小児の前糖尿病(糖尿病予備群)と生活習慣
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
前糖尿病(ぜんとうにょうびょう)は、血糖値(血液中の糖の量)が正常より高くなっているが、まだ糖尿病とは診断されていない状態です。これは、からだがインスリン(血糖を下げるホルモン)をうまく使えなくなっているサインです。放置すると2型糖尿病に進む可能性がありますが、生活習慣を見直すことで正常に戻ることも可能です。
重要な事実
- 前糖尿病は、将来の糖尿病や心臓病のリスクを高める状態です。
- 子供でも、肥満や運動不足が原因で前糖尿病になることがあります。
- 早期に生活習慣を改善すれば、血糖値が正常に戻る可能性が高いです。
- 小児の前糖尿病は、多くの場合症状がありません。
近年、子供の肥満が増えていることから、小児の前糖尿病も増加傾向にあります。日本でも、特に思春期の子供で見られることがあります。
主に、太り気味の子供、運動不足の子供、家族に糖尿病の人がいる子供に多く見られます。また、特定の民族(日本人を含むアジア系)はリスクがやや高いとされています。
症状
- 意識がもうろうとしている
- 呼吸が速く深い
- 吐き気やおう吐が止まらない
- 激しい腹痛
- ⚠血糖値が非常に高い(医師から指示された数値を超える)
- ⚠のどの渇きや頻尿が急に悪化した
- ⚠体重が急激に減った
一般的な症状
- 多くの場合、症状はありません。
- のどの渇き
- 頻尿(トイレが近くなる)
- 疲れやすい
- 体重減少(原因不明)
子供の症状
- 子供は症状を感じにくく、気づかれないことが多いです。
- 学校の健康診断で尿糖や血糖が高めと指摘されることがあります。
- 体重が急に増えた、または減った場合に注意が必要です。
高齢者の症状
- この記事は小児対象のため、高齢者の症状は省略します。
原因
主な原因
- インスリンの働きが悪くなる(インスリン抵抗性)
- すい臓のインスリン分泌量が足りなくなる
リスク要因
- 肥満(特に腹部に脂肪がつく)
- 運動不足
- 不健康な食事(高カロリー、高脂質、糖分の多い飲み物やお菓子)
- 家族に2型糖尿病の人がいる
- 特定の民族背景(日本人を含むアジア系)
- 妊娠中に母親が糖尿病だった(妊娠糖尿病)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状が見られる場合
定期受診を予約すべき場合:
- 学校検診やかかりつけ医で血糖値が高めと指摘されたとき
- 肥満が気になる場合
- のどの渇きや頻尿が続く場合
- 家族に糖尿病の人がいて、子供の健康が心配なとき
診断
医師が血液検査を行い、血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー:過去1~2か月の平均血糖を示す指標)を測定して診断します。
行われる可能性のある検査
- 空腹時血糖値(8時間以上何も食べずに測る血糖)
- 経口ブドウ糖負荷試験(糖水を飲んでから血糖の変化を調べる)
- HbA1c(グリコヘモグロビン)
診察で予想されること
診断は通常、小児科または内科で行われます。検査は採血のみで、特別な痛みはありません。結果が出るまでに数日かかることがあります。医師は結果に基づいて、生活習慣改善のアドバイスや、必要に応じて専門医への紹介を行います。
治療
小児の前糖尿病の治療の基本は生活習慣の改善です。早期に対応すれば、薬を使わずに血糖値を正常に戻せる可能性が高いです。
自宅でのセルフケア
- バランスの良い食事(野菜を多く、糖分や脂質を控える)
- 適度な運動(毎日60分程度の体を動かす遊びやスポーツ)
- テレビやゲームの時間を減らす
- 十分な睡眠をとる
- 家族全員で健康的な生活習慣を心がける
医療治療
生活習慣改善だけでは血糖値が改善しない場合や、リスクが高い場合には、医師が経過観察やさらなる検査を勧めることがあります。小児では薬物療法はまれですが、必要に応じて医師が判断します。
手術が検討される場合
前糖尿病に対する手術はありません。
この病気と共に生きる
前糖尿病の子供は、特別な治療が必要なわけではありませんが、毎日の生活で血糖値に気を配ることが大切です。規則正しい食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 学校や家庭で、健康的な食事と運動の習慣を続ける
- 定期的に血糖値をチェック(医師の指示に従う)
- ストレスをためないようにする
- タバコやアルコールはもちろん避ける(将来も含めて)
食事と運動
食事は、野菜、果物、全粒穀物、魚、鶏肉などバランスよく。糖分の多い飲み物やお菓子は控えめに。運動は、好きなスポーツや外遊びを毎日1時間程度行うと良いです。家族で一緒に取り組むと続けやすいです。
精神的健康と心の健康
『病気』と聞くと不安になるかもしれませんが、前糖尿病は予防可能で、多くの場合改善できます。子供が自分を責めたり、いじめられたりしないよう、周りの大人がサポートすることが大切です。必要なら学校の先生やカウンセラーに相談しましょう。
予防
はい、生活習慣を改善することで前糖尿病を予防したり、改善したりできます。特に、健康的な体重を維持し、体をよく動かし、栄養バランスの良い食事をとることが重要です。
合併症
治療しない場合
- 2型糖尿病に進行するリスクが高まる
- 将来、心臓病や脳卒中、腎臓病などの合併症を起こしやすくなる
- 目の病気(網膜症)や神経の障害のリスクも高まる
長期的な見通し
前糖尿病は、早期に生活習慣を改善すれば、多くの場合血糖値が正常に戻ります。子供のうちに対策をとることで、健康な大人になる可能性が大きく広がります。希望を持って、一歩ずつ取り組んでいきましょう。
サポートを探す
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。