選択的IgA欠損症とともに生きる
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
選択的IgA欠損症(せんたくてきアイジーエーけっそんしょう)は、体を守る免疫の一部であるIgA(免疫グロブリンA)という抗体が血液や粘膜で極端に少ないか、ほとんどない状態をいいます。他の免疫の働きは通常保たれているため、多くの方は特別な症状がなく生活しています。
重要な事実
- IgAという抗体が少ないだけで、多くの方は無症状です。
- 健康診断などの血液検査で偶然見つかることが多いです。
- 感染症やアレルギーなどの症状があれば、それに合わせた治療を行います。
選択的IgA欠損症は、世界で最も多い原発性免疫不全症の一種です。西洋人では500人から600人に1人と報告されていますが、日本人ではもう少し少ないと考えられています。
乳幼児から成人まで幅広い年齢で見られますが、診断されるのは思春期から成人になってからのことが多いです。男性にも女性にもほぼ同じ頻度で見られます。
症状
- 呼吸が苦しい
- 意識がもうろうとする
- 高熱が続く
- アナフィラキシーの兆候(じんましん、息苦しさ、血圧低下など)
- 輸血後に突然の悪寒や発熱、ショック症状
- ⚠いつもと違う強いだるさや息苦しさ
- ⚠重症の感染症が疑われる症状(高熱、激しいせき、膿の出る鼻水など)
- ⚠激しい腹痛や下痢が長引く
一般的な症状
- 無症状(ほとんどの方)
- 副鼻腔炎や気管支炎など、呼吸器の感染を繰り返す
- 下痢や腹痛などの胃腸症状
- アレルギー性鼻炎や花粉症、気管支ぜんそく
- 自己免疫疾患(関節リウマチなど)を合併することがある
子供の症状
- かぜや中耳炎、副鼻腔炎を繰り返す
- 食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を合併しやすい
- 発育や成長は通常どおりであることが多い
原因
主な原因
- 正確な原因はまだわかっていません。
- 遺伝的な体質が関与すると考えられています。
- 特定の薬剤やウイルス感染がきっかけとなる報告もあります。
リスク要因
- 家族に選択的IgA欠損症や他の免疫不全症の方がいる
- 自己免疫疾患を持っている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 高熱や呼吸困難など、重症の感染症が疑われるとき
- 輸血後に体調が急変したとき
定期受診を予約すべき場合:
- 感染を繰り返すときは、かかりつけ医にIgA欠損症と伝え、相談する
- 年に1回は血液検査を受けることを検討する
診断
血液中のIgAの値を測定し、他の免疫グロブリンが正常であることを確認して診断します。必要に応じて、他の免疫機能の検査も行われます。
行われる可能性のある検査
- 血液中のIgA値の測定
- 他の免疫グロブリン(IgG、IgM)の測定
- 健康状態を評価するための血液検査(血算、生化学検査)
診察で予想されること
診断には時間がかかることがあります。無症状の場合は偶然見つかることがほとんどです。診断後は、医師と相談しながら、感染予防と必要な治療の方針を決めていきます。
治療
選択的IgA欠損症そのものを治す治療法はありません。無症状の場合は治療は不要で、健康な人と同じ生活ができます。症状がある場合は、その症状に合わせた治療を行います。
自宅でのセルフケア
- 手洗い・うがいなどの感染予防を行う
- 十分な睡眠とバランスの良い食事を心がける
- 感染症が流行する時期は人混みを避ける
- かかりつけ医や歯科医にこの体質を伝えておく
医療治療
感染症にかかった場合は、医師が原因に応じた治療を検討します。細菌感染が疑われる場合は抗菌薬が使われることがありますが、必ず医師の処方に従ってください。予防的に抗菌薬を検討される方もいますが、個人の状況によって異なります。輸血が必要な場合は、IgAを含まない血液製剤を用意するなどの対策がとられます。
手術が検討される場合
通常、この病気自体が手術の直接の理由になることはありません。手術を受ける際には、担当医や麻酔科医にIgA欠損症であることを必ず伝えてください。特に輸血の可能性がある場合は、事前に申告することが大切です。
この病気と共に生きる
日常生活での大きな制限はありません。自分の体調と向き合い、感染が長引くようであれば早めに医療機関を受診することが大切です。周囲にこの病気のことを伝えておくと、理解が得られやすくなります。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活習慣を心がける
- ストレスをためすぎない
- タバコは控え、アルコールは適量にする
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、生ものを食べる際には食中毒に注意しましょう。適度な運動は免疫力を高めるため、無理のない範囲で続けると良いです。
精神的健康と心の健康
自分の体の状態に不安を感じることもあるかもしれませんが、症状がない場合は心配しすぎる必要はありません。もし社会生活に支障が出るような不安があれば、医師や心理カウンセラーに相談してください。
予防
遺伝的な体質が関与するため、この病気自体を予防する方法はありません。しかし、感染症の合併症を予防することは可能です。
ワクチン
一般的なワクチンは接種可能な場合がほとんどですが、生ワクチン(例:麻疹・風疹、水痘など)は接種できない場合があります。必ず医師に相談の上、予防接種を受けてください。
検診プログラム
新生児マススクリーニングには含まれていませんが、家族に免疫不全症の方がいる場合など、必要に応じて血液検査が行われます。
合併症
治療しない場合
- 感染症を繰り返すと、副鼻腔炎や気管支炎が慢性化することがあります
- 輸血時にアレルギー反応を起こすことがあります(事前に申告すれば防げます)
- 一部の方では自己免疫疾患を合併することがあります
長期的な見通し
多くの方は大きな問題なく日常生活を送ることができます。まれに重症化する方もいますが、医師の適切なフォローアップがあれば、予後は良好です。新しい治療法の研究も進んでいます。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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