Sciatica living in adults
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)とは、腰やお尻から足にかけて走る大きな神経(坐骨神経)が刺激されたり圧迫されたりすることで起こる痛みやしびれのことです。多くの場合は、腰の椎間板(ついかんばん)というクッションの役割をする部分が飛び出して神経を圧迫することで起こります。
重要な事実
- 坐骨神経痛は症状の名前であり、病気そのものではありません。
- 多くの人は数週間から数ヶ月で自然に改善します。
- 治療の基本は保存療法(手術をしない治療)で、特別な治療をしなくても約8割の人が良くなります。
- 重い症状(失禁や足の麻痺など)はすぐに医療機関を受診する必要があります。
はい、とても一般的な症状です。生涯に約4割の人が一度は経験すると言われています。特に40代から60代に多く見られます。
坐骨神経痛は成人であれば誰にでも起こり得ますが、特に長時間座っている仕事をしている人、重いものを持ち上げる仕事をしている人、肥満の人、また加齢による腰椎の変化がある人に多く見られます。
症状
- 突然、足に力が入らず歩けなくなった
- おしっこやうんちの感覚がなくなり、漏らしてしまう(失禁)
- お尻や太ももの内側の感覚がなくなる(馬鞍部麻痺)
- 両方の脚に急激なしびれや麻痺が広がる
- ⚠痛みが強くて日常生活が送れない
- ⚠次第に症状が悪化している
- ⚠けがや事故の後に症状が現れた
- ⚠発熱や体重減少などの全身症状を伴う
一般的な症状
- 腰やお尻から太ももの裏、ふくらはぎ、足先にかけての痛みやしびれ
- 片側の脚に症状が出ることが多いが、両側に出ることもある
- 痛みが「電気が走るような」「焼けるような」「刺すような」と表現されることがある
- 咳やくしゃみ、いきみで痛みが強くなる
- 長時間座ったり立ち続けたりすると症状が悪化し、横になると楽になる
子供の症状
- 子どもでは坐骨神経痛はまれですが、成長期の腰椎の負担やスポーツによるけがが原因になることがあります。お尻や足の痛み・しびれを訴えたら、早めに小児科や整形外科を受診しましょう。
高齢者の症状
- 高齢者では加齢による腰椎の変形や脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)が原因で起こりやすくなります。
- 痛みに加えて、足の冷えや歩行時のふらつき、間欠性跛行(かんけつせいはこう:しばらく歩くと痛みやしびれが強くなり、休むと治る)などの症状が見られます。
原因
主な原因
- 腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんヘルニア):椎間板の中身が飛び出して神経を圧迫する
- 腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう):脊柱管が狭くなって神経が圧迫される
- 腰椎すべり症:背骨がずれて神経を圧迫する
- 梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん):お尻の筋肉が坐骨神経を圧迫する
- その他:脊椎腫瘍、感染症、骨粗しょう症による圧迫骨折など(まれ)
リスク要因
- 加齢(特に40歳以上)
- 長時間の座位やデスクワーク
- 重いものを持ち上げる仕事やスポーツ
- 喫煙(椎間板の血流を悪くする)
- 遺伝的要因(家族に椎間板ヘルニアの人がいる)
- 不適切な姿勢や体の使い方
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記「callEmergency」の症状がある場合
- 急に足が動かせなくなった、または感覚がなくなった
- 両脚に症状があり、かつ膀胱や直腸のコントロールができない
定期受診を予約すべき場合:
- 数週間以上続く腰や脚の痛み・しびれがある
- 痛みで仕事や日常生活に支障が出ている
- 市販の鎮痛薬を使っても改善しない
- 症状が徐々に強くなっている
診断
医師はまずあなたの症状や経過、仕事や生活習慣について詳しく聞きます(問診)。次に、脚の筋力や感覚、反射を調べる神経学的診察を行います。これで多くの場合、坐骨神経痛かどうかの見当がつきます。
行われる可能性のある検査
- 画像検査:レントゲン、MRI(磁気共鳴画像)、CT(コンピューター断層撮影)など。MRIは神経や椎間板の状態を詳しく見るのに役立ちます。
- 神経伝導検査:神経の通り道を調べる検査(必要な場合のみ)。
診察で予想されること
診断のために特別な準備は必要ありません。検査は痛みを伴わないものがほとんどです。MRIは大きな音がしますが、痛みはありません。診断結果に基づいて、あなたに合った治療計画を医師が提案します。
治療
坐骨神経痛の治療は、まず手術をしない保存療法が中心です。ほとんどの方は保存療法で改善します。痛みが強い時期は安静にし、症状が落ち着いたらリハビリや運動を始めます。症状が長引いたり、神経の圧迫が強い場合は、手術を検討することもあります。
自宅でのセルフケア
- 痛みが強い最初の数日間は、無理をせず安静にする。ただし、完全に寝たきりにならないようにする(適度に動かすことが大切)。
- 痛みを和らげる姿勢を見つける(例えば、膝を曲げて横向きに寝る、仰向けで膝の下に枕を入れるなど)。
- 温めるか冷やすか:急性期(発症から48時間以内)は冷やすと炎症が抑えられます。慢性期のこわばりには温めると血流が良くなります。自分に合う方を試してみてください。
- 長時間同じ姿勢を続けない。30分に一度は立ち上がって軽く歩く。
- 重いものを持ち上げるときは、腰を丸めずに膝を曲げて行う。
医療治療
薬物療法としては、痛みや炎症を抑えるための内服薬や外用薬、筋肉の緊張を和らげる薬、神経の異常な興奮を抑える薬などが処方されることがあります。物理療法としては、牽引(引っ張る治療)や温熱療法、電気刺激などがあります。また、炎症を直接抑えるために、医師がステロイド注射を行うこともあります。これらの治療法は、症状や原因に応じて医師が選択します。
手術が検討される場合
保存療法を3〜6ヶ月続けても症状が改善しない場合、または足の筋力低下や膀胱・直腸の障害(失禁など)がある場合は、手術が検討されます。手術には、飛び出した椎間板を摘出する方法や、脊柱管を広げる方法などがあります。手術を受けるかどうかは、医師と十分に相談して決めましょう。
この病気と共に生きる
坐骨神経痛とうまく付き合うには、痛みをコントロールしながら安全に活動することが大切です。痛みが強いときは無理をせず休む、症状が落ち着いたら少しずつ体を動かす、というバランスを心がけましょう。仕事や家事のときは、腰に負担のかからない姿勢や道具を工夫すると良いです。
生活習慣のアドバイス
- 姿勢に気をつける:立つときは背筋を伸ばし、座るときは腰を支えるクッションを使う。
- 適度な運動を続ける:ウォーキングや水中ウォーキングなど、腰に負担の少ない運動は血流を良くし、症状の改善に役立ちます。
- ストレス管理:ストレスは痛みを悪化させることがあります。趣味やリラクゼーションで気分転換を。
- 睡眠環境を整える:硬すぎず柔らかすぎないマットレスを選び、寝るときの姿勢に注意する。
食事と運動
特別な食事療法はありませんが、バランスの良い食事を心がけ、肥満の予防・改善に努めましょう。体重が増えると腰への負担が増えます。運動は、医師や理学療法士の指導のもと、腰の筋肉や腹筋、背筋を鍛えるストレッチや筋力トレーニングを徐々に行います。ヨガやピラティスも効果的ですが、痛みを感じる動きは避けてください。
精神的健康と心の健康
慢性的な痛みは、不安やイライラ、気分の落ち込みを引き起こすことがあります。痛みに支配されないように、できることから少しずつ取り組み、できたことを認めることが大切です。必要に応じて、心理カウンセリングを受けることも選択肢の一つです。症状について周囲に理解を求め、サポートを受けることも助けになります。
予防
完全に予防することは難しいですが、リスクを減らすことはできます。日常的に正しい姿勢を保ち、腰に負担をかけない動作を心がけることが大切です。また、適度な運動で体幹(腹筋や背筋)を鍛えると、腰の安定性が高まります。健康的な体重を維持し、喫煙を避けることも予防に役立ちます。
検診プログラム
特に定期的なスクリーニング検査は推奨されていません。ただし、症状がある場合やリスクが高い人は、早めに医療機関で相談することをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 慢性化して長期間痛みが続く
- 筋力低下(特に足の筋肉が衰える)
- 感覚障害(しびれや感覚が鈍くなる)
- まれに、膀胱や直腸の機能障害(失禁)が残る
- うつ病や慢性疼痛症候群を併発することがある
長期的な見通し
ほとんどの坐骨神経痛は、適切な治療と自己管理によって改善します。たとえ症状が長引いても、多くの場合、手術をせずに日常生活に戻ることができます。焦らず、自分のペースで治療に取り組み、専門医のアドバイスを活用してください。希望を持って前向きに取り組むことが、回復への近道です。
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月27日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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