妊娠中のプレ糖尿病と生活習慣
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
プレ糖尿病(糖尿病予備群)とは、血糖値が正常より高いけれど、糖尿病と診断されるほど高くない状態のことです。妊娠中にこの状態になると、妊娠糖尿病になるリスクが高まります。適切な生活習慣を整えることで、血糖値をコントロールし、健康なお産に備えることができます。
重要な事実
- 妊娠中のプレ糖尿病は、多くの場合、出産後には正常に戻ります。
- 血糖値を管理することで、赤ちゃんの健康リスクを減らせます。
- 食事と運動が治療の中心です。
- 医師や助産師の指導のもと、血糖値を定期的にチェックします。
妊娠中のプレ糖尿病は、日本人女性の約10~15%に見られると言われています。最近では増加傾向にあります。
妊娠中に体重が増えすぎた方、家族に糖尿病の方がいる方、35歳以上で妊娠された方などはリスクが高いとされています。
症状
- 意識がぼんやりする、呼びかけに反応しない
- 急に息が苦しくなる
- 激しい頭痛や腹痛がある
- ⚠血糖値が非常に高い(医師から指示された基準以上)
- ⚠吐き気や嘔吐が続く
- ⚠いつもより胎動が少ないと感じる
一般的な症状
- 特に自覚症状がないことが多いです。
- のどが渇きやすい、尿の量が増える、疲れやすいなどの症状が出ることもあります。
子供の症状
- この症状は子どもには当てはまりませんが、妊娠中の血糖コントロールが悪いと、赤ちゃんに影響が出ることがあります。
高齢者の症状
- この症状は高齢者特有のものではありません。ただし、妊娠中のプレ糖尿病は年齢が高いほどリスクが上がります。
原因
主な原因
- 妊娠中は胎盤から出るホルモンの影響でインスリン(血糖を下げるホルモン)が効きにくくなります。これがプレ糖尿病の主な原因です。
- 体重増加や遺伝的要因も関係します。
リスク要因
- 糖尿病の家族歴がある
- 妊娠前から体重が多め(BMIが25以上)
- 35歳以上の妊娠
- 過去の妊娠で妊娠糖尿病になったことがある
- 運動不足
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 血糖値が非常に高いと感じたとき(例:自己測定で医師から指示された値以上)
- 異常なのどの渇きや頻尿が急に出てきたとき
定期受診を予約すべき場合:
- 妊娠初期の健診で血糖値が指摘されたとき
- 妊娠24~28週の糖負荷検査(ブドウ糖を飲んで血糖値を調べる検査)を受けるとき
- 食事や運動の相談をしたいとき
診断
妊娠中のプレ糖尿病は、通常の妊婦健診で行われる血液検査で見つかることがほとんどです。特に妊娠24~28週に「糖負荷試験」という検査を行います。
行われる可能性のある検査
- 空腹時血糖値検査(朝食前の血糖値を測る)
- 糖負荷試験(75gのブドウ糖を飲み、1時間後と2時間後の血糖値を測る)
- 随時血糖値検査(食事に関係なく測る)
診察で予想されること
検査は簡単で、採血のみです。糖負荷試験では、甘い飲み物を飲む必要がありますが、痛みはありません。結果によっては、再度検査することもあります。
治療
治療の基本は、食事療法と運動療法です。ほとんどの方は生活習慣の改善だけで血糖値を正常範囲に保てます。それでも改善しない場合、医師が必要に応じて薬を検討することもあります。
自宅でのセルフケア
- 1日3回のバランスの良い食事を規則正しくとる
- 甘い飲み物やお菓子を控え、野菜や全粒穀物を積極的に食べる
- 毎日30分程度の軽い運動(ウォーキングなど)を医師の許可を得て行う
- 血糖値を自己測定し、記録する(医師から指示があった場合)
- 体重増加を適切に管理する(医師の目標範囲内に保つ)
医療治療
生活習慣を改善しても血糖値が高いままの場合は、医師が血糖値を下げる薬を処方することがあります。また、インスリン注射が必要になることもありますが、いずれも医師の指示のもとで使用します。
手術が検討される場合
この症状に対して手術が必要になることはありません。
この病気と共に生きる
プレ糖尿病があっても、普段の生活を大きく変える必要はありません。食事と運動に気をつけ、定期的に血糖値を測ることで、ほとんどの方は元気に過ごせます。
生活習慣のアドバイス
- ストレスをためないようにリラックスする時間を作る
- 十分な睡眠をとる
- 禁煙する(喫煙は赤ちゃんに悪影響)
- アルコールは妊娠中は避ける
食事と運動
食事は炭水化物(ご飯、パン、麺類)の量を調整し、たんぱく質(魚、肉、豆腐)と野菜を十分にとりましょう。運動はウォーキングやマタニティヨガなど、医師に相談した上で無理のない範囲で行ってください。
精神的健康と心の健康
妊娠中に血糖値が気になると、不安やストレスを感じることもあるでしょう。そうした感情は自然なことです。赤ちゃんのためと思いすぎず、パートナーや医療者に相談してください。
予防
妊娠前から健康的な体重を維持し、バランスの良い食事と運動を心がけることで、プレ糖尿病のリスクを減らせます。完全に防ぐことはできませんが、リスクを下げることは可能です。
ワクチン
この症状にはワクチンは関係ありません。
検診プログラム
妊娠初期や中期に血糖検査を受けることが推奨されています。特にリスクの高い方は、早めに検査を受けましょう。
合併症
治療しない場合
- 血糖値が高いまま放置すると、赤ちゃんが大きくなりすぎて(巨大児)、出産時に肩がつまることがあります。
- 新生児の低血糖(産まれた後に血糖値が下がる)のリスクが高まります。
- お母さんが将来、2型糖尿病になるリスクが上がります。
長期的な見通し
妊娠中のプレ糖尿病は、多くの場合、出産後に血糖値は正常に戻ります。しかし、将来の糖尿病予防のために、出産後も健康的な生活習慣を続けることが大切です。適切に対処すれば、赤ちゃんもお母さんも元気に過ごせますので、安心してください。
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地域の団体
- 厚生労働省 妊娠と糖尿病に関する情報 ↗ · 日本
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月30日
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