Otitis media in older adults
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
中耳炎(ちゅうじえん)は、耳の奥にある「中耳」という部分に炎症が起こる病気です。多くは細菌やウイルスの感染が原因で、耳が痛んだり、聞こえが悪くなったりします。高齢者の場合、症状がはっきり出にくいことがあるので注意が必要です。
重要な事実
- 中耳炎は子どもに多い病気ですが、高齢者にも起こります。
- 高齢者では、症状が軽いか、または別の病気と間違えやすいことがあります。
- 放置すると、難聴(聞こえにくさ)や感染の拡大を招く可能性があります。
高齢者の中耳炎は、子どもほど多くはありませんが、免疫力の低下や他の病気(糖尿病など)があると起こりやすくなります。特に、耳の通り道である耳管の働きが悪くなるとリスクが高まります。
65歳以上の方、特に持病(糖尿病、心臓病、呼吸器の病気など)がある方や、聴力に問題を抱えている方に多く見られます。また、長期間入院している方や、鼻やのどの感染症をよく起こす方も注意が必要です。
症状
- 急に耳がまったく聞こえなくなった
- 高熱(39℃以上)がある
- 強いめまいや吐き気がある
- 耳の周りが赤く腫れてきた
- 意識がぼんやりする、呼びかけに反応が悪い
- ⚠耳の痛みが数日続く、または強くなる
- ⚠耳だれが止まらない
- ⚠聞こえが急に悪くなったと感じる
- ⚠めまいが続く
一般的な症状
- 耳の痛みや圧迫感
- 耳だれ(耳から膿や液体が出る)
- 聞こえの低下
- 発熱(特に子どもに多い)
- 耳が詰まった感じ
子供の症状
- 耳を引っ張る、触る
- 機嫌が悪くなる
- 食欲がない
- 夜泣きが増える
- 発熱(38℃以上になることも)
高齢者の症状
- 耳の痛みがはっきりしない(鈍い痛みや違和感だけ)
- めまいやふらつき
- 聞こえの悪さが急に進んだ
- 疲れやすい、元気がない
- 会話が聞き取りにくくなった
- 耳だれが少ない、またはない
原因
主な原因
- 細菌やウイルスの感染(多くは風邪やインフルエンザの後に)
- 耳管(耳と鼻の奥をつなぐ管)の機能が低下し、細菌が入りやすくなる
- 免疫力の低下(加齢や病気による)
- 長期間の入院や寝たきりで、耳の衛生状態が悪くなる
リスク要因
- 高齢(65歳以上)
- 糖尿病、心臓病、腎臓病などの慢性疾患がある
- 免疫力が低下している(ステロイド薬の使用、がん治療など)
- 耳管の機能が弱い(もともと扁桃腺が大きい、アレルギー性鼻炎など)
- 喫煙する、または受動喫煙を頻繁に浴びる
- 栄養状態が良くない
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 耳に強い痛みがあり、市販の痛み止めで改善しない
- 耳だれや出血がある
- 急に聞こえが悪くなった
- めまいやふらつきがある
定期受診を予約すべき場合:
- 軽い耳の違和感や詰まりが続く(1週間以上)
- 以前から難聴があるが、最近さらに悪くなった
- 入浴後に耳のつまりが取れない
診断
医師が耳の状態を調べるために、耳鏡(じきょう)という器具で耳の穴の中を見て診断します。また、問診で症状や持病を確認します。
行われる可能性のある検査
- 耳鏡検査(耳の穴と鼓膜の状態を見る)
- 聴力検査(聞こえの程度を調べる)
- 鼓膜切開(必要に応じて、膿を取るため)
- 血液検査(炎症の程度や原因を調べることがある)
診察で予想されること
診察は短時間で終わります。痛みを伴う検査はほとんどありません。必要に応じて、耳の専門医(耳鼻咽喉科医)に紹介されることもあります。
治療
中耳炎の治療は、原因となった細菌やウイルスを抑え、症状を和らげることを目的とします。多くの場合、抗生物質(細菌を殺す薬)の内服や点耳薬(耳に直接入れる薬)で治療します。高齢者は持病や服用中の薬があることが多いので、医師とよく相談しながら治療を進めます。
自宅でのセルフケア
- 安静にして、十分な睡眠と栄養をとる
- 痛みがあれば、濡らしたタオルを冷やして耳の周りに当てる
- 水やお風呂の水が耳に入らないようにする(綿球を軽く入れるなど)
- 喫煙や受動喫煙を避ける
- 鼻水や咳がある場合は、市販のうがい薬や点鼻薬を使う(医師に相談してから)
医療治療
医師は、感染の程度に応じて抗生物質の内服薬や点耳薬を処方します。症状が強い場合は、痛み止めや炎症を抑える薬も使われることがあります。治療は通常7~10日間続きます。アレルギーや他の持病がある場合は、医師が最も適した薬を選びます。必ず処方された通りに使用し、自己判断で中止しないでください。
手術が検討される場合
薬で症状が改善しない場合や、膿がたまって出にくい場合には、鼓膜を切開して膿を出す手術(鼓膜切開術)が行われることがあります。ごくまれに、中耳の骨を削る手術が必要になることもあります。
この病気と共に生きる
治療中は、耳を清潔に保ち、入浴時は耳に水が入らないように注意しましょう。耳だれがある場合は、清潔なガーゼで優しく拭き、医師の指示に従ってください。聞こえが悪いと感じたら、補聴器の使用や、家族・友人にゆっくり話してもらうなど工夫しましょう。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙する(喫煙は中耳炎のリスクを高める)
- バランスの良い食事をとり、免疫力を維持する
- 適度な運動(散歩など)で血流を良くする
- 風邪やインフルエンザの予防を心がける(手洗い、うがい、マスク)
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、栄養バランスの良い食事(野菜、果物、たんぱく質を十分に)を心がけてください。水分をしっかりとることも大切です。運動は、医師の許可があれば軽い散歩やストレッチで構いません。
精神的健康と心の健康
聞こえの悪さが続くと、コミュニケーションが取りづらくなり、孤独感や不安を感じることがあります。また、めまいや痛みで日常生活に支障が出ることもあります。そうした感情を一人で抱え込まず、医師や家族、友人に相談しましょう。必要ならば、耳鼻咽喉科の医師やカウンセラーのサポートも検討してください。
予防
完全に防ぐことはできませんが、リスクを減らすことはできます。風邪やインフルエンザの予防、禁煙、栄養と休養をしっかりとることが大切です。また、耳の症状を早期に発見するために、定期的な聴力検査も役立ちます。
ワクチン
インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンは、中耳炎の原因となる感染症を予防する効果が期待できます。厚生労働省(厚労省)のガイドラインでも、高齢者へのワクチン接種が推奨されています。詳しくはかかりつけ医にご相談ください。
検診プログラム
特に高齢者では、定期的な聴力検査(健康診断など)が勧められます。早期発見・早期治療が、重症化や難聴の進行を防ぐために重要です。
合併症
治療しない場合
- 難聴(聞こえの悪さ)が長期間続く、または悪化する
- 感染が耳の周りの骨や脳に広がる(まれですが、危険)
- 慢性化し、繰り返し中耳炎を起こすようになる
- 耳だれが続き、鼓膜に穴が開く(穿孔性中耳炎)
長期的な見通し
多くの中耳炎は、適切な治療を受ければ数週間で回復します。高齢者でも、早期に治療を始めれば、完全に治る可能性が高いです。ただし、難聴が残ることもあるため、治療後も聴力の変化に注意し、必要なら補聴器などの支援を検討しましょう。治療を途中でやめず、医師の指示をしっかり守ることが大切です。希望を持って、前向きに療養してください。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月19日
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