マラリア回復期の患者さんへ
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
マラリア回復期とは、マラリアという蚊がうつす病気の治療が終わった後、体が元の健康な状態に戻っていく期間のことです。この期間中も、だるさや疲れなどが続くことがありますが、しっかりと休むことで少しずつ良くなっていきます。
重要な事実
- マラリアは、寄生虫(体内に入って病気を起こす小さな生物)によって引き起こされます。
- マラリアは、ハマダラカという種類の蚊に刺されることでうつります。
- 適切な治療を受ければ、ほとんどの方は完全に回復できます。回復には数週間から数ヶ月かかることがあります。
- 回復後も、ときどき熱やだるさが再発することがあるため、注意深く経過を見ることが大切です。
日本国内でのマラリアは非常にまれですが、海外、特に熱帯や亜熱帯の地域(アフリカ、東南アジアなど)ではよく見られる病気です。海外旅行から帰国した後に発症することが多いです。
マラリアは、蚊の多い地域に住んでいる人や、そうした地域に旅行する人がかかりやすくなります。特に、小さな子どもや妊婦さん、免疫力が弱っている人は重症化しやすいです。
症状
- 意識がなくなる
- けいれんが止まらない
- 呼吸が苦しそう、または息ができない
- 突然の強い頭痛と吐き気
- 尿の量が極端に減る(腎不全の可能性)
- ⚠40度以上の高い熱が続く
- ⚠皮膚や目が黄色くなる(黄疸)
- ⚠出血しやすくなる(歯ぐきや鼻から血が出るなど)
- ⚠激しい下痢や嘔吐で水分がとれない
一般的な症状
- 強いだるさや疲れ
- 時々起こる熱(発熱)
- 寒気やふるえ
- 筋肉や関節の痛み
- 食欲がなくなる
子供の症状
- ぐったりして元気がない
- 泣き続ける、機嫌が悪い
- 食べたり飲んだりしない
- けいれん(全身がピクピクする)
- 意識がぼんやりする
高齢者の症状
- 熱が上がったり下がったりするのが不規則
- 強い疲れで動けなくなる
- せきや息切れなど、他の病気と間違えやすい症状
- 意識がもうろうとする
原因
主な原因
- マラリア原虫(げんちゅう)という寄生虫に感染することで起こります。この寄生虫は、ハマダラカという蚊に刺されたときに体内に入ります。
リスク要因
- マラリアが流行している地域(アフリカ、東南アジア、南アメリカなど)への旅行や滞在
- 蚊よけ対策を十分にしない
- マラリアの予防薬を服用しなかった、または正しく服用しなかった
- 免疫力が弱っている(例:妊娠中、小さな子ども、高齢者、HIVなど他の病気がある)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 回復中に再び高い熱が出た
- 意識がもうろうとしてきた
- 呼吸が苦しい
- けいれんが起きた
- 尿の色が濃い、または尿の量が減った
定期受診を予約すべき場合:
- 治療後1~2週間以内に医師の診察を受けて、治っているか確認しましょう。
- その後も、だるさや熱が続くようであれば、再度受診してください。
診断
マラリアの診断は、血液を調べることで行います。医師があなたの指先や腕から少量の血液を採り、顕微鏡で見たり、迅速検査キットを使ったりして、マラリア原虫がいないかを確認します。
行われる可能性のある検査
- 血液塗抹検査(血液をスライドガラスに塗って顕微鏡で調べる)
- 迅速診断検査(その場で結果がわかる検査)
- PCR検査(遺伝子を調べる精密な検査)
診察で予想されること
診察では、まず症状や海外渡航の有無を詳しく聞かれます。その後、血液検査のために採血があります。結果は数時間から1日程度でわかることが多いです。もし陽性だった場合は、すぐに治療が始まります。
治療
マラリアの治療は、原因となる寄生虫をやっつける薬を使います。症状の重さやマラリアの種類によって、治療方法や治療期間が変わります。早期に治療を始めれば、重症化を防ぐことができます。
自宅でのセルフケア
- しっかりと休む(無理をしない)
- 十分な水分をとる(水や経口補水液など)
- 栄養バランスの良い食事を心がける
- 熱が出たときは、体を冷やす(ぬれタオルを額に置くなど)
- 蚊に刺されないように注意する(回復中も他の人にうつすのを防ぐため)
医療治療
マラリアの治療には、医師が処方する抗マラリア薬が使われます。これらの薬は、寄生虫の種類や症状の重さ、患者さんの体質に合わせて選ばれます。重症の場合は、入院して点滴や経過観察が必要になることもあります。治療中は必ず医師の指示に従い、最後まできちんと薬を飲み続けることが大切です。
手術が検討される場合
マラリアそのものに対して手術が必要になることはありません。ただし、マラリアの合併症で脾臓(ひぞう)が破裂するようなまれな場合には、手術が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
回復期には、日常生活をゆっくりと戻していくことが大事です。最初は家の中で過ごし、体調がよくなったら短い散歩から始めましょう。仕事や学校に戻るのは、医師の許可が出てからにしてください。
生活習慣のアドバイス
- 蚊に刺されないように、長袖・長ズボンを着る
- 蚊帳(かや)を使う、または蚊取り線香を使う
- マラリアが再発する可能性があるので、定期的に体温を測る
- ストレスをためず、睡眠をしっかりとる
食事と運動
栄養価の高い食事をとりましょう。特に、赤身の肉やレバー(鉄分)、果物や野菜(ビタミン)を意識してとると、体力の回復に役立ちます。運動は、軽いストレッチや散歩から始め、調子がよくなれば徐々に強度を上げても大丈夫です。ただし、疲れを感じたらすぐに休んでください。
精神的健康と心の健康
マラリアの回復中は、体のだるさや不安から気分が落ち込むことがあります。また、マラリアが再発しないか心配になるかもしれません。そうした気持ちは自然なことです。信頼できる人に話したり、医師に相談したりすると、気持ちが楽になることがあります。
予防
はい、マラリアは予防できます。マラリアが流行している地域に行く前には、医師に相談して予防薬を処方してもらいましょう。また、蚊に刺されないように対策をすることも重要です。
ワクチン
マラリアのワクチンは一部の国で使われていますが、日本では一般的な予防法として推奨されていません。海外渡航前に医師に相談し、予防薬やその他の対策を確認してください。
検診プログラム
マラリアの予防には定期的な検査は必要ありません。ただし、流行地域から帰国後は、たとえ症状がなくても、不安な場合は医師に相談して検査を受けることができます。
合併症
治療しない場合
- 重症マラリア(脳に影響が出る、腎不全、呼吸困難など)
- 貧血(赤血球が破壊されて全身に酸素が届かなくなる)
- 脾臓の腫れや破裂
- 死亡に至ることもある
長期的な見通し
マラリアは適切な治療を受ければ、ほとんどの方が完全に回復します。治療が遅れたり重症化した場合でも、早期に病院で治療を始めれば回復の見込みは十分にあります。回復後は、再発を防ぐために経過観察を続けることが大切です。希望を持って、一歩一歩回復に向けて進んでいきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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