Otitis externa in older adults
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
外耳道炎とは、耳の穴から鼓膜までの通り道(外耳道)が炎症を起こす病気です。よく「耳の入り口のただれ」や「耳の中の皮膚のかぶれ」と説明されます。高齢者では、加齢や持病によって皮膚が弱くなったり、免疫力が落ちたりして、重症化しやすいことがあります。
重要な事実
- 外耳道炎は耳の皮膚の表面の感染症で、中耳炎とは異なります。
- 高齢者は糖尿病や免疫力の低下があると、まれに悪性外耳道炎(深刻な骨にまで広がる感染症)になるリスクがあります。
- 適切な治療でほとんどの場合、聴力に後遺症なく治ります。
外耳道炎はどの年齢層でもよくみられます。高齢者では、耳垢の自浄作用が低下したり、補聴器を使用したりすることで、やや頻度が上がる傾向があります。
どなたでも起こりえますが、特に高齢者、糖尿病のある方、免疫が低下している方(がん治療中など)、頻繁に耳かきをする方、補聴器を使用している方に多くみられます。
症状
- 耳の激しい痛みに加え、高い熱(38℃以上)や顔の半分の麻痺(口が曲がる、目が閉じにくい)があるとき
- 耳の周りの骨の痛みが強く、首が回らない、意識がもうろうとするとき
- 耳から膿とともに大量の出血があるとき
- ⚠耳の痛みが我慢できないほど強い
- ⚠耳だれが2日以上続く、または緑色で悪臭がある
- ⚠糖尿病や免疫が低下している持病がある方で、耳の症状が出たとき
- ⚠耳の症状とともに、顔のむくみや口の開けにくさが出てきたとき
一般的な症状
- 耳の痛み(耳たぶを引っ張ると痛みが強くなることがあります)
- 耳のかゆみ
- 耳だれ(黄色や白っぽい分泌物)
- 耳が詰まった感じ、軽い難聴(分泌物や腫れで音が通りにくくなる)
- 外耳道の赤みや腫れ
子供の症状
- 小児では、高齢者と症状は大きく変わりませんが、耳に物を入れてしまうことによる外傷性の炎症がより一般的です。痛みで泣いたり、耳を気にしたりする様子が見られます。
高齢者の症状
- 高齢者では、痛みの訴えがはっきりしない場合があります。単に「耳が重い」「聞こえにくい」だけのこともあります。糖尿病がある方では、通常より強い痛みを伴わずに重症化する「悪性外耳道炎」に注意が必要です。耳だれが続いたり、飲み込みにくさや顔の動きの悪さが出ることもあります。
原因
主な原因
- 細菌感染(最も一般的。プールやお風呂の水に含まれる緑膿菌やブドウ球菌など)
- 真菌(カビ)感染(耳の中が常に湿っていると起こりやすい)
- 皮膚のバリア機能の低下(耳かきのしすぎ、補聴器の刺激、湿疹など)
- アレルギー反応(ヘアスプレーや化粧品、シャンプーなど)
リスク要因
- 過度な耳かきや綿棒の使用(耳の皮膚を傷つける)
- 補聴器やイヤホンの長時間使用
- 水泳や入浴後の耳の湿った状態
- 糖尿病(感染を悪化させやすくする)
- 加齢による皮膚の乾燥や自浄作用の低下
- 湿疹や乾癬などの皮膚疾患があること
- 免疫力の低下(ステロイド薬や抗がん剤治療中など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 耳の痛みが強く、日常生活に支障がある
- 耳だれに血が混じっている、または膿が多くて止まらない
- 糖尿病があり、耳の違和感や軽い痛みでも
- 数日間セルフケアをしても改善しない
定期受診を予約すべき場合:
- 軽い耳のかゆみや違和感がときどきあるだけの場合
- 耳だれがほとんどなく、痛みも軽ければ、まずはかかりつけ医に相談する予約を取る
診断
医師は耳鏡(耳の中を照らして見る器具)で外耳道と鼓膜を直接観察します。痛みがある場合は、そっと触れて炎症の場所を確認します。多くの場合、この診察だけで診断がつきます。
行われる可能性のある検査
- 耳鏡検査(耳の穴を拡大して見ます)
- 耳だれの培養検査(原因菌を特定するため、綿棒で少量の分泌物を採取します。通常は重症例や再発例で行われます)
- 重症が疑われる場合、血液検査やCT・MRIなどの画像検査で骨への広がりを調べることがあります(悪性外耳道炎の確認)
診察で予想されること
診察時は、耳を触ったり器具を入れたりするときに少し痛みを感じるかもしれません。医師はできるだけ優しく行いますので、痛みが強いときは遠慮なくお伝えください。
治療
治療の基本は、耳の中を清潔にし、炎症を抑える点耳薬(耳に入れる液体の薬)を使うことです。細菌感染と真菌感染では使う薬が異なるため、医師の診断が重要です。
自宅でのセルフケア
- 耳を触らない、綿棒を使わない。かゆくても掻かないようにしましょう。
- 耳に水が入らないようにする。シャワーや洗髪時には、耳に脱脂綿や耳栓を軽くあてます(奥まで詰めないでください)。水が入った場合は、耳を下にして軽く傾け、自然に抜けるのを待ちます。
- 医師から処方された点耳薬は、指示通りに最後まで使用してください。症状が良くなっても途中でやめないことが大切です。
- 補聴器を使用している方は、耳の炎症が治るまで使用を控えるように医師から指示されることがあります。
医療治療
医師は、外耳道の吸引や洗浄で分泌物を取り除きます。その後、炎症や感染に合わせて、抗菌作用や抗真菌作用のある点耳薬を処方します。痛みや腫れが強い場合は、短期間の鎮痛薬やステロイド点耳薬が使われることもあります。高齢者や糖尿病のある方で重症化が疑われる時は、入院して点滴による治療や、専門的な画像検査が必要になることがあります。治療はすべて、患者さんの状態に合わせて医療機関が選択します。
手術が検討される場合
悪性外耳道炎で骨の奥まで感染が広がり、膿がたまった場合など、非常にまれに外科的に膿を出す処置や、壊死した組織を取り除く手術が検討されることがあります。
この病気と共に生きる
治療中は耳に水が入らないように注意しながら、通常の日常生活を送ることができます。ただし、プールや温泉、サウナは医師の許可があるまで控えましょう。痛みがある間は、痛み止めや安静が必要です。補聴器を使っている方は、炎症が治るまでの代替手段として、筆談や簡易なコミュニケーション機器の利用も考慮してください。
生活習慣のアドバイス
- 耳掃除は基本的に週に1回程度、耳の入り口を軽く拭くだけで十分です。綿棒を奥まで入れないでください。
- 補聴器を使用する方は、定期的に耳の穴の掃除と補聴器の清掃を心がけ、皮膚に傷がつかないよう耳かけの部分が合っているか確認しましょう。
- 糖尿病をお持ちの方は、血糖コントロールを良好に保つことが、感染予防と重症化防止に役立ちます。
- 入浴後や水泳後は、耳を乾いた清潔なタオルで優しく拭き、湿気を残さないようにします。ドライヤーの「冷風」でそっと乾かすのも良い方法です。
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、バランスの良い食事と十分な水分摂取で免疫力を保ちましょう。運動は症状が落ち着いてから通常通り行って構いません。耳に痛みがなければ、散歩などの軽い運動は続けていただいて大丈夫です。
精神的健康と心の健康
耳の症状が続くと、聞こえにくさから人との会話がおっくうになり、気分が落ち込むことがあります。一人で悩まず、家族や友人に症状を伝えることも大切です。もし不安や憂うつが長引くようでしたら、かかりつけ医や心の相談窓口(地域の保健所や精神保健福祉センター)にご相談ください。心のケアも治療の一部です。
予防
はい、多くの外耳道炎は以下のような習慣で予防できます。
ワクチン
この病気を直接予防するワクチンはありません。ただし、糖尿病や高齢者に推奨される肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンは、免疫全体を支えるため、かかりつけ医にご確認ください。
検診プログラム
定期的な耳の健康チェックとして、年に1回の耳鼻咽喉科受診をお勧めします。特に補聴器使用者は、耳の皮膚の状態を専門家に見てもらうと安心です。
合併症
治療しない場合
- 外耳道の慢性的な狭さく(耳の通り道が狭くなり、聴力に影響が出る)
- 急性乳様突起炎や内耳炎など、より深い感染への進行
- 特に高齢者・糖尿病患者で、悪性外耳道炎(頭蓋骨にまで感染が及び、顔面神経麻痺や髄膜炎を起こす危険な状態)
- 難聴の長期化や耳鳴り
長期的な見通し
軽度の外耳道炎は、適切な治療で数日から1週間でよくなります。糖尿病など持病がある場合でも、早めの受診と適切な管理によってほとんどの方は順調に回復されます。重症化を防ぐために、耳の違和感を軽く見ずに、早めに医療機関へ行くことが大切です。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月19日
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