高齢者の睡眠時無呼吸症候群 暮らしのヒント
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)は、眠っている間に呼吸が何度も止まったり浅くなったりする病気です。呼吸が止まると、体に酸素が十分に行き渡らず、脳や心臓に負担がかかります。
重要な事実
- 眠っている間に呼吸の休止が10秒以上続くことがある
- いびきが大きく、時々止まるのが特徴
- 夜中に何度も目が覚めるため、昼間に強い眠気が出る
高齢者では比較的よく見られる病気で、60歳以上の約10%に症状があるとされています。
肥満の方や、あごが小さい方、男性に多く見られますが、高齢になると女性でも増えます。喉の筋肉が弱まるためです。
症状
- 眠っているときに呼吸が止まり、なかなか再開しない
- 顔色が青紫色になる
- 呼びかけても反応しない
- ⚠昼間に眠気が強く、運転中に眠りそうになる
- ⚠息苦しさで目が覚めることが頻繁にある
一般的な症状
- 大きないびきをかく
- 呼吸が止まる(自分では気づかないことが多い)
- 昼間に強い眠気がある
- 朝起きたときに頭が痛い
- 夜中に何度も目が覚める
子供の症状
- 夜中に落ち着きがない
- 寝ている間に汗をかく
- おねしょが続く
- 昼間に集中力が続かない
高齢者の症状
- いびきが大きくなる
- 夜中にトイレに行く回数が増える
- 夜間の不眠や中途覚醒が増える
- 日中の眠気が強くなり、転倒のリスクが上がる
- 物忘れや気分の落ち込みが現れることも
原因
主な原因
- のどの奥の空気の通り道が狭くなることが主な原因です。
- 睡眠中にのどの筋肉がゆるみ、舌や軟口蓋(なんこうがい)が沈みこんで空気をふさぎます。
リスク要因
- 肥満(脂肪がのどを圧迫する)
- 加齢(のどの筋肉が弱る)
- あごが小さい・後ろに引っ込んでいる
- 飲酒や睡眠薬の使用(筋肉をゆるめやすくする)
- 家族に睡眠時無呼吸の人がいる
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 夜中に呼吸が止まって、息苦しくなったり、止まったまま起きないことがあるとき
- 昼間の眠気が強く、交通事故や仕事のミスにつながりそうなとき
定期受診を予約すべき場合:
- いびきが大きく、周りの人に指摘されたとき
- 朝起きても疲れがとれない、頭が痛いとき
- 血圧が高めで、生活習慣の改善だけでは下がらないとき
診断
問診(症状の聞き取り)と簡単なスコアリング(質問票)を行い、その後、睡眠の状態を詳しく調べる検査をすることが一般的です。
行われる可能性のある検査
- 簡易検査:自宅でできる睡眠中の酸素や呼吸の状態を調べる機器を使って検査します。
- 終夜睡眠ポリグラフ検査:病院に一晩入院し、脳波、呼吸、心拍、手足の動きなどを詳しく記録します。
診察で予想されること
検査は痛みや大きな負担はなく、普段通り眠ることが大切です。結果をもとに、医師が重症度を評価し、治療法を提案します。
治療
治療の目標は、睡眠中の呼吸の通り道を確保し、酸素不足を防ぐことです。重症度に応じて、生活習慣の改善や機器を使った治療が行われます。
自宅でのセルフケア
- 横向きに寝る(仰向けよりのどがつぶれにくい)
- 寝る前の飲酒や睡眠薬を控える
- 体重を減らす(肥満がある場合)
- 禁煙する(喫煙は炎症を起こしやすい)
医療治療
持続陽圧呼吸療法(CPAP)という鼻にマスクをあてて、空気を送り込み、のどを広げる方法が最も効果的です。また、口の中に装着するマウスピースタイプの器具もあり、軽度から中等度の方に使用されます。重症の場合は手術が検討されることもありますが、高齢ではリスクを考慮します。
手術が検討される場合
のどの構造に問題がある場合や、CPAPが使えない場合に手術が検討されることがあります。しかし高齢者では、手術の負担を考慮し、まずは他の治療法を優先することが多いです。
この病気と共に生きる
CPAPなどの治療を毎晩続けることで、日中の眠気が改善し、生活の質が大きく向上します。治療がうまくいかないときは、医師や睡眠療法士に相談しながら調整していきましょう。
生活習慣のアドバイス
- 規則正しい睡眠時間を心がける
- 寝室の環境を整える(静かで暗い部屋)
- 寝る前のカフェインや重い食事を避ける
- 枕や寝姿勢を工夫する
食事と運動
バランスの良い食事と適度な運動は、体重管理や筋肉(特にのどの筋肉)の維持に役立ちます。ウォーキングやストレッチなど、続けやすい運動から始めましょう。
精神的健康と心の健康
眠りが浅いと、気分が落ち込んだり、イライラしやすくなることがあります。治療で眠りが改善すると、気持ちも楽になることが多いです。もし辛さが続くなら、一人で抱えずに医療機関や相談機関に話しましょう。
予防
完全に予防するのは難しいですが、体重を適正に保つ、飲酒や喫煙を控える、規則正しい睡眠習慣を続けることでリスクを下げることができます。
ワクチン
特にありません。
検診プログラム
症状がある場合や、いびきがひどい場合は、健康診断やかかりつけ医に相談して、簡易検査を受けることが勧められます。
合併症
治療しない場合
- 高血圧や不整脈などの心血管疾患のリスクが高まる
- 脳卒中(脳梗塞や脳出血)の危険が増す
- 日中の眠気による交通事故や転倒のリスク
- 認知症(物忘れ)の進行に関連する可能性がある
長期的な見通し
正しく診断され、CPAPなどの治療を続ければ、症状は劇的に改善します。多くの方が治療後、昼間の眠気がなくなり、血圧が安定し、元気に日常生活を送っています。早めに治療を始めるほど、合併症の予防効果も高まります。希望を持って取り組みましょう。
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- 日本睡眠学会 · 日本
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健康ガイドラインは国や地域によって異なります。この記事の情報は国際的な臨床ガイドラインに基づいていますが、お住まいの国の具体的なガイドライン、薬、または診療慣行を反映していない場合があります。健康上の懸念は常にご自身の医師または医療提供者と相談し、利用可能な場合は地域の国家ガイドラインを参照してください。
重要なお知らせ この情報は教育目的にのみ提供されています。専門的な医療アドバイス、診断、治療に代わるものではありません。ご自身の状況については、常に資格を持つ医療専門家にご相談ください。医療上の緊急事態が発生した場合は、直ちに最寄りの救急医療サービスに連絡してください。
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月30日
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