Sinusitis patient overview
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
副鼻腔炎(ふくびくうえん)は、鼻の周りにある副鼻腔(ふくびくう)という空洞に炎症(えんしょう)が起こる病気です。副鼻腔は鼻の奥とつながっており、風邪などで炎症が広がると、鼻づまりや頭痛などの症状が出ます。多くの場合、適切な対処で改善します。
重要な事実
- 副鼻腔炎は、多くは風邪(かぜ)の後に起こります。
- 症状が長く続く場合は、慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)になることがあります。
- 治療には、自宅でできるケアと医師による治療があります。
はい、非常に一般的な病気です。日本人の約10人に1人が経験すると言われています。特に冬場や春先に増える傾向があります。
年齢を問わず誰にでも起こりえますが、アレルギー体質の方、鼻の形に問題がある方、免疫力が低下している方に多い傾向があります。子どもや高齢者も注意が必要です。
症状
- 目がはれていて、痛みが強く、まぶたを動かせない
- 視力が急に低下した
- 意識がぼんやりしたり、話しづらい
- 急に高熱(39度以上)が出て、首が硬い
- ⚠症状が10日以上続く、または一度よくなってから悪化した
- ⚠強い頭痛や顔の痛みが続く
- ⚠発熱が続く
- ⚠目の周りがはれてきた
一般的な症状
- 鼻づまりや鼻水(透明~黄色や緑色の粘り気のあるもの)
- 顔の痛みや圧迫感(特に目の周りや頬、額)
- 発熱(微熱から高熱まで)
- 嗅覚(におい)の低下
- 咳やのどの痛み
- 歯の痛み(上の奥歯)
子供の症状
- 鼻づまりが長く続き、口呼吸になる
- 機嫌が悪くなったり、食欲が落ちる
- 耳の痛みや聞こえにくさを訴えることがある
- 熱が続くことがある
高齢者の症状
- 症状がぼんやりと現れることがある(例えば、だるさだけ)
- 鼻水や咳が長引く
- 意識の低下や混乱(まれに、重い感染症のサイン)
原因
主な原因
- ウイルス感染(風邪やインフルエンザなど)
- 細菌感染(ウイルス感染後に起こることが多い)
- アレルギー性鼻炎(花粉症など)
- 鼻ポリープ(鼻の粘膜にできる良性のできもの)
- 歯の感染症(上の奥歯の根の周りの炎症)
リスク要因
- アレルギー体質(アレルギー性鼻炎など)
- 鼻の構造上の問題(鼻中隔弯曲など)
- 免疫を弱める病気(糖尿病など)
- 喫煙や受動喫煙
- 免疫力が低下する治療(抗がん剤など)
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 上記の緊急症状がある場合(すぐに救急車119番を)
- 症状が急に悪化した場合
定期受診を予約すべき場合:
- 風邪の症状が10日以上続く場合
- 緑色や黄色の鼻水が続く場合
- 顔の痛みや頭痛がつらい場合
- 今までにない症状が出た場合
診断
医師は、まずあなたの症状や経過を詳しく聞きます。次に、鼻の内部を専用の器具(鼻鏡)で見たり、耳やのどを診察します。必要に応じて、画像検査(CTや単純X線)や鼻の内視鏡(スコープ)検査を行うこともあります。
行われる可能性のある検査
- 問診(症状の詳しい聞き取り)
- 鼻鏡検査(鼻の穴から中の様子を見る)
- 内視鏡検査(細いカメラを鼻に入れて副鼻腔の出口を調べる)
- CTスキャン(副鼻腔の状態を詳しく見る)
- 細菌培養検査(鼻水を取って、原因となっている細菌を調べる)
診察で予想されること
診断は通常、外来で行われます。痛みを伴う検査はほとんどありません。CTスキャンは数分で終わります。診断結果に基づいて、自宅でできるケアや治療方法が説明されます。
治療
副鼻腔炎の治療は、原因や重症度によって異なります。多くの場合、自宅でのケアと医師の指導による治療を組み合わせて行います。細菌感染が疑われる場合は、抗生物質が処方されることがありますが、ウイルス性の場合は自然に治ることもあります。
自宅でのセルフケア
- 部屋を加湿し、乾燥を防ぐ(加湿器や濡れタオルを置く)
- 蒸しタオルを鼻の周りにあてる(温湿布)
- 水分を十分にとる(ぬるめの飲み物がおすすめ)
- 安静にする(無理をしない)
- 塩水での鼻うがい(生理食塩水を市販の鼻洗浄器で行う)
- 枕を高くして寝ると鼻づまりが楽になることがある
医療治療
医師は、症状を和らげるための薬を処方することがあります。代表的なものとして、鼻づまりを改善する薬(点鼻薬や内服薬)、炎症を抑える薬、アレルギー症状を抑える薬などがあります。細菌感染が疑われる場合は、抗生物質が使われることがありますが、ウイルス性には効果がありません。どの薬も医師の指示に従って使用してください。
手術が検討される場合
薬での治療が十分に効果がない場合や、慢性的に再発する場合、鼻ポリープや副鼻腔の構造的な問題がある場合に、手術が検討されることがあります。手術は内視鏡を使い、鼻の穴から行うことが多く、入院期間も短いです。
この病気と共に生きる
急性期は安静にして、症状が落ち着いても無理をしないことが大切です。慢性副鼻腔炎の場合は、日常生活の中で鼻の通りをよくする工夫(加湿、鼻うがいなど)を習慣にするとよいでしょう。
生活習慣のアドバイス
- 禁煙する(タバコの煙は副鼻腔を刺激します)
- アレルギーの原因を避ける(花粉症の時期はマスク、部屋の掃除など)
- 十分な睡眠をとる
- ストレスをためすぎない
食事と運動
バランスの良い食事を心がけ、特に水分をしっかり摂ることが大切です。辛い食べ物は一時的に鼻づまりを解消することがありますが、胃腸に負担をかけることもあるので注意しましょう。軽い運動は血流を良くし、症状改善に役立つこともありますが、体調が悪いときは無理をしないでください。
精神的健康と心の健康
慢性的な鼻づまりや頭痛は、集中力の低下やイライラ、睡眠の質の低下につながることがあります。気分が沈みがちになったり、日常生活に支障を感じる場合は、一人で抱え込まずに医師や家族に相談してください。
予防
完全に予防することは難しいですが、リスクを減らすことは可能です。風邪やインフルエンザの予防(手洗い、うがい、マスク)、アレルギー対策(花粉症の時期の予防薬など)、禁煙、部屋の加湿などが効果的です。
ワクチン
インフルエンザワクチンは、インフルエンザによる副鼻腔炎のリスクを減らすことができます。また、肺炎球菌ワクチンも、重症化予防に役立つことがあります。予防接種については、医師に相談してください。
検診プログラム
特に定期的な検査は必要ありません。症状があるときに医療機関を受診することで十分です。ただし、慢性副鼻腔炎の場合は、定期的に経過を見ることがあります。
合併症
治療しない場合
- 慢性副鼻腔炎(症状が長期間続く)
- 眼窩内合併症(目の周りの組織に炎症が広がる)
- 髄膜炎(髄膜という脳や脊髄をおおう膜に炎症が起こる)
- 脳膿瘍(脳の中に膿の塊ができる)
- 骨髄炎(顔の骨に炎症が広がる)
長期的な見通し
多くの場合、適切な治療とセルフケアで症状は改善します。合併症はまれですが、早期に治療を受けることで防げることがほとんどです。慢性化した場合でも、治療法は確立しており、症状をコントロールしながら快適に生活することが可能です。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月19日
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