ペースメーカーと共に暮らす
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
ペースメーカーは、心臓が一定のリズムで拍動するように電気の刺激を送る、小さな電池式の装置です。胸の皮膚の下に埋め込まれ、細い電極線(リード)を通して心臓に信号を送ります。心拍が遅すぎたり、不規則なときに、心臓を正常に近いリズムに助けてくれます。
重要な事実
- ペースメーカーは、心臓のリズムを整えるための装置で、多くの人が入れたまま普通の生活を送っています。
- 電池は通常5年から10年で交換時期になります。定期的な点検で電池の残量を確認できます。
- 強い磁気や電波には注意が必要ですが、日常生活のほとんどは制限なく行えます。
世界中で多くの人がペースメーカーと共に暮らしています。日本でも心臓のリズムの病気を持つ人々に広く使われている治療法です。
高齢者に最も多く、心臓の電気信号が加齢や病気でうまく伝わらなくなった場合に必要になります。ただし、若い人や子どもでも、心臓のリズムに深刻な問題がある場合には使われます。
症状
- 意識を失った
- 胸の激しい痛みがある
- 呼吸ができない、または苦しい
- 脈が感じられない、または非常に遅くて倒れそうになる
- ⚠ペースメーカーの傷口が腫れる、赤くなる、膿が出る
- ⚠発熱がある
- ⚠めまいや動悸が続く
- ⚠しゃっくりが止まらない
- ⚠ペースメーカーを入れた側の腕が腫れる
一般的な症状
- めまいやふらつきがする
- 動悸(心臓がバクバクと速く打つ)や脈の不規則さを感じる
- 胸の痛みや圧迫感がある
- ペースメーカーの入っている場所が痛む、腫れる、赤くなる
- 息切れがする
子供の症状
- 子どもでは、落ち着きがない、顔色が悪い、食欲がない、疲れやすいなどの様子が見られることがあります。
- ペースメーカーの入っている場所に腫れや赤みがないかも確認しましょう。
高齢者の症状
- 高齢者では、めまいや失神、転倒、ぼんやりすることに注意が必要です。
- 少し動いただけで息切れする、体がだるいなどもサインになります。
原因
主な原因
- 心臓のリズムを作る部分(洞結節)の働きが弱る「洞不全症候群」
- 心臓の電気信号が途中で伝わらなくなる「房室ブロック」
- 心臓手術や心筋梗塞の後に電気信号の通り道に障害ができる
- 一部の薬の副作用で心拍が遅くなりすぎる
リスク要因
- 心臓病(心筋梗塞、心不全など)
- 高血圧や糖尿病などの生活習慣病
- 心臓の手術の既往がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 「症状」の項目で挙げた緊急の症状(意識を失う、胸の激しい痛みなど)があれば、ためらわずに119番を呼んでください。
- めまいやふらつき、傷口の異常などの急な変化は、その日のうちに病院に連絡しましょう。
定期受診を予約すべき場合:
- ペースメーカー外来での定期的な点検(通常は半年~1年に1回程度)を必ず受けてください。
- 電池の交換時期についても、外来で医師から説明があります。
診断
ペースメーカーが必要かどうかは、心臓の電気信号を調べる心電図や、24時間以上の心電図を記録するホルター心電図などをもとに、循環器専門医が総合的に判断します。すでにペースメーカーを入れている人は、外来で装置の状態を定期的に点検します。
行われる可能性のある検査
- 心電図(心臓の電気活動を調べる検査)
- ホルター心電図(24時間以上心拍を記録する検査)
- ペースメーカー外来での装置チェック(電池残量やリードの状態の確認)
診察で予想されること
ペースメーカー外来では、機械の上に機器をかざすだけで、数分で装置の状態を確認できます。痛みはありません。結果に基づいて、設定を調整したり、交換時期を計画したりします。
治療
ペースメーカー治療では、小さな手術で装置を胸の皮膚の下に埋め込みます。手術は通常、局所麻酔で行われ、多くの人は1週間以内に退院できます。ペースメーカーを入れることで、心拍が安定し、めまいや息切れなどの症状が改善されることが期待できます。
自宅でのセルフケア
- 手術後は、医師の指示に従って入浴や傷口のケアを行ってください。
- 術後数週間は、ペースメーカーを入れた側の腕を大きく動かしたり、重い物を持ったりしないでください。
- 傷口が乾いた状態を保ち、異常があればすぐに連絡してください。
- ペースメーカー手帳(携帯用のIDカード)を常に持ち歩きましょう。
医療治療
ペースメーカーは心臓のリズムを保つための主な治療です。その他に、心臓への負担を減らす薬や、原因となる病気の治療が行われることがあります。処方された薬は、医師の指示に従って飲み続けることが大切です。市販薬やサプリメントを始める前にも、医師や薬剤師に相談してください。
手術が検討される場合
電池の残量が少なくなったときや、リードにトラブルがあったときに、交換のための手術を行います。通常は入院を伴う短い手術です。健康な状態を保てば、ペースメーカーは長く使い続けられます。
この病気と共に生きる
ペースメーカーと共に、仕事や家事、趣味などほぼ普段どおりの生活ができます。注意すべきは、強い磁気や電波を持つ機器を胸の近くに置かないことです。例えば、スマートフォンは胸のポケットではなく、カバンやズボンのポケットに入れましょう。また、医療機関でMRIや電気メスなどを使う予定があれば、ペースメーカーを入れていることを必ず伝えてください。
生活習慣のアドバイス
- スマートフォンやワイヤレスイヤホンは胸から15センチ以上離して使う
- 金属探知機や空港の検査ゲートでは、ペースメーカー手帳を提示する
- 体温や心拍に負担をかける激しいスポーツは医師に相談してから行う
- 飲酒は控えめにし、禁煙を心がける
- 旅行や遠出の際もペースメーカー手帳を忘れない
食事と運動
特に制限がない場合は、塩分を控えめにしたバランスの良い食事を心がけ、ウォーキングなどの軽い運動を続けることが心臓の健康につながります。ただし、どこまで運動してよいかは、自分の心臓の状態に合わせて医師に確認しましょう。
精神的健康と心の健康
ペースメーカーを入れた後、装置に頼る生活に不安を感じることは自然なことです。また、手術後の体調の変化や将来への不安から、気分が落ち込むこともあります。眠れない、食欲がない、気分が沈むなどの状態が続く場合は、一人で抱え込まず、医師や看護師、心の健康の専門家に相談してください。あなたの気持ちを話せる人を見つけることも大切です。
予防
ペースメーカーが必要になる心臓のリズムの病気は、加齢や心臓の病気が原因となることが多く、完全に予防することは難しい場合があります。しかし、心臓に良い生活習慣(禁煙、適度な運動、塩分を控えた食事、睡眠をしっかりとる)を続けることは、心臓全体の健康を守るために役立ちます。
ワクチン
感染症は心臓に大きな負担をかけることがあります。インフルエンザや肺炎などの予防接種について、かかりつけ医と相談して受けることをおすすめします。
検診プログラム
ペースメーカーを入れている場合、定期的な外来での装置チェックと心電図検査があなたの健康を守る「定期点検」です。少しでも異変を感じたら、次回の予約を待たずに連絡しましょう。
合併症
治療しない場合
- ペースメーカーの点検を怠ると、電池切れやリードの不調に気づかず、めまいや失神が起こる可能性があります。
- 感染症や血腫(血液のかたまり)などの合併症が治療されないと、装置の入れ替えが必要になることがあります。
- 電磁波の影響を避ける注意を守らないと、ペースメーカーが一時的に誤作動することがあります。
長期的な見通し
ペースメーカーは、心臓のリズムの問題による症状を大きく改善し、多くの人に安全と安心をもたらします。適切なフォローアップを続ければ、普段の生活や仕事、楽しみをほとんど制限なく続けることができます。あなたのペースで、医療チームと一緒にこの生活を安心して送っていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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