前立腺がんサバイバーのための生活とフォローアップの手引き
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
前立腺がんサバイバーシップとは、前立腺がんの診断から、治療の間、そして治療が終わった後も長く続く「生きること」全体を指します。ここでは、治療を受けた人を対象に、経過観察や生活の工夫、よくある悩みへの対処法を、わかりやすくご説明します。
重要な事実
- 前立腺がんは日本人男性で最も多いがんのひとつです。
- 治療後も定期的なフォローアップ(経過観察)が続きます。PSAという血液検査で再発や進行の有無を確認します。
- 治療の影響(排尿や性機能、疲れなど)は、多くの場合、リハビリや生活の工夫で改善できます。
とてもよくあるがんです。男性の50歳を過ぎると診断される人が増え、日本でも近年も増え続けています。
主に50歳以上の男性です。高齢になるほどかかりやすく、家族に前立腺がんの人がいるとリスクが高くなります。
症状
- これらの症状があれば、ためらわずに119番へ通報してください
- 急に息が苦しい、胸の痛みがある。
- 突然、尿がまったく出なくなった。
- 意識がぼんやりする、片側の手足が動かない。
- 大量の出血や高熱(38度以上)が続く。
- ⚠翌日までに受診したい症状
- ⚠腰や背中、骨に強い痛みがある。
- ⚠排尿の時に痛みがあり、血が混じる。
- ⚠足の片方だけが赤く腫れて熱を持つ。
- ⚠体重が急に減った、食欲がない。
一般的な症状
- 治療後に尿が漏れやすい、尿のキレが悪い。
- 勃起しにくい、性欲が変わった。
- だるさ・疲れが続く。
- ほてりや寝汗などの身体の変化。
原因
主な原因
- 前立腺がんの正確な原因はまだわかっていません。加齢にともなう遺伝子の変化が関係していると考えられています。
リスク要因
- 年齢(50歳以上で増える)
- 家族歴(父や兄弟に前立腺がんの人がいる)
- 人種・民族(アフリカ系男性に多い)
- 高脂肪・赤肉中心の食事
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合。
- 尿が出ない、痛みが強い、高熱がある場合はすぐに医療機関へ。
定期受診を予約すべき場合:
- 治療が終わったあとも、医師が指定する間隔でフォローアップの予約をしましょう。
- PSA検査の結果を確認するため
- 治療の副作用や気になる症状について相談するため
診断
すでに前立腺がんと診断されている方向けの経過観察では、主にPSAという血液検査と、必要に応じて画像検査(CTやMRIなど)を行います。治療後の状態を確認し、再発がないかどうかをチェックします。
行われる可能性のある検査
- PSA血液検査
- 直腸診(肛門から触診する検査)
- MRI・CTなどの画像検査
- 必要に応じて骨シンチグラフィ(骨への広がりを調べる検査)
診察で予想されること
定期的に病院を訪れ、採血と診察を受けます。痛みや不快感はほとんどなく、数時間で終わります。結果は当日から数日かかることがあります。どんな質問でも医師に聞けるように、聞いておきたいことをメモしていきましょう。
治療
前立腺がんの治療には、手術、放射線治療、ホルモン治療、経過観察(PSA監視)などがあります。治療後も、ホルモン治療が続くこともあります。どの治療を選ぶかは、がんの広がりや年齢、体力、本人の希望を考慮して、医師と話し合って決めます。
自宅でのセルフケア
- 骨盤底筋体操を続けて尿漏れに備える。
- 運動やストレッチで体力を維持する。
- 疲れすぎないように、休憩を入れる。
- 飲酒やたばこを控える。
医療治療
がんの進行や再発を予防するために、ホルモン療法が続くことがあります。ホルモン療法は、精巣から出る男性ホルモンの働きをおさえて、がんの増殖を抑える治療です。また、放射線治療や手術後の補助治療として行われることもあります。具体的な治療法や期間は医師が個別に説明します。薬の種類や量については必ず医師に相談してください。
手術が検討される場合
前立腺を摘除する手術を受けた場合、尿漏れや勃起機能の変化が起こることがあります。これらの問題を和らげるリハビリテーション(骨盤底筋体操など)や生活の工夫があるので、泌尿器科医や看護師に相談しましょう。
この病気と共に生きる
治療後は、定期的に通院しながら、仕事や趣味など普段の生活を無理なく続けることが大切です。排尿のコントロールが難しいときは、パッドや尿器などの生活用具を上手に使いましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日30分ほど歩くなど、軽い運動を続ける。
- 禁煙し、お酒はほどほどにする。
- 睡眠を十分にとり、疲れをためない。
- 困ったときは、家族や医療者に話す。
食事と運動
野菜や果物、魚を中心としたバランスのよい食事を心がけましょう。脂肪の多い肉や加工肉をとりすぎないようにし、適度な運動を続けることが、再発予防や生活の質の維持につながります。
精神的健康と心の健康
治療後の不安や気分の落ち込みは、がん経験者の多くが経験します。ひとりで抱え込まず、医師や看護師、臨床心理士などの専門家に相談することが大切です。つらい気持ちは、れっきとした症状のひとつです。
予防
前立腺がんを完全に予防できる確実な方法はまだありません。しかし、健康的な食事と運動習慣、肥満の回避が、がんのリスクを下げる可能性があります。治療後は、再発予防のために医師の指示に従うことが大切です。
ワクチン
現在、前立腺がんを予防するためのワクチンはありません。
検診プログラム
PSA検診は、前立腺がんの早期発見に役立ちます。厚生労働省では、50歳以上の男性に対して、受けたい人にはPSA検査が行われるように指針を示しています。ただし、検診の利益と不利益(偽陽性など)があるため、希望する場合は医師と相談のうえ受けることが大切です。
合併症
治療しない場合
- 治療を中断したり、フォローアップを続けないと、がんが再発・進行し、骨などに転移する可能性があります。
- 骨転移は痛みや骨折の原因になることがあります。
長期的な見通し
前立腺がんは進行がゆっくりで、治療後も長期間元気に過ごせる方が多い病気です。たとえ再発しても、治療法は複数あり、状態に合わせて選ぶことができます。希望を持って、治療を続けていきましょう。
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月31日
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