もしものときに備える「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)とは、将来、自分の気持ちを伝えられなくなったときにどう過ごしたいかを、前もって家族や医療チームと話し合い、共有しておくことです。特別な病気の名前ではなく、誰もが安心して人生を送るための準備です。
重要な事実
- ACPは『人生会議』とも呼ばれ、自分の思いを紙に書いたり、伝えたりすることです。
- ACPを行うと、いざというときに希望に沿ったケアを受けやすくなります。
- 話し合いは一度きりではなく、何度でも見直すことができます。
- 家族との話し合いだけでも十分で、難しい医療知識は必要ありません。
近年、日本では厚生労働省がACPの普及をすすめています。特別な人だけの話ではなく、高齢者だけでなく、若い人や元気な人にも大切な準備として広まりつつあります。
ACPは、すべての人が関わるものです。特に、高齢の方、慢性の病気がある方、大きな手術を受ける予定の方、そしてその家族にとって、とても役立つ内容です。
症状
- 突然の胸の痛みや呼吸困難、意識を失うなど、生命に危険がある場合は、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
- 大量の出血やろれつが回らないなど、脳卒中が疑われる症状がある場合も直ちに119番へ連絡してください。
- ⚠高熱が続く、強い頭痛、おなかの痛みなど、救急外来が望ましい場合は、お近くの救急医療機関に電話で相談しましょう。
- ⚠普段と大きく違う体調不良があり、どうしたらよいか迷う場合は、かかりつけ医か地域の夜間・休日診療所に連絡してください。
一般的な症状
- 重い病気と診断されて、将来の治療やケアについて考えるようになった
- 入院や手術の機会をきっかけに、自分の思いを伝えておきたいと思った
- 年に1回の健康診断で、健康管理について見直す機会があった
- 親や身近な人が亡くなり、自分自身の終末期について考えるようになった
子供の症状
- 子ども自身が重い病気や障害を抱えていて、親が子どもの将来のケアについて話し合うことがある
- 思春期の子どもが、自分の治療方針について意見を持っている場合に、家族で話し合うことがある
高齢者の症状
- 物忘れや判断力の低下を自覚し、自分の希望を早めに伝えておきたいと感じる
- 持病が増え、将来の生活や医療について不安を持つ
- 介護施設に入居する際に、ケアプランについて家族と話し合う
原因
主な原因
- 歳を重ねることによる体力や健康の変化
- がん・心臓病・認知症など、進行性の病気の診断
- 事故や急な病気で、自分で判断できなくなる可能性を意識したとき
- 家族や友人の死をきっかけに、人生の終わりについて考えるようになったこと
リスク要因
- 高齢になってきた
- 慢性の病気を抱えている
- 大きな手術や入院を経験している
- 家族と医療について話し合う機会が少ない
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 入院や手術の予定が決まったときは、すぐに主治医にACPについて話してみましょう。
- 重い病気と診断されたとき、その場で話すのが難しくても、次の診察の予約を入れて希望を伝える準備をしましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- 健康診断や成人病検診の際に、かかりつけ医に自分の思いを伝えるきっかけを作りましょう。
- 年に一度、知っておいてほしいことを家族と確認し、必要なら医療チームに共有できます。
診断
ACPは診断をするものではなく、話し合いと記録のプロセスです。医療者や家族と、あなたの価値観、望む療養場所、延命治療についての希望などを共有します。
行われる可能性のある検査
- 特別な検査や血液検査はありません。
- 面談や問診を通じて、あなたの思いを一緒に整理します。
- 必要に応じて、リビングウィル(生前の意思表示)などの書式を使うことがあります。
診察で予想されること
かかりつけ医や看護師、ソーシャルワーカーと数回に分けて話し合うことがほとんどです。まずは『なにを大切にしているか』『どのように過ごしたいか』をゆっくり話すことから始まります。すぐに結論を出す必要はありません。
治療
ACPは『治療』というより、将来の医療とケアについての話し合いです。治療方針を決める前に、あなたの希望を共有し、医療者と家族がそれに沿って行動できるように準備します。
自宅でのセルフケア
- 自分の大切なことや価値観をノートに書き出してみる
- 信頼できる家族や友人と、ざっくばらんに将来の話をする
- 本人の希望を記録する『もしものときのノート』を活用する
- 健康なうちに、延命治療についての考えを整理しておく
医療治療
医療者は、あなたの希望を基に、延命治療(人工呼吸器や胃ろうなど)の選択肢について、利益と負担を説明します。特定の薬剤名や処方の提案はここでは行いません。医学的に適切な治療は、あなたの価値観と病状を合わせて、医師と共同で決定します。
手術が検討される場合
手術の前には、主治医から手術の目的やリスクについて説明があります。その際に、もし術後合併症で意識が戻らない場合など、どんな医療を望むかを伝えておくと安心です。
この病気と共に生きる
ACPは、日々の生活の中で時々思い出しながら続けるものです。一度書いたら終わりではなく、健康状態や気持ちの変化に合わせて見直しましょう。日常の中で、将来を考えるのは、時に不安になることもありますが、自分らしさを保つ手助けになります。
生活習慣のアドバイス
- 家族との時間を大切にし、思いを共有する
- 地域の交流サロンや公民館の集まりに参加する
- 日記や手帳で、自分の気持ちを文字にする習慣を持つ
食事と運動
バランスのよい食事と、無理のない運動は、元気な状態を保つために大切です。体調が良いときほど、ACPの話をしやすいもの。毎日の生活習慣を整えることは、将来の選択肢を広げることにもつながります。
精神的健康と心の健康
将来のこと、特に自分が弱ってしまった姿を想像すると、不安や悲しみを感じるかもしれません。それは自然な感情です。無理に前向きにならず、話し合うことで気持ちが楽になることもあります。心がつらい時は、ひとりで抱え込まずに、医師や看護師、精神保健の専門家に相談しましょう。
予防
ACPは病気を予防するものではありませんが、将来の混乱や後悔を防ぐ効果が期待できます。元気なうちから始めれば、急な病気や状態の変化があっても、あなたの希望を大切にすることができます。
ワクチン
感染症を予防するワクチン接種は、健康を維持する手段の一つですが、ACPとは直接関係ありません。
検診プログラム
がん検診などの定期検診は、早期発見・早期治療につながります。健康状態を知ることは、ACPの話し合いの質を高める助けになります。
合併症
治療しない場合
- もしものときに自分の思いが伝わらず、望んでいない医療行為が行われる可能性がある
- 家族が『どうするのが本人のためか』と大きな判断を迫られ、精神的負担を感じる
- 医療者と家族との間で、治療方針をめぐって意見の食い違いが起こることがある
長期的な見通し
ACPを早めに始めることで、将来への不安が減り、家族や医療者との信頼関係が深まります。たとえ病気が進行しても、あなたの希望が尊重される可能性が高まります。人生の終わりを穏やかに、そして自分らしく過ごすための強い助けになります。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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