Trichomoniasis
国際的な診療ガイドラインに基づく
概要
トリコモナス症は、トリコモナス・バギナリスという小さな寄生虫(微生物)によって起こる性感染症(STI)です。主に性行為によってうつり、女性では膣、男性では尿道に感染します。治療すれば治る病気です。
重要な事実
- 性行為でうつる感染症です
- 女性に症状が出やすく、男性は無症状のことが多い
- 抗生物質で治療できます(ただし自分で市販薬を買わずに医師の指示を守ってください)
- 治療中は性行為を控える必要があります
トリコモナス症は、世界中でよく見られる性感染症のひとつです。日本でも年間に多くの報告があります。
性行為をするすべての年齢の人に起こりますが、特に15~49歳の女性に多いとされています。男性も感染しますが、症状がないことが多いです。
症状
- 激しい腹痛や骨盤の痛みがある
- 高熱(38度以上)が出た
- 意識がもうろうとする
- ⚠おりものに血が混じっている
- ⚠性器にただれや水ぶくれがある
- ⚠排尿が全くできない
- ⚠痛みがひどくて動けない
一般的な症状
- 女性:黄緑色や灰色の泡のようなおりもの、強い匂い、膣のかゆみや痛み、性交時の痛み、排尿時の痛み
- 男性:尿道からの透明または白っぽいおりもの、排尿時の軽い痛みや違和感、精巣の腫れや痛み(まれ)
子供の症状
- 小児では、感染している母親から出産時にうつることがあります。新生児では症状が出ないこともありますが、膣や尿道に炎症が起こることがあります。
- 思春期前の子どもでは、性行為以外の接触で感染することはほとんどありません。症状が出た場合は医師の診察が必要です。
高齢者の症状
- 高齢者の場合、症状が軽いか、他の病気と間違えられることがあります。
- 女性では閉経後のホルモン変化により、症状がより強く出ることもあります。
原因
主な原因
- トリコモナス・バギナリスという原虫(単細胞の微生物)による感染
- 感染している人との腟、肛門、口腔の性行為
- 産道を通る際に、感染した母親から赤ちゃんへうつること(まれ)
リスク要因
- コンドームを使わない性行為
- 複数の性パートナーがいる
- 過去に他の性感染症にかかったことがある
- 免疫力が低下している
受診の目安
緊急で受診すべき場合:
- 性器に強いかゆみ、痛み、異常なおりものがある
- 排尿時に痛みがある
- 性交時に痛みがある
定期受診を予約すべき場合:
- パートナーがトリコモナス症と診断された
- 性感染症の定期検査を受けたい
- 妊娠中か妊娠を考えている(感染が赤ちゃんに影響することがあるため)
診断
医師が症状や性行為の状況を聞き、検査を行います。
行われる可能性のある検査
- おりものや尿を採取して顕微鏡で調べる(簡単ですぐにわかることが多い)
- PCR検査(遺伝子検査)で正確に診断することもある
- 女性の場合は腟の内診(クスコを入れて観察)を行うこともある
診察で予想されること
検査は痛みを伴うことはほとんどありません。結果は数分~数日でわかります。医師が結果を説明し、治療について相談します。
治療
トリコモナス症は、医師が処方する薬(抗菌薬)で治療します。必ず医師の指示に従って薬を飲み切り、途中でやめないことが大切です。パートナーも同時に治療しないと、再感染します。
自宅でのセルフケア
- 治療中は性行為を完全に控える(パートナーも治療が終わるまで)
- 症状がおさまっても、医師が許可するまで性行為はしない
- 石鹸や洗浄液で膣を洗いすぎない(刺激になる)
- 綿の下着を着けて通気性を良くする
医療治療
医師は経口薬(飲み薬)を処方します。通常は1回の服用で効果がありますが、場合によっては数日間続けて服用することもあります。妊娠中でも安全に使える薬があります。自己判断で市販薬を使わず、必ず医師に相談してください。
手術が検討される場合
手術が必要になることはありません。ただし、女性で卵管などに炎症が広がった場合など、まれに処置が必要になることがあります。
この病気と共に生きる
治療中は性行為を控え、体を清潔に保ちます。パートナーと一緒に治療することが再発防止に重要です。
生活習慣のアドバイス
- コンドームを正しく使う(性行為のたびに)
- 性パートナーと感染症について話し合う
- 治療が終わった後も、定期的に性感染症の検査を受ける
食事と運動
特に食事制限はありません。栄養バランスの良い食事と適度な運動で免疫力を保ちましょう。
精神的健康と心の健康
性感染症と診断されると、ショックや恥ずかしさ、不安を感じることがあります。それは自然な感情です。誰にでも起こりうる病気で、治療できることを忘れないでください。必要ならカウンセリングを受けることも考えましょう。
予防
はい、性行為のたびにコンドームを正しく使うことで、感染リスクを大きく減らせます。性パートナーを減らすことも予防につながります。
ワクチン
トリコモナス症に対するワクチンは、現時点ではありません。
検診プログラム
性感染症の検査は、症状がなくても年に1回は受けることをおすすめします。特に新しいパートナーができたときや、妊娠を考えているときは検査しましょう。
合併症
治療しない場合
- 女性:骨盤内炎症性疾患(PID)という子宮や卵巣の感染症に進行することがある
- 不妊症のリスクが高まる(卵管が傷つくため)
- 妊娠中に感染すると、早産や低出生体重児のリスク
- 男性:尿道の炎症が慢性化することがある
- HIV(エイズウイルス)に感染しやすくなる
長期的な見通し
トリコモナス症は適切に治療すれば完全に治る病気です。ほとんどの人は後遺症なく回復します。早めに受診し、パートナーと一緒に治療すれば、重い合併症を防ぐことができます。治療後は日常生活に戻れ、性行為も問題なく行えます。
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- 厚生労働省 性感染症に関する情報 ↗ · 日本
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情報源とガイダンス
この記事は教育目的で、利用可能な場合は認知された健康情報および臨床ガイダンスの情報源を参照して作成されています。具体的な情報源リンクはトピックによって異なる場合があります。
最終更新: 2026年7月18日
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