マルファン症候群(マルファンしょうこうぐん)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
マルファン症候群は、遺伝子の変化によって体の「結合組織」に影響が出る病気です。結合組織は、血管や心臓、骨、皮膚、目などの形を支える土台のようなものです。この土台が弱くなると、背が高くて細長い体型、手足や指が長いなどの特徴が現れるほか、心臓や血管、目に問題が生じることがあります。
重要な事実
- 親がマルファン症候群の場合、子どもに伝わる確率は約50%です。一方、家族にいない場合でも、突然遺伝子の変化によって起こることがあります。
- 心臓や大動脈(心臓から出る太い血管)に影響が出ることがあり、定期的な検査がとても大切です。
- 早期に発見し、適切な管理を続ければ、多くの方が安心して日常生活を送ることができます。
比較的まれな病気で、約5,000人に1人の割合で見られます。
性別や人種に関係なく、どんな方にも起こり得ます。多くの場合、思春期から20代にかけて診断されますが、幼少期や大人になってから見つかることもあります。
症状
- 突然の強い胸の痛みや背中の痛みが現れた場合は、すぐに119番に電話してください。
- 突然の息苦しさや呼吸ができない場合は、すぐに119番に電話してください。
- 意識を失ったり、失いそうになった場合は、すぐに119番に電話してください。
- 突然の視力の低下や、目が見えなくなる場合は、すぐに119番に電話してください。
- ⚠胸の違和感や軽い痛みが続く
- ⚠動悸や脈が速い、または不規則である
- ⚠めまいやふらつきが何度も起こる
- ⚠急に視界がぼやける
一般的な症状
- 背が高く、手足や指が長くて細い
- 関節が柔らかすぎる(過度に動いたり、痛みが出ることがある)
- 胸の骨がへこんでいたり、逆に飛び出していたりする
- 背骨が横に曲がる(側弯症)
- 近視などの目のトラブル(水晶体がずれることもある)
- 妊娠や体重の変化とは関係のない皮膚の線(線状皮膚萎縮)が見られる
- 心臓の弁の異常による心雑音
原因
主な原因
- 遺伝子(FBN1遺伝子)の変化が原因です。この遺伝子は、結合組織を作る重要なタンパク質にかかわっています。
- およそ75%は親から受け継がれますが、およそ25%は本人の遺伝子に突然起こった変化で発症します。
リスク要因
- 家族にマルファン症候群の方がいる
- 親のどちらかが同じ遺伝子の変化を持っている
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 胸の痛みや違和感がある
- 息切れや動悸が続く
- 突然の視力の変化がある
定期受診を予約すべき場合:
- 家族にマルファン症候群の方がいる
- 上に挙げた体型や目の特徴がいくつか当てはまる
診断
診断は、体の特徴や家族の状況と、心臓・血管・目の検査・遺伝子検査を組み合わせて行われます。マルファン症候群に詳しい医師(循環器科、整形外科、眼科、遺伝子診療科など)が多職種で評価します。
行われる可能性のある検査
- 心エコー検査:心臓や大動脈の大きさ・形を調べます
- 遺伝子検査:血液でFBN1遺伝子の変化を調べます
- 眼科検査:水晶体の位置や細かい目の構造を調べます
- 心臓MRI・CT検査:血管の状態をより詳しく調べます
診察で予想されること
診断には時間がかかることがあります。自覚症状がない場合でも、定期的な検査を行うことで、体の変化を早期に捉えることが目的です。検査の結果は担当医が丁寧に説明し、必要に応じて専門的なケアへつなぎます。
治療
マルファン症候群そのものを治す方法はまだありませんが、命にかかわる合併症は早期発見と治療で予防できます。診断後は、心臓・血管・目・整形外科などの専門医が協力し、体の変化に合わせたケアを受けることが大切です。
自宅でのセルフケア
- 定期的な検診と医師の指示を守る
- 喫煙を避ける(血管に大きな負担をかけるため)
- 激しい運動や競技スポーツを避ける(大動脈への負担を減らすため)
- 血圧を高くしない生活を心がける
医療治療
症状を和らげ、大動脈への負担を減らすために、心拍数を落ち着かせたり血圧を下げる薬が使われることがあります。妊娠時や手術前後には、さらに詳しい専門的な管理が必要です。どんな薬も、医師の処方と指示に従って使用してください。
手術が検討される場合
大動脈の根元が大きく広がるなど、血管に危険な変化が認められるときは、予防的に手術(大動脈形成術など)を検討することがあります。手術が必要かどうかは、専門医が定期的な検査に基づいて総合的に判断します。
この病気と共に生きる
診断後も、多くの方が普通に学校や仕事を続けられます。ただし、関節の痛みや目の問題は生活の質に影響することがあるため、無理のない範囲で過ごすことが大切です。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい生活と十分な睡眠を心がける
- ストレスをためすぎない
- 適度な運動(医師の相談の上で)
- 定期検診を必ず受ける
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、減塩を心がけ、栄養バランスのよい食事をとりましょう。運動は、大動脈への負担が少ないウォーキングや軽いストレッチを、医師と相談して行いましょう。激しいスポーツや重いものを持ち上げる運動は避けてください。
精神的健康と心の健康
慢性の病気と診断されることは不安やつらい気持ちを伴うこともあります。気分の落ち込みや眠れないなどが続くときは、医師や看護師、心理の専門家に遠慮なく話しましょう。周囲に理解を求めることも大切です。
予防
遺伝子の変化が原因のため、マルファン症候群そのものを予防することはできません。しかし、合併症を早期に見つけて治療することで、重くなってしまうのを大きく防ぐことができます。
検診プログラム
家族にマルファン症候群の方がいる場合は、早めに医療機関へ相談し、心エコー検査などのスクリーニングを受けることが勧められます。定期的な検査で体の変化を確認しましょう。
合併症
治療しない場合
- 大動脈が急に裂ける大動脈解離・破裂は命にかかわることがあります
- 心臓の弁の異常が進行し、心不全を起こすことがあります
- 目の水晶体のずれや網膜剥離が起こり、視力に深刻な影響を与えることがあります
- 背骨の曲がりが進み、痛みや呼吸の障害を生じることがあります
長期的な見通し
マルファン症候群と診断されても、適切な医療機関で定期的に検査や治療を受ければ、多くの方が安心して長い人生を送ることができます。不安なことは一人で抱えずに医療者とよく話し、無理のない生活を続けていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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