小児の睡眠時無呼吸症候群(子どもの睡眠時無呼吸)について
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)は、睡眠中に一時的に呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。子どもにも起こることがあり、成長や発達に影響を与える可能性があります。適切な治療で改善できる病気です。
重要な事実
- 睡眠中に呼吸が止まることで、十分な睡眠が取れず、日中の集中力や学習に影響が出ることがあります。
- 原因の多くは扁桃腺(へんとうせん)やアデノイド(のどの奥にあるリンパ組織)の肥大です。
- 治療により、症状は大きく改善し、元気な毎日を取り戻せます。
小児の睡眠時無呼吸症候群は、子どもの約1~3%に見られるといわれています。決してまれな病気ではありません。
主に3歳から6歳の幼児や小学生に多く見られますが、乳幼児から思春期の子どもまで幅広い年齢で起こる可能性があります。
症状
- 睡眠中に呼吸が長く止まり、顔色が青紫色になる
- 呼吸が再開しない、または息をしていないように見える
- けいれんを起こす
- ⚠いびきが急に大きくなったり、呼吸の停止が頻繁に見られる
- ⚠日中に強烈な眠気のため事故に遭いそうになった
- ⚠咳や発熱を伴い、呼吸が苦しそう
一般的な症状
- いびきが大きい(毎晩、規則的に続く)
- 睡眠中に呼吸が止まっているように見える
- 寝返りが多く、落ち着きがない
- 寝汗をたくさんかく
- 朝起きるのがつらい、疲れが取れない
子供の症状
- 日中の眠気やぼんやりすることが多い
- 集中力が続かず、学校の成績が下がる
- 多動(じっとしていられない)や落ち着きのなさ
- 成長がゆっくり(体重や身長の増加が悪い)
- 夜尿(おねしょ)が続く
- いらいらしたり、感情のコントロールが難しい
高齢者の症状
- 高齢の子ども(思春期)では、大人と同様に日中の強い眠気や朝の頭痛が見られることがあります。
- 肥満が原因の場合もあり、生活習慣の見直しが必要です。
原因
主な原因
- 扁桃腺(へんとうせん)やアデノイド(のどの奥にあるリンパ組織)の肥大が最も多い原因です。
- 肥満により気道が狭くなることも原因の一つです。
- あごの骨格の問題や、アレルギー性鼻炎などで鼻の通りが悪いことも影響します。
リスク要因
- 家族に睡眠時無呼吸症候群の人がいる
- アレルギー性鼻炎やぜんそくがある
- 肥満傾向にある
- ダウン症など、顔やのどの構造に特徴がある病気を持つ
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 睡眠中に呼吸が止まるのが頻回で、睡眠がとても不安定
- 日中に強い眠気のため学校生活に支障が出ている
- 成長や発達に明らかな遅れがある
定期受診を予約すべき場合:
- いびきが毎晩続いている
- 口呼吸をしていることが多い
- 朝起きても疲れが取れない、日中にぼんやりすることがよくある
診断
医師がお子さんやご家族の話を聞き、問診と診察を行います。必要に応じて、睡眠中の呼吸や酸素の状態を調べる検査(睡眠検査)が行われます。
行われる可能性のある検査
- 問診と診察(のどや鼻の内視鏡検査を含む)
- 簡易睡眠検査(自宅でできる場合も)
- 終夜睡眠ポリグラフ検査(病院で一泊し、詳しく調べる検査)
診察で予想されること
検査は痛みを伴いません。お子さんがリラックスして眠れるよう、検査スタッフがサポートします。検査結果をもとに、医師が治療方法を提案します。
治療
治療は原因や重症度によって異なります。軽度の場合は経過観察や生活習慣の改善で十分なこともあります。中等度以上や重度の場合は、より積極的な治療が必要です。
自宅でのセルフケア
- 肥満がある場合は、バランスの良い食事と適度な運動で体重コントロールを心がける
- アレルギー性鼻炎がある場合は、医師の指導のもとで治療をする
- 寝るときの姿勢を横向きにすることで、気道が狭くなりにくくなる場合がある
医療治療
治療の主な方法として、軽度から中等度の場合は、睡眠中に鼻から空気を送る装置(CPAP: シーパップと呼ばれる治療法)が使用されることがあります。肥満が原因の場合は減量指導も行われます。お子さんの状態に合わせて、医師が最適な方法を提案します。
手術が検討される場合
扁桃腺やアデノイドの肥大が原因で、かつ重症の場合、手術(扁摘・アデノイド切除)が検討されることがあります。手術により多くの子どもで症状が改善します。医師と十分に相談して決めましょう。
この病気と共に生きる
治療中でも、普段の生活はほとんど制限されません。睡眠をしっかり取れるように夜更かしを避け、規則正しい生活リズムを心がけましょう。
生活習慣のアドバイス
- 毎日同じ時間に寝起きする習慣をつける
- 寝室の温度や湿度を過ごしやすい環境に整える
- 寝る前のテレビやスマートフォンは控える
- お子さんがストレスを溜めないよう、リラックスできる時間を作る
食事と運動
肥満予防のため、野菜や果物を多く取り入れ、脂っこい食事や甘い飲み物は控えめに。外で遊ぶなど、体を動かす習慣をつけましょう。
精神的健康と心の健康
睡眠不足が続くと、イライラや集中力の低下、学校でのトラブルが増えることがあります。症状が改善すると、行動や気持ちも落ち着いてきます。もし心配なことがあれば、学校の先生やカウンセラーにも相談してみてください。
予防
すべてを予防できるわけではありませんが、肥満の予防やアレルギー性鼻炎の治療により、リスクを減らせる場合があります。
検診プログラム
気になる症状があれば、早めに小児科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。特にいびきが続くか、日中に眠そうにしている場合は、一度相談することをおすすめします。
合併症
治療しない場合
- 成長や発達の遅れ
- 集中力や学習能力の低下
- 心臓や肺に負担がかかる
- 高血圧や肥満のリスク上昇
長期的な見通し
適切な治療を受ければ、ほとんどの子どもで症状は改善します。治療により、ぐっすり眠れるようになり、昼間の元気さも取り戻せます。お子さんの将来の健康のために、ぜひ医師と一緒に最適な方法を選んでいきましょう。
サポートを探す
国際機関
- 日本睡眠学会
- 日本小児呼吸器学会
地域の団体
- お住まいの地域の小児科・耳鼻咽喉科 · 日本
- 保健所または市区町村の子育て支援窓口 · 日本
相談窓口
外部リンクは第三者のウェブサイトを開きます。Ruqelo は外部コンテンツについて責任を負いません。団体名の掲載は推奨を意味するものではありません。
必ず医師に確認してください
健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
関連する疾患
情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
教育上の注記: この情報は教育目的のみであり、診断ではありません。
免許を持つ医療者のアドバイスを補うために使い、代わりにはしないでください。
症状が重篤、悪化、または緊急の場合は、地域の救急番号に電話するか、緊急医療を受けてください。