妊娠中のマラリアからの回復について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
マラリアは、蚊が媒介する感染症です。妊娠中にマラリアにかかると、母体と赤ちゃんの両方に影響が出ることがあります。適切な治療を受けた後の回復期には、体力を戻し、再発を防ぐためのケアが大切です。
重要な事実
- マラリアは感染後も体内に寄生虫が残ることがあり、再発を防ぐために治療の完了が重要です。
- 妊娠中のマラリアは、貧血や胎児の発育遅延につながる可能性があります。
- 適切な治療と休養により、多くの妊婦さんは完全に回復できます。
日本ではマラリアはあまり多くありませんが、海外渡航後に感染することがあります。妊娠中のマラリアは特に注意が必要ですが、早期発見・治療により回復は十分に可能です。
マラリアが流行している地域(アフリカ、東南アジアなど)への渡航歴がある妊婦さんや、その地域に住んでいる妊婦さんがかかるリスクがあります。
症状
- 意識がもうろうとする、またはけいれんがある
- 呼吸が苦しい、または速い
- 濃い色の尿(コーラ色)が出る
- 止血できない出血
- 胎動がいつもより少ない、または感じない
- ⚠高熱(39度以上)が続く
- ⚠激しい頭痛や嘔吐が治まらない
- ⚠お腹の強い痛み
- ⚠異常な出血やおりもの
一般的な症状
- 発熱と悪寒(ふるえ)
- 頭痛や全身の痛み
- 疲れやすさ、だるさ
- 吐き気や嘔吐
- 貧血(めまい、顔色が悪い)
子供の症状
- 該当しません(妊娠中の母体についての記事です)
高齢者の症状
- 該当しません(妊娠中の母体についての記事です)
原因
主な原因
- マラリア原虫という寄生虫に感染することで起こります。
- マラリアに感染した蚊に刺されることで感染します。
- 治療後も体内に残った原虫が再び増えることがあります(再発)。
リスク要因
- マラリア流行地域への渡航歴がある
- 妊娠中は免疫力が変化し、感染しやすくなる
- 治療を途中でやめてしまう
- 十分な休養や栄養を取らない
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 発熱やマラリアを疑う症状が出たときは、すぐに医療機関を受診してください。
- 治療後も症状が改善しない、または悪化する場合。
- 妊娠中はいつもと違う体調の変化があれば、早めに相談してください。
定期受診を予約すべき場合:
- マラリアの治療後は、再発がないか定期的に血液検査を受けることが勧められます。
- 産科の定期健診は必ず受けてください。
診断
医師が症状や渡航歴を聞き、血液検査でマラリア原虫の有無を確認します。妊娠中は超音波検査で赤ちゃんの状態も調べます。
行われる可能性のある検査
- 血液の顕微鏡検査(マラリア原虫の確認)
- 迅速診断テスト(血中のマラリア抗原を調べます)
- 妊婦さんの場合は、貧血や胎児の発育を確認するための血液検査や超音波検査
診察で予想されること
診断のために少量の血液を取ります。結果は数時間から1日程度でわかります。妊娠中は赤ちゃんへの影響も考慮しながら診察が進みます。
治療
マラリアの治療は、医師が症状や妊娠週数に合わせて適切な薬を処方します。治療は入院して行うことが多く、母体と胎児の状態をしっかり観察します。治療を途中でやめずに、指示通りに最後まで飲むことが大切です。
自宅でのセルフケア
- 十分な休養をとる(横になって安静に)。
- 水分をこまめに摂る(脱水を防ぐ)。
- バランスの良い食事を心がける。
- 医師から指示された薬は必ず決められた期間飲み続ける。
- 蚊に刺されないように長袖・長ズボンを着用し、虫よけ剤を使う。
医療治療
医師は妊娠中でも安全に使える抗マラリア薬を選択します。重症の場合は点滴や輸血、酸素投与などの入院治療が必要になることがあります。胎児の状態も定期的に確認します。
手術が検討される場合
マラリアそのものが手術で治ることはありません。ただし、重症の合併症(例えば脾臓破裂など)が起きた場合には手術が必要になることがありますが、それはまれです。
この病気と共に生きる
回復期は無理をせず、体調に合わせて過ごしましょう。最初は疲れやすいので、こまめに休憩を取ることが大切です。仕事や家事は医師と相談しながら徐々に戻してください。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活を心がける。
- ストレスをためないようにする(趣味やリラックス法を見つける)。
- 外出時は蚊に刺されないための対策を徹底する。
- パートナーや家族に助けを求める。
食事と運動
栄養バランスの良い食事(特に鉄分やビタミンを多く含む食品)を積極的に取り入れましょう。貧血予防に役立ちます。運動は軽い散歩程度から始め、医師に相談してから徐々に増やしてください。激しい運動は避けましょう。
精神的健康と心の健康
妊娠中にマラリアにかかると、赤ちゃんへの影響が心配で不安になることがあります。また、治療によるストレスや体調不良で気分が落ち込むこともあります。そんな時は一人で抱え込まず、医師や助産師、家族に相談しましょう。
予防
マラリアは予防できる病気です。流行地域への渡航を避けること、蚊に刺されない対策(虫よけ剤、蚊帳、長袖・長ズボン)が効果的です。妊娠中は特に予防を徹底しましょう。
ワクチン
現在、マラリアに対する予防接種は日本では一般的ではありません。渡航前に医師に相談し、必要に応じて予防薬などについて情報を得てください。
検診プログラム
マラリア流行地域から帰国した妊婦さんは、症状がなくても医療機関で相談し、血液検査を受けることが勧められます。
合併症
治療しない場合
- 重症の貧血(母体の疲労、めまい、息切れ)
- 胎児の発育遅延や低出生体重
- 流産や早産のリスク上昇
- 母体の臓器障害(腎不全、脳症など)
- 母子ともに命に関わる危険性
長期的な見通し
適切な治療と回復期のケアを行えば、マラリアから完全に回復できる可能性は非常に高いです。多くの妊婦さんは健康な赤ちゃんを出産しています。治療後もしばらくは定期的な検査を受け、再発に注意すれば安心です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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