鼻血(鼻出血)
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
鼻血(鼻出血)とは、鼻の内部にある血管が破れて出血する状態です。ほとんどの場合は軽くてすぐに止まりますが、時には注意が必要な場合もあります。
重要な事実
- 鼻血の約90%は鼻の前の方(キーゼルバッハ部位)から出ます。
- ほとんどの鼻血は自宅での応急処置で止まります。
- 繰り返す鼻血や止まりにくい鼻血は医師の診察が必要です。
はい、とてもよくある症状です。子どもの約60%、大人の約10~15%が年に1回以上経験すると言われています。
子ども(特に2~10歳)、高齢者、妊娠中の女性、また血をサラサラにする薬(抗凝固薬)を服用している方に多く見られます。
症状
- 20分以上圧迫しても出血が止まらない
- 出血量が多く、めまいや意識が遠くなる感じがある
- 頭部外傷の後に鼻血が出た
- 血を吐いたり、黒いタール状の便が出る(消化管出血の可能性)
- ⚠鼻血が1週間に2回以上繰り返す
- ⚠鼻血と一緒に鼻づまりや顔の痛みがある
- ⚠抗凝血薬(血液をサラサラにする薬)を飲んでいて鼻血が出た
一般的な症状
- 片方の鼻の穴から血が出る
- 血がのどに流れてきて、飲み込んだり吐き出したりする
- 鼻の中がヒリヒリする感じ
子供の症状
- 鼻をほじったりぶつけたりした後に起こることが多い
- 出血量は少ないことが多く、すぐに止まる
高齢者の症状
- 高血圧や動脈硬化の影響で止血しにくいことがある
- 鼻の奥からの出血(後部鼻出血)の割合が増える
原因
主な原因
- 鼻をほじったり、強くかんだりする
- 空気の乾燥やエアコンで鼻の粘膜が乾く
- アレルギー性鼻炎や風邪で鼻の粘膜が炎症を起こす
- 鼻にぶつけるなどの軽い外傷
リスク要因
- 乾燥した環境(冬やエアコンの効いた部屋)
- 鼻をよくいじる癖
- 血液をサラサラにする薬の使用
- アルコールの多量摂取
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合
- 鼻血が原因で貧血症状(顔色が悪い、疲れやすい)が出ている
定期受診を予約すべき場合:
- 月に数回以上鼻血が出る
- 鼻血が出るときにいつも血の塊が大きい
- 鼻血の止まり方が以前より遅くなったと感じる
診断
医師(耳鼻咽喉科)が、鼻の内部を観察する内視鏡(鼻のカメラ)を使って出血点を確認します。
行われる可能性のある検査
- 鼻内視鏡検査
- 血液検査(出血傾向がないか確認)
- 血圧測定
診察で予想されること
診察は数分で終わることが多く、痛みはほとんどありません。内視鏡は細くて違和感はあるかもしれませんが、麻酔をすることもあります。
治療
鼻血の治療は、出血を止めることと再発を防ぐことが目的です。多くの場合、自宅での処置で十分ですが、繰り返す場合は医師の治療が必要になります。
自宅でのセルフケア
- 座って前かがみになり、鼻の柔らかい部分を親指と人差し指でしっかりつまむ
- 10~15分間、絶対に途中で離さずに圧迫し続ける
- 氷などで鼻の周りを冷やすと血管が縮みやすい
- 出血中は後ろに倒れず、口に出た血は吐き出す
医療治療
医師は、出血している血管を焼く(電気焼灼、硝酸銀で焼く)、鼻にガーゼやスポンジを詰めて圧迫する、または鼻の奥からの出血にはバルーンカテーテル(風船を膨らませる管)で圧迫する方法があります。
手術が検討される場合
まれですが、繰り返す重度の鼻血で他の治療が効かない場合、血管を縛る手術(血管結紮術)や、カテーテルで血管を塞ぐ治療(塞栓術)が行われることがあります。
この病気と共に生きる
普段の生活で気をつけることは、鼻を強くかまない、ほじらない、乾燥を避けることです。鼻血が起きても慌てずに正しい処置をすれば怖くありません。
生活習慣のアドバイス
- 加湿器や濡れタオルで部屋の湿度を50~60%に保つ
- 鼻の粘膜を保護するためにワセリンを鼻の入り口に薄く塗る
- 激しい運動や重い荷物を持ち上げる時は息を止めすぎない
食事と運動
特に制限はありませんが、鼻血を繰り返す場合はアルコールを控えめにすると良いでしょう。また、ビタミンCやKを含む食品(野菜や果物)は血管を健康に保つのに役立つ可能性があります。
精神的健康と心の健康
鼻血が頻繁に出ると不安になることもありますが、適切なケアでほとんどは改善します。心配なときは医師に相談して安心しましょう。
予防
完全に予防はできませんが、リスクを減らすことは可能です。鼻をいじらない、爪を短く切る、乾燥を防ぐことで頻度を下げられます。
ワクチン
省略
検診プログラム
省略
合併症
治療しない場合
- まれに貧血(特に高齢者や頻繁に出血する場合)
- 繰り返す鼻血による不安やストレス
- 後部鼻出血が続くと気道をふさぐ危険がある
長期的な見通し
鼻血のほとんどは軽症で、適切な対処と必要に応じた治療で良くなります。再発予防を心がければ、普段の生活に大きな影響はありません。
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最終更新: 2026年7月29日
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