Osteoporosis living patient overview
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
骨粗しょう症(こつそしょうしょう)は、骨の密度(こつのみつど、骨の強さ)が低下し、骨がもろくなって折れやすくなる病気です。健康な骨はスポンジのように小さな穴がたくさんありますが、骨粗しょう症になるとその穴が大きく広がり、骨が弱くなります。
重要な事実
- 骨粗しょう症は「静かな病気」とも呼ばれ、最初は症状がほとんどありません。
- 骨粗しょう症が原因で起こる骨折(こっせつ、骨が折れること)は、特に背骨、手首、太ももの付け根に多く見られます。
- 適切な運動や食事、そして必要に応じて治療を行うことで、骨の健康を保ち、骨折のリスクを減らせます。
はい、骨粗しょう症は非常に一般的な病気です。日本では約1,280万人(2020年推計)が骨粗しょう症またはその予備軍とされています。特に閉経後の女性に多く見られます。
骨粗しょう症は主に高齢者、特に閉経後の女性に多く見られます。また、若い人でも、特定の病気や薬の影響、栄養不足などで発症することがあります。
症状
- 転んだ後などに、腰や背中に激しい痛みが突然起こり、動けなくなった場合(背骨の骨折の可能性があります)
- 太ももの付け根(股関節)が痛くて立ったり歩いたりできなくなった場合
- 強い痛みがあり、救急車を呼ぶべき状態(意識がもうろうとする、冷や汗が出るなど)
- ⚠数日続く腰や背中の痛みが強くなってきた
- ⚠骨折したかもしれないと思ったが、痛みはあるものの歩ける
- ⚠身長が急に縮んだ気がする
一般的な症状
- 初期には自覚症状がほとんどありません。
- 背中や腰の慢性的な痛み
- 身長が縮む(背が低くなる)
- 猫背(せなかが丸くなる)になる
- 少しの衝撃でも骨が折れる(骨折)
子供の症状
- 子どもでは非常にまれですが、骨の成長障害や特定の病気(例:若年性骨粗しょう症)で起こることがあります。
- 症状としては、関節や骨の痛み、歩行の困難、骨折がみられることがあります。
高齢者の症状
- 高齢者では、背中や腰の痛みが長く続くことがあります。
- 身長が数センチ縮むことがあります。
- 背中が曲がって見える(円背:えんぱい)
- 転倒など軽い衝撃で手首や太ももの付け根の骨を折りやすくなります。
原因
主な原因
- 加齢による骨の量の減少
- 閉経後の女性ホルモン(エストロゲン)の減少
- カルシウムやビタミンDの不足
- 遺伝的要因(家族に骨粗しょう症の人がいる)
- 長期間のステロイド薬の使用(例:喘息や関節リウマチの治療)
- 特定の病気(例:甲状腺の病気、関節リウマチ、糖尿病)
リスク要因
- 女性である(特に閉経後)
- やせ型の体格
- 過度の飲酒
- 運動不足
- カルシウムやビタミンDが少ない食生活
- 家族に骨粗しょう症や骨折の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 転んだ後などに、強い痛みがあり、動けなくなった場合(救急車を呼んでください)
- 骨折の疑いがあるが、痛みが強い場合(整形外科を受診)
定期受診を予約すべき場合:
- 50歳以上で、これまで一度も骨密度検査を受けたことがない場合
- 閉経後の女性で、骨粗しょう症のリスク因子がある場合
- 身長が数センチ縮んだ、背中が曲がってきたなど、気になる症状がある場合
- 骨折をしたことがあり、その原因が骨の弱さにあるかもしれない場合
診断
骨粗しょう症の診断は、主に骨密度検査(こつみつどけんさ)で行われます。この検査では、腰や太ももの骨の密度を測定し、同年代の健康な人と比較します。
行われる可能性のある検査
- 骨密度検査(DXA法:デキサほう)— 最も一般的な検査です。X線を使って骨の密度を測ります。
- 血液検査や尿検査 — 骨の代謝状態や他の病気の有無を調べます。
- レントゲン検査 — 既に骨折があるかどうかを確認するために行うことがあります。
診察で予想されること
骨密度検査は痛みがなく、特別な準備もいりません。検査中は、ベッドに横になった状態で、機械が腰や太ももをスキャンします。所要時間は約10〜15分程度です。結果は通常、数日後または後日の診察時に医師から説明があります。
治療
骨粗しょう症の治療は、骨を強くして骨折を防ぐことが目的です。治療には、生活習慣の見直し(食事や運動)、栄養補給、そして薬を使った治療があります。薬を使う場合は、医師が症状や検査結果に基づいて適切なものを選びます。
自宅でのセルフケア
- カルシウムを多く含む食品をとる(牛乳、小魚、豆腐、緑黄色野菜など)
- ビタミンDを十分に摂る(日光浴、魚、きのこなど)
- たんぱく質を適切に摂る(肉、魚、卵、豆製品)
- 禁煙する
- 飲酒は控えめにする
- 転倒予防のために、家の中の段差をなくす、手すりをつけるなどの環境整備
医療治療
骨粗しょう症の薬には、骨の吸収(古い骨が壊れること)を抑えるものや、骨の形成を促すものなど、いくつかの種類があります。医師はあなたの年齢、骨密度、骨折のリスクなどを考慮して、最も適した治療法を提案します。治療は長期間にわたることが多く、定期的な検査で効果を確認しながら続けます。
手術が検討される場合
骨折が起こった場合、特に太ももの付け根(大腿骨頸部)の骨折では、手術が必要になることがあります。骨折の種類や場所によって、手術の方法やリハビリの計画が異なります。
この病気と共に生きる
骨粗しょう症があっても、日常生活を大きく変える必要はありません。ただし、転倒を防ぐ工夫や、骨に良い生活習慣を続けることが大切です。無理のない範囲で活動を続け、定期的に医師の診察を受けましょう。
生活習慣のアドバイス
- 転倒を防ぐために、家の中の段差をなくし、滑り止めマットを敷く
- バランスの良い食事を心がける(カルシウム、ビタミンD、たんぱく質をしっかりとる)
- 適度な運動を続ける(ウォーキング、軽い筋トレ、ストレッチなど)
- 喫煙をやめる
- アルコールはほどほどにする
食事と運動
骨を強くするためには、カルシウム(1日700〜800mgが目安)とビタミンD(日光浴や食品から)が欠かせません。運動では、ウォーキングや軽いジョギングなどの「体重をかける運動」と、筋力トレーニングが骨密度の維持に役立ちます。また、バランス運動(片足立ちなど)は転倒予防に効果的です。
精神的健康と心の健康
骨粗しょう症の診断を受けると、骨折への不安や将来のことが心配になるかもしれません。また、骨折後に活動が制限されることで、気分が落ち込むこともあります。そうした気持ちは自然なことです。必要なら医師やカウンセラーに相談したり、家族や友人に話してみましょう。
予防
骨粗しょう症は完全に予防できるわけではありませんが、健康的な生活習慣によってリスクを大幅に減らすことができます。十分なカルシウムとビタミンDの摂取、定期的な運動、禁煙、過度の飲酒を避けることが基本です。
検診プログラム
日本では、骨粗しょう症の早期発見のために、40歳以上の方を対象に骨密度検査が行われることがあります(特に閉経後の女性)。自治体の健康診査や職場の健診で受けることができる場合もあります。詳しくはかかりつけ医や自治体の保健センターにご相談ください。
合併症
治療しない場合
- 背骨の骨折(圧迫骨折)による慢性的な痛みや身長低下、猫背
- 手首や太ももの付け根の骨折(特に転倒後)
- 骨折後の長期安静による筋力低下や寝たきりのリスク
- 骨折による生活の質の低下(痛み、移動困難、自立の低下)
長期的な見通し
骨粗しょう症は適切に管理すれば、骨折のリスクを大きく減らし、活動的な生活を長く続けることができます。治療や生活習慣の改善を続ければ、骨密度の減少を遅らせたり、場合によっては改善することも期待できます。怖がらずに、一歩ずつ対策を始めましょう。医師と一緒に自分に合った計画を立てることが大切です。
サポートを探す
地域の団体
- 日本骨粗鬆症協会 · 日本
- 公益財団法人 骨粗鬆症財団 · 日本
相談窓口
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月22日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。