睡眠時無呼吸症(睡眠時無呼吸症候群)と共に生きる大人の方へ
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
睡眠時無呼吸症とは、眠っている間に何度も呼吸が止まったり、浅くなる病気です。呼吸が止まることで体の中の酸素が不足し、脳が目を覚まして呼吸を再開させます。そのため、深い眠りが妨げられ、日中に強い眠気や疲れを感じることがあります。
重要な事実
- 睡眠時無呼吸症は、睡眠中に呼吸が止まる(無呼吸)ことで、睡眠の質が低下する病気です。
- 放置すると高血圧や心臓病などのリスクが高まることがあります。
- 適切な治療で症状は大きく改善します。
日本では成人の約2~4%が睡眠時無呼吸症と推定されており、特に40代から60代の男性に多く見られますが、女性や高齢者でも珍しくありません。
肥満の方、あごが小さい方、扁桃腺が大きい方、男性、閉経後の女性などに多く見られます。また、家族に睡眠時無呼吸症の方がいる場合もリスクが高まります。
症状
- 呼吸が止まったままなかなか再開しない
- 意識が戻らない
- 顔色が真っ青になる
- ⚠日中に突然強い眠気で事故に遭いそうになった
- ⚠運転中に眠ってしまった経験がある
- ⚠夜中に息苦しさで何度も目が覚めて苦しい
一般的な症状
- 大きないびきをかく
- 睡眠中に呼吸が止まるのを家族に指摘される
- 日中に強い眠気がある(会議中や運転中に眠ってしまう)
- 朝起きたときに頭が痛い
- 口が渇いている
- 夜中に何度もトイレに起きる
- 集中力や記憶力の低下
高齢者の症状
- 高齢者では、いびきが小さかったり、無呼吸がわかりにくいことがあります。
- 夜中の頻尿や転倒リスクの増加にも注意が必要です。
原因
主な原因
- 空気の通り道である喉の奥(咽頭)が狭くなることが主な原因です。
- 睡眠中に喉の筋肉が緩み、舌や軟口蓋が気道を塞ぐことで呼吸が止まります。
リスク要因
- 扁桃腺やアデノイド(鼻の奥のリンパ組織)の肥大
- あごが小さい、または後ろに下がっている
- 飲酒(特に寝る前の飲酒)
- 加齢(年をとるほど喉の筋肉が緩みやすくなる)
- 閉経後の女性
- 睡眠時無呼吸症の家族歴がある
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 日中に強い眠気があり、運転や仕事に支障が出ている
- 夜中に息苦しさで何度も目が覚める
定期受診を予約すべき場合:
- いびきが大きく、家族に指摘されたことがある
- 朝の頭痛や口の渇きが続く
- 日中の眠気が気になる
診断
診断には、睡眠中の状態を詳しく調べる検査(睡眠検査)が行われます。まずは問診や簡単なアンケート、自宅でできる簡易検査から始めることが多いです。
行われる可能性のある検査
- 問診・アンケート(エプワース眠気尺度など)
- パルスオキシメーター(指に付けて酸素濃度を測る)を使った自宅簡易検査
- ポリソムノグラフィー(病院で一晩かけて脳波や呼吸、心拍などを詳しく調べる検査)
診察で予想されること
検査のためには、専門の医療機関(睡眠外来や耳鼻咽喉科、呼吸器内科など)を受診します。自宅で簡易検査をする場合は、機器の使い方を説明されます。必要に応じて、病院で一晩泊まっての精密検査が行われることもあります。検査自体に痛みはなく、普段通り眠れば大丈夫です。
治療
治療の中心は、寝ている間に気道を広げて呼吸をスムーズにする方法です。重症度や原因によって治療法が選ばれます。多くの場合、CPAP(シーパップ)と呼ばれる装置を使った治療が効果的です。
自宅でのセルフケア
- 体重を減らす(肥満がある場合、5~10%の減量で症状が改善することがあります)
- 寝る前の飲酒を避ける
- 睡眠薬や鎮静剤を安易に使わない
- 横向きで寝る(仰向けより気道が塞がりにくい)
- 禁煙する
医療治療
代表的な治療法はCPAP(持続陽圧呼吸療法)で、鼻にマスクを装着し、空気を送り込んで気道を広げる装置を使います。その他、口腔内装置(マウスピース)を使ってあごの位置を調節する方法もあります。治療法は医師が症状や検査結果に基づいて提案します。
手術が検討される場合
扁桃腺やアデノイドが大きい方、あごの形が原因の方には、手術が検討されることがあります。ただし、手術が全ての人に適しているわけではなく、効果にも個人差があります。
この病気と共に生きる
CPAP治療を始めると、夜間の呼吸が安定し、日中の眠気が大幅に改善します。装置に慣れるまで少し時間がかかることもありますが、継続することで効果を実感できます。旅行の際も携帯用の装置を借りられる場合があります。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい睡眠時間を確保する
- 寝る前のカフェインや大量の食事を避ける
- 寝室の環境を整える(静かで暗く、適温に)
- 適度な運動を習慣にする
- ストレスを溜めすぎない
食事と運動
バランスの良い食事と適度な運動で、適正体重を維持することが症状の改善につながります。ただし、無理なダイエットはせず、医師や栄養士と相談しながら行いましょう。
精神的健康と心の健康
日中の強い眠気や疲労感が続くと、仕事や人間関係に影響が出たり、気分が落ち込むことがあります。治療で症状が改善すれば、気持ちも楽になることが多いので、一人で悩まずに医療機関に相談してください。
予防
完全に予防することは難しいですが、肥満を予防する、適度な運動を心がける、飲酒や喫煙を控えるなど、リスクを減らす生活習慣は有効です。
検診プログラム
健康診断で、いびきや日中の眠気に関する質問が含まれている場合があります。気になる方は、かかりつけ医に相談して簡易検査を受けることもできます。
合併症
治療しない場合
- 日中に強い眠気による交通事故や作業中の事故リスクが高まります。
- 高血圧や不整脈、心筋梗塞、脳卒中などの循環器疾患のリスクが上昇します。
- 2型糖尿病のリスクが高まることがあります。
- うつ病などの気分障害を引き起こしやすくなることがあります。
長期的な見通し
睡眠時無呼吸症は、適切な治療を続ければ症状は大きく改善し、合併症のリスクも減らせます。治療を始めた多くの方が、日中の眠気がなくなり、生活の質が向上したと実感されています。あきらめずに、医療機関のサポートを受けながら管理していきましょう。
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- 厚生労働省 e-ヘルスネット ↗ · 日本
- 日本睡眠学会 ↗ · 日本
- 日本呼吸器学会 ↗ · 日本
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必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
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