Psoriasis in children
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
乾癬(かんせん)は、免疫(めんえき)の働きが原因で皮膚が赤くなり、銀色のフケのようなかさぶたができる病気です。子どもにも起こることがあり、かゆみや痛みを伴うことがあります。感染症ではないので、人にうつることはありません。
重要な事実
- 乾癬は免疫の異常によって起こる慢性的な皮膚の病気です
- 完治は難しいですが、治療で症状をしっかりコントロールできます
- 子どもでも発症することがあり、早めの対応が大切です
子どもではあまり多くありませんが、日本でも約1000人に1人程度の割合で見られます。
子どもから大人まで誰でも発症する可能性があります。特に家族に乾癬の人がいる場合に起こりやすいとされています。
症状
- 皮膚が急に腫れて赤くなり、熱(発熱)がある
- 痛みが強くて歩けない、動かせない
- 全身に広がる赤みや水ぶくれがある
- ⚠ひどいかゆみで眠れない、日常生活に支障が出ている
- ⚠関節が腫れて痛い
- ⚠家庭でのケアでは症状が悪くなる一方
一般的な症状
- 皮膚に赤い盛り上がった部分(局面)ができる
- その上に銀白色の薄い皮(鱗屑)が重なる
- かゆみやヒリヒリ感がある
- 爪に小さなくぼみや変色が見られる
子供の症状
- 赤みやかゆみが強く出ることがある
- 頭やおむつ周り、ひじ・ひざの外側にできやすい
- かゆくて眠れないことがある
- 泣いたり機嫌が悪くなることもある
高齢者の症状
- 皮膚の症状が厚くなりやすい
- 関節の痛み(関節症性乾癬)を伴うことがある
- 爪の変化が目立つことが多い
原因
主な原因
- 免疫のシステムが過剰に働き、皮膚の新陳代謝(新しい皮膚が作られるサイクル)が異常に早くなること
- 遺伝的な体質(家族に乾癬の人がいると起こりやすい)
- きっかけとしては、のどの感染症、ストレス、けが、特定の薬など
リスク要因
- 家族に乾癬の人がいる
- 子どもでは、特にのどの感染症(溶連菌感染症)がきっかけになることがある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 症状が急に悪化して広がった
- 関節が腫れて痛い
- 38度以上の熱がある
定期受診を予約すべき場合:
- 皮膚に赤いかさぶたが数週間以上続く
- かゆみや見た目が気になる
- 市販の保湿剤などで良くならない
診断
医師が皮膚の見た目や症状の経過を確認して診断します。必要に応じて、皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べることもあります。
行われる可能性のある検査
- 視診(見た目の診察)
- 問診(症状の経過や家族歴の聞き取り)
- 皮膚生検(皮膚の組織を少し取って調べる検査、必要な場合のみ)
診察で予想されること
診察では、症状の写真を見せたり、いつからどんな感じか伝えましょう。痛みやかゆみがどれくらい日常生活に影響しているかも話すと、より適切なアドバイスがもらえます。
治療
乾癬の治療は症状の程度や子どもの年齢に合わせて行います。主に皮膚に塗る薬、光を当てる治療、飲み薬や注射などの全身治療があります。治療の目標は症状を抑え、きれいな肌を長く保つことです。
自宅でのセルフケア
- 保湿ケアを毎日行い、肌を清潔に保つ
- 刺激の少ない石けんや洗剤を使う
- 爪を短く切り、かきこわしを防ぐ
- ストレスをためないように遊びや休息の時間を確保する
医療治療
医師の指導のもと、炎症を抑える塗り薬(ステロイドやビタミンD3の仲間)や、紫外線を使った光線療法、症状が重い場合には免疫を調整する内服薬や注射薬が検討されます。治療薬の選択は医師が子どもの状態に合わせて行います。
手術が検討される場合
乾癬自体に手術が必要になることはほとんどありません。ただし、関節の痛みがひどい場合など、他の専門医と連携して対応することがあります。
この病気と共に生きる
乾癬がある子どもでも、学校生活や友達との遊びは十分可能です。症状が出ている部分を隠したがることもありますが、周りの理解があれば普通に過ごせます。保湿や薬のケアを習慣にしましょう。
生活習慣のアドバイス
- お風呂で優しく洗い、タオルでこすらずに押さえるように拭く
- 綿の肌着など通気性の良い服を選ぶ
- 規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠をとる
食事と運動
特別な食事制限はありませんが、バランスの良い食事と適度な運動は免疫力や気分の安定に役立ちます。プールや体育の授業も、医師に相談すれば多くの場合参加できます。
精神的健康と心の健康
見た目が気になる、かゆくて寝られないなど、子どもにもストレスになることがあります。いじめや孤独感を感じることもあるため、家族や学校の先生がしっかり話を聞いてあげることが大切です。必要ならカウンセリングも検討しましょう。
予防
乾癬は完全に予防することはできません。しかし、のどの感染症をしっかり治す、ストレスを減らす、肌を乾燥させないなどの対策で、発症や再発を抑えられる可能性があります。
ワクチン
インフルエンザなどの定期予防接種は基本的に受けて問題ありません。ただし、治療で免疫を抑える薬を使っている場合は、医師に相談してからにしましょう。
検診プログラム
乾癬そのものを早期に見つけるための特別な検査はありません。皮膚に気になる症状があれば早めに皮膚科を受診しましょう。
合併症
治療しない場合
- 症状が広がり、全身に赤みやかさぶたができる「乾癬性紅皮症」になることがある
- 関節に痛みや腫れが出る「乾癬性関節炎」を起こすことがある
- かゆみや見た目の悩みから、うつや不安などの精神的な問題につながることがある
長期的な見通し
乾癬は適切な治療を続ければ、多くの子どもで症状をきれいに抑えられます。成長とともに軽くなる場合もあり、普通の学校生活やスポーツを楽しむことができます。医師と一緒に長く付き合っていく病気だと考えましょう。
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情報源とガイダンス
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最終更新: 2026年7月18日
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