血液内科が連携し、母体の命と赤ちゃんの安全を両立させるための治療が進められています。近年、治療の成績は改善しており、希望を持って治療に臨める時代になってきています。あなたの状況に合った選択肢を、医師とゆっくり話し合ってください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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